会社が退職者に渡す書類とは？

従業員が退職する際にはどんな手続きが必要？

従業員が退職したとき、会社側で行う主な手続きは以下の通りです。

• ・社会保険と雇用保険の資格喪失届の提出
• ・住民税の変更手続き

上記の手続きは、退職者の転職先が決まっているケースです。そうでない場合は、退職者から離職票や退職証明書の発行が求められることもあるかもしれません。

スムーズな発行手続きができるよう、離職票や退職証明書などは退職者に必要かどうか確認しておくようにしておきましょう。

会社から退職者に渡す書類には何がある？

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会社側から退職者に渡すもののなかには、どのような書類が含まれているのでしょうか。具体的にみていきましょう。

離職票

離職票を正式に言うと、「雇用保険被保険者離職票」と呼びます。離職票は退職者が失業保険の給付を受ける際に必要な書類となります。

退職者の転職先が決まっている場合は不要なので、退職者が離職票の発行を希望するかどうか事前に確認しておくことが必要です。

雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、退職者が失業保険を受ける場合や、転職先へ提出しなければならない場合に必要な書類です。

離職票とよく混同されてしまいますが、離職票は “退職した事実を証明するもの” で、雇用保険被保険者証は “雇用保険に加入した際に発行される証明書” です。

離職票は雇用保険被保険者証とは異なり、転職先への入社時に提示を求められることはほとんどないでしょう。

多くの場合、雇用保険被保険者証は紛失しないように本人には手渡さず会社で保管しているので、退職の際に初めて本人に手渡すことになります。

もともと従業員に預けていれば問題ありませんが、会社で保管している場合は退職者にきちんと返却するようにしてください。

年金手帳（会社が保管している場合）

年金手帳とは厚生年金の加入者であることを証明する書類で、退職者が国民年金に変更する際に必要となります。

通常は従業員が個人で管理するものですが、年金手帳を会社が保管しているのであれば、退職者に忘れずに返却するようにしましょう。

源泉徴収票

源泉徴収票は、退職者が所得税の確定申告をするときに不可欠なものです。

退職者の転職先が決まっている場合は、転職先に提出することになりますので必ず発行するように気を付けましょう。

退職証明書

退職証明書とは、会社側が従業員の退職を証明する書類となります。国民健康保険や国民年金の加入手続きを行う際に必要ですが、離職票があれば退職証明書を発行しなくても大丈夫です。

ですが、すぐに離職票を発行できない場合などは、退職証明書を発行したほうが良いでしょう。退職証明書は、国民健康保険や国民年金の加入手続きで離職票の代わりに提示できるので、とても便利な書類です。

また、転職先によっては、履歴書や職務経歴書の記載内容、退職理由を確認するために退職証明書の提出を求められることがあるかもしれません。

ただし、離職票とは異なり公文書として扱われないので注意してください。離職票を発行すれば退職証明書は必要なくなりますが、トラブルを避けるために退職者全員に発行している企業も多いようです。

退職者に提出してもらうものは？

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これまで会社側が退職者に渡す書類について確認してきましたが、退職者から会社への必要な提出物もしっかりと押さえておくべきです。

必ず提出してほしいものには提出期限をつけると良いでしょう。

退職届

会社を退職するには、従業員から口頭で意思表示をしてもらえれば問題ありません。

しかし、口頭のみになってしまうと、言った・言わないのトラブルに発展してしまう可能性が高くなってしまいます。そのため、会社全体がフレンドリーな雰囲気だとしても、必ず退職届を作成し、提出してもらうようにしましょう。

健康保険証

条件を満たせば、従業員は会社を通じて健康保険に加入できるようになります。そのため、従業員が会社を退職すると保険証は無効になるのです。

退職時に提出してもらった保険証は、会社が日本年金機構に返却しなければならないので、保険証は退職日に必ず返却してもらうようにしてください。

名刺

名刺は社名が入っているものになるので、退職日までの返却が必要です。

特に忘れてしまいがちなのが、取引先の名刺です。個人情報のひとつですので、必ず提出してもらいましょう。

身分証明書

社員証などの身分証明書も、退職日に受け取ってください。

カードキーや社章に関しても、後々のトラブルを未然に防ぐために返却してもらうようにしなければなりません。

会社の備品

会社の備品は返してもらうことが当然ですが、退職者がもらったものだと勘違いしているケースもあります。

パソコンや携帯電話、制服など、備品の貸与は会社によって異なりますよね。滞りなく対応するためにも、会社から退職者に返却物のリストを渡しておくと良いかもしれません。

書類やデータ

一見して価値がなさそうなものでも、会社の機密情報となる書類やデータはたくさんあります。

たとえば、没になった書類やデータなども、退職者が保持したままだとトラブルになってしまうことも十分に考えられます。

書類やデータは会社側で回収するのか、もしくは破棄するべきなのか、事前に指示を出しておきましょう。

スムーズな手続きのために早めに準備をしておこう

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従業員の退職手続きには、期限の決まっているものが多くあります。会社から退職者へ渡す書類が少しでも遅れてしまうと、退職者だけでなく転職先の企業へも迷惑がかかってしまうのです。

従業員から会社側への提出物も含め、直前になってバタバタしないように前もって準備しておくようにしてくださいね。