結婚を機に転職する女性の割合
結婚を機に転職する女性は、全体のうち何パーセント程度を占めるのでしょうか。
結婚をきっかけに、就業状況にどのような変化が起こるのか、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第7回21世紀成年者縦断調査」の結果を見ていきましょう。
<結婚の状況別にみた女性の就業状況の変化>
・同一就業継続……49.4%
・離職……28.1%
・転職……9.7%
・無職継続……5.4%
・不詳……4.2%
・新規就業……3.3%
調査結果から、結婚により転職をした女性の割合は9.7%ということがわかります。つまり、結婚した女性のうち10人に1人は転職をするということですね。
では、結婚をした女性はどのような理由から転職を決めるのでしょうか。
遠方への引っ越しなどの事情もあるでしょうが、その理由には結婚後の夫婦に対する考え方の変化も大きく関わっているようです。次の項目から詳しくご説明していきます。
データ参照:第7回21世紀成年者縦断調査(国立社会保障・人口問題研究所)
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結婚後の夫婦に対する考え方が変化している
先ほどもご紹介しました「第7回21世紀成年者縦断調査」では、「調査別にみた家族に関する各項目への賛成割合」という調査も行われています。
この結果から、家族に対する価値観がどのように変化をしているかを読み解組ことが可能です。調査結果のうち、家庭と女性の関わり方の項目をピックアップしてご紹介していきます。
まず、賛成割合が上昇している項目から見ていきましょう。
こちらの項目は、第4回調査から第6回調査の間に5.1%の上昇が確認できます。
4回時点で既に高水準となっていますが、子どもを優先するという意識がさらに高まっていることがわかりますね。
続いて、賛成割合が下降している項目です。
「結婚後は、夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」
前者は15.5%、後者は9.6%の下降が見られます。夫婦分業の意識が次第に薄れ、もはや共働きが当たり前になりつつある現代を如実に表した結果となっているのではないでしょうか。
以上の調査結果から分かることは、
2.女性の労働への意識が高まっている
という二点です。
夫婦によって子どもを産む・産まないという判断の違いはあるでしょうが、つまりは、家庭を犠牲にすることなく、労働も疎かにはしたくないと考える方が増えてきているということ。
ですが、結婚が決まった時点で働いている会社が、上記の理想を両立させられるような制度を備えているとは限りません。
そのため、「現職では仕事と家庭の両立は難しいので、別の会社に転職したい」という考えから、結婚を機に転職をする女性が一定数存在していると考えられます。
では、結婚の前と後では、どちらの方が女性が転職をする際のタイミングとして適しているのでしょうか。次からご紹介していきます。
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結婚前と結婚後、女性が転職するのにベストなタイミングはいつ?
結婚前の転職と結婚後の転職では、それぞれにメリットやデメリットが存在します。両者を比較し、ベストだと思われる転職のタイミングを探りましょう。
結婚前の転職
まず、結婚前の転職のメリットとして考えられるのは、
・妊娠や出産について面接で聞かれる頻度が比較的低い
・採用リスクが低いと判断される場合がある
という点です。
女性の場合、結婚した直後だと「出産や育児で早々に離脱してしまうのでは」と心配され、採用に結びつかないケースもあるのだとか。
業務遂行能力とは関係のない部分で採用のを判断する会社への是非はあるものの、そのような判断基準をされてしまうことがあるのもまた事実。
加えて、妊娠や出産について面接時に言及されることもあり、不快感を覚えてしまうこともあるでしょう。
そのような思いをしてしまうリスクを回避する面から考えると、結婚前の転職の方が向いていると判断される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方、デメリットとして考えられるのが、想定していた結婚生活と現実の間に大きなギャップがあった際、転職先での働き方に無理が生じてしまうケースが考えられる点です。
せっかくベストだと思われる勤務地や働き方の会社に就職できても、前提条件が崩れてしまっては意味がなくなってしまいますよね。
そのため、結婚生活の基盤があまり明確でない方には、結婚前の転職はあまりおすすめできないと言えるでしょう。
結婚後の転職
結婚後の転職は、何と言っても実際の結婚生活を送りながら、ライフスタイルに合った転職先を探せることが大きなメリットです。
例えば、入居を予定していた物件から急遽別の場所に住むことになってしまったり、想定外の妊娠が発覚したりした場合、結婚前に決めた転職先の環境では働きにくくなってしまうこともあるでしょう。
ですが、実生活を開始した後の転職なら、想定と現実のギャップが起こる余地がありません。
そのため、確実に、そして長く働いて行けるような会社を選びたいという方は、結婚後の転職が合っていると考えられますよ。
結婚後の転職のデメリットとして考えられるのは、やはり採用リスクが高いと判断されてしまうことがある点です。
「新婚=出産や育児ですぐに業務から離脱してしまう」と判断する会社は残念ながら少なくはなく、女性自身が妊娠を望んでようといまいと、その考えはあまり変わらないのだそう。
業務遂行能力とは関係のない面で採用の可否を決定され、悔しい思いをされることもあるかもしれません。
が、仮にそのような会社に入社できたとしても、育休などの制度が整っていなかったり、社内制度を気軽に使えないような雰囲気があったりするパターンも多いようなので、あまり気落ちしすぎないことが大切ですよ。
万人にとってベストな転職のタイミングはない
結婚前と結婚後、それぞれの転職についてご紹介して参りましたが、すべての人にとってベストな転職のタイミングは存在しません。
重要なのは、各タイミングのメリットやデメリットを正確に把握し、自分自身にとって最も向いている時期を探ることです。
パートナーとどのような結婚生活を築きあげていくか、その生活の中で自分自身がどう在りたいのかをじっくりと見つめながら、転職のタイミングについて考えてみてくださいね。
結婚を機に転職を考えている女性は良いタイミングを見つけて
転職するのにベストなタイミングは、個々人によって大きく異なります。転職の時期のみにこだわるのでなく、理想の働き方や収入に合わせたタイミングを見極めることが何よりも大切ですよ。
結婚を機に転職をお考えの女性は、ご自身にとってベストな転職のタイミングがいつ頃なのかを、パートナーと共に模索していきましょう。
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