インフルエンザで仕事を休む場合、有休や休業手当は貰えるの?
インフルエンザは感染力が高い病気です。罹患してしまったらきちんと治すことはもちろん、周囲に感染させない配慮も必要です。
学校では解熱後2日間、発症後5日間は登校してはならないとされていますが、社会人の場合は「何日間出勤してはいけない」という決まりは特にありません。
就業規則で定められている場合もありますが、土日などの公休を挟んで1週間程度を目安に休むことが多いのではないでしょうか。
ある程度まとまった期間休むとなると、収入面が心配になりますよね。インフルエンザで出社できなくなった場合、有休や休業手当などでカバーすることはできるのでしょうか。
この記事では従業員がインフルエンザに罹患した際、企業がどのような対応をするのかについて解説します。インフルエンザの種類などによる対応の違いや、有休の残日数が無い場合の対処方法も、併せて見ていきましょう。
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社会人がインフルエンザにかかったら休業手当は貰えるの?
誰もが「インフルエンザ=休まなければいけない病気」という認識を持っていますよね。そのため、インフルエンザで会社を休まざるを得なくなったら休業手当が出るのではないか?と考える人は多いでしょう。
その考えは半分正解で、インフルエンザの種類や、罹患したのが従業員本人か家族かによって異なります。休業手当の支給対象かどうかを判断するために、以下のポイントを覚えておきましょう。
季節性インフルエンザの場合
季節性インフルエンザとは、毎年冬に流行するインフルエンザのことです。このインフルエンザは法律で就業を禁止している病気ではありません。
そのため、症状が軽かったり本人は出社したがっているが、社内での感染拡大を防ぐために休ませたい、という場合は会社都合での休業となります。会社には平均賃金の60%以上を、休業手当として支払う義務があるのです。
熱が下がり、出社しようとしている従業員に「あと何日か休むように」と指示する場合も同様です。
ただし、季節性インフルエンザであっても高熱でフラフラしているなど、明らかに働かせるのは危険であると判断できる場合は、その限りではありません。
新型インフルエンザなどの場合
新型インフルエンザ・鳥インフルエンザなど、特定のインフルエンザに罹患した場合は労働安全衛生法第68条や労働安全衛生規則第61条で就労が禁止されています。
罹患した従業員は休ませなければなりませんが、会社の都合ではありません。そのため、休業手当の支払い義務は無く、通常の欠勤という扱いになります。
家族がインフルエンザに感染した場合
従業員本人は元気で、家族が感染した場合はどうでしょうか。症状が出ていなくても、インフルエンザのウイルスを持っている確率が高く、社内での流行を防ぐために休ませたいと考える会社も多いでしょう。
この場合は「社内でのインフルエンザ流行を防ぎたい」という会社都合での休みになります。従業員を休ませるなら、休業手当を支払わなければなりません。
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インフルエンザで休む場合有給休は使える?
従業員から有休を申請されたら、理由に関わらず取得させないのは違法です。繁忙期などで休まれると業務に支障が出る場合は、時期をずらして与えることは認められていますが、理由がインフルエンザではそうも行かないでしょう。
休業手当が支給される場合はあえて有給休暇を取得しなくても良いですが、インフルエンザを理由に有休を使うことは可能です。
ただし、有休を取得するには事前に申請することをルールとしている会社も多いですよね。
その場合は、病気などのやむを得ない理由に限って事後の申請でも認めていたり、申し出た当日のみは無給の欠勤とし、翌日以降から有休にするなどの対応とする場合があります。
就業規則などをあらかじめ確認し、有休取得のルールを把握しておきましょう。
インフルエンザにかかったが有休が無い!そんなときは…
有休の残日数が無い、あるいはまだ有休を付与されていないタイミングで、新型インフルエンザにかかってしまうこともありますよね。
そんな時には、健康保険組合の傷病手当を利用しましょう。傷病手当は業務外の事由による病気やケガの治療のために、欠勤した日から連続して3日間の待機の後、4日目以降の欠勤日に対して支給される手当です。
また、病気やケガの治療のための福利厚生を設けている企業もあるので要確認です。
いざという時のために会社の制度を確認しておこう
インフルエンザに罹患してから制度の内容やルールを調べるとなると大変です。いざという時に備えて、常日頃から把握しておいてくださいね。
特に傷病手当や福利厚生については、従業員から申し出ない限りそのままスルーされてしまいがちです。知らなかった!で損をしないように気をつけましょう!