契約社員がボーナスなしかどうかは企業によって異なる
基本的に、契約社員にボーナスが支給されるかどうかは勤務先の企業によって異なります。たとえば、労働契約書や就業規則にボーナスを支給すると明記されていれば支給されますが、特に明記されていなければ支給はされないでしょう。
そもそもボーナス自体、労働基準法などで必ずしも支給が義務付けられているものではありません。勤務先の企業から契約社員にボーナスが支給されなかったとしても違法となることはないのです。
ただし、雇用契約書に「業績によりボーナスの支給あり」などと明記されているにもかかわらず支給されないのは、違法となります。契約社員として企業と雇用契約を結ぶ際は、労働契約書や就業規則に記載されている内容をしっかりと確認しておくことが大切です。
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契約社員に対するボーナスの支給状況
東京都産業労働局の「契約社員に関する実態調査」によると、2023年度の契約社員に対する賞与の支給状況は以下となっています。
- 全員に支給(46.9%)
- 一部に支給(17.2%)
- 未支給(33.0%)
- 無回答(2.9%)
この調査は東京都内の常用従業者規模30人以上の3000事業所を対象に実施したものです。契約社員への賞与の支給は「全員に支給」をしているところが最も多いことがわかります。
それでも全体の半分には満たない数値であり、次に多かったのが「未支給」で3割以上を占めることを考えると、契約社員に対してボーナスを支給する企業は少ない傾向にあるといえそうです。
また、同調査によると、契約社員に支給された2023年度の賞与の平均支給額は以下のようになっています。
- 10万円未満(11.6%)
- 10万円以上20万円未満(13.1%)
- 20万円以上40万円未満(22.7%)
- 40万円以上60万円未満(15.7%)
- 60万円以上80万円未満(5.1%)
- 80万円以上100万円未満(3.5%)
- 100万円以上(12.6%)
- 無回答(15.7%)
契約社員のボーナスの平均支給額は「20万円以上40万円未満」が最も多いようです。続いて、「40万円以上60万円未満」「10万円以上20万円未満」という順になっていますが、中には「100万円以上」を支給する企業もあることがわかります。
出典:令和5年度 契約社員に関する実態調査/東京都産業労働局
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同一労働同一賃金制度によるボーナスへの影響は?
同一労働同一賃金とは、正社員や非正規雇用労働者などの雇用形態による待遇差の解消を目指すために2020年度より施行された制度です。
わかりやすくいうと、正社員と同じ仕事をする契約社員やパートタイムなどの非正規雇用労働者に正社員と同じ賃金や待遇を与えるという取り組みです。基本給に加え、ボーナスや退職金、福利厚生、各種手当なども対象となっています。
ガイドラインでは、労働者の業績などへの貢献に応じて企業が支給するボーナス(賞与)について、仕事内容が同一の場合は同一、違いがある場合は違いに応じた支給を行うと記載されています。
つまり、正社員と同じ仕事をしている契約社員の場合は、ボーナスを含むあらゆる面で正社員と同等の待遇を受けられる可能性が高いでしょう。
契約社員として勤務するメリットとデメリット
契約社員として勤務することには、さまざまメリットとデメリットがあります。ここでは、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのかを確認しておきましょう。
メリット
- 副業ができる可能性がある
- 残業が少ない
- 転勤がない
- 希望の部署で働きやすい
正社員だと副業を禁止としているところは珍しくないですが、契約社員は許されていることがあります。そのため、ボーナスが出なくても副業をして収入を増やすことが可能です。
また、残業が少ないので勤務時間の融通も利きやすいでしょう。勤務時間帯などを交渉できる場合が多いので、正社員と比べて働きやすさを感じるかもしれません。
さらに契約社員は契約の時点で勤務地が限定されているので、急な転勤を命じられることもないでしょう。
そして、希望の部署で働きやすいのも契約社員ならではのメリットといえます。契約社員は契約ごとに業務内容が決められているので自分の希望する部署で働ける可能性が高く、自分のやりたいこと・特定のスキルを活かした仕事に就けるでしょう。
デメリット
- 雇用状態が不安定
- 仕事のモチベーションを保ちにくい
契約社員は有期契約労働者にあたるので、契約期間の満了を迎えたあとで更新されない場合はそのまま契約終了となることがあるため、雇用状態が不安定です。
また、正社員と違って契約社員は昇給や昇進がないので、仕事のモチベーションを保ちにくいでしょう。
正社員と同等の仕事をしたり仕事で成果を上げたりしても、給料やボーナスに反映されないと物足りなさを感じてしまうおそれがあります。
ボーナスなしの契約社員が年収を上げる方法
ここでは、現在勤めている職場でボーナスが期待できないという契約社員の方に向けて、年収を上げるための方法を紹介します。
副業をする
勤務先の職場が許可をしているのであれば、副業をすることを検討してみるのもよいかもしれません。
仮に副業が単価の安い仕事だったとしても、隙間時間でコツコツと続ければちょっとした稼ぎを期待できる可能性があります。また、趣味を活かして稼いでみるのもよいでしょう。
ボーナスありの企業に転職する
ボーナスの支給を重視するのであれば、いっそのことボーナスありの企業に転職するという方法があります。
インターネットなどを活用して求人を探すと、契約社員でもボーナスありの求人を見つけられるでしょう。その中から転職先を探すのがよさそうです。
なお、宿泊業界でも、契約社員でありながら賞与を支給している施設があります。これを機に宿泊業の仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ひとくちに宿泊業といっても、フロントスタッフや調理スタッフ、レストランスタッフ、宴会サービススタッフなどさまざまな働き方が期待できます。
希望に合った働き方を見つけやすいかもしれません。宿泊業界に特化した転職支援サービスである「おもてなしHR」では、あなたの希望に合った宿泊業界の求人を紹介いたします。
契約社員でも企業によってはボーナスをもらえる
契約社員だからボーナスはもらえないと諦める必要はありません。雇用形態が契約社員であっても、企業によってはボーナスをもらえることがあります。
しかし、それでも契約社員は正社員に比べると待遇に差があることが一般的であるため、正社員と同等のボーナスを希望するのであれば、正社員として働くことを検討したほうがよいでしょう。
なお、宿泊業では契約社員でもボーナスを支給している求人が多くあります。また、職種が多いため、さまざまな働き方ができるでしょう。宿泊業の仕事に興味がある方は、おもてなしHRまでお問い合わせください。