勤務先のホテルにミニバーはついている?
ホテルにあるミニバーは、飲食物の入っている小型冷蔵庫を指すことが大半です。その名の通り、小さなバーとしての機能を持つミニバーには、ソフトドリンクの他、缶ビール・栄養ドリンク・ワインなどが置かれています。
中には、50ml程度のウイスキーやジンのミニボトルや自ホテル限定の日本酒、ポケットサイズのチョコやおつまみがサイドボードの引き出しに設置されていることもあり、冷蔵庫でなくともミニバーと呼ばれることがあります。
そんなミニバーを客室に有するホテルは徐々に減少しているようですが、あなたの勤めるホテルにミニバーはあるでしょうか。自ホテルにミニバーは無いけれど、ミニバーについての知識を深めたいという方に役立つ情報をまとめました。
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ホテルのミニバーの基礎知識
ホテルのミニバーの飲食物の料金・清算方法・ミニバーがあるホテルの傾向をご紹介します。
ミニバーの飲食物は無料?有料?
ミニバーの飲食物の料金は、ホテルによって設定が異なります。ただし、ミニバー内の飲食物を全て無料で提供しているホテルはほんの僅かのようで、下記いずれかで提供されていることが多いでしょう。
- ・ソフトドリンクは無料、その他は有料
- ・全て有料
フロントまで移動・外出をすることなくお客様が飲食物を手にできるサービスになっているため、料金は割高な設定がほとんどです。スーパーやコンビニの3~4倍の料金設定がなされている例も少なくありません。
利用客が「全て無料」と捉えることは少ないはずですが、過去に別のホテルで無料で提供された記憶から今回も無料と捉えられる可能性はありますので、客室内にミニバーを設置する場合には、必ず注意書きや料金の提示をするようにしましょう。
清算方法は2つ
清算方法は「申告制」と「自動精算」の2つに分かれます。いずれも、チェックアウト時にフロントで請求することが一般的です。
自動精算の場合は、飲食物がセンサーで管理されていることも多く、庫内の飲食物を動かしただけで料金が発生することがあるので、利用客に注意を促す必要があります。
一方、申告制の場合はお客様の申告を信じるほかなく、性善説で成り立っているサービスと言っても過言ではありません。虚偽の報告を通してしまえば、ホテルの損失へ直結します。
ただし、申告漏れ・申告忘れには後日請求を行う、また料金を踏み倒すようなお客様へは立ち入りを禁止するだけでなく、同系列のホテルへ情報共有をするなどの対策を行うホテルも多いようです。これから導入し、清算方法を申告制にする場合はリスクも踏まえておきましょう。
ミニバーはどんなホテルに多い?
現在でも、ミニバーを設置しているのは日本を代表する高級ホテルや、ラグジュアリーホテル、外資系ホテルなどに限られるようです。そのため、プライベートで利用するホテルで見かけたことが無いという方も多いでしょう。
ミニバーに親しみを覚えるお客様の方が少なくなってきていますので、自ホテルでミニバーを設置する場合にはお客様がミニバーの存在を知らないという前提で、設置を検討するのが得策です。
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ホテルのミニバーのメリット・デメリットとは?
ホテルがミニバーを設置するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
最大のメリットは、お客様の満足度が高まることです。客室外に出ずとも飲食物を購入できるうえ、利用をしなければお客様が料金を支払う必要は無いため、周辺にコンビニが無いホテルや、運転後に飲酒したくなったお客様は大きなメリットを感じてもらえるはずです。
宿泊料金以外の売上を生み出せることも、ホテルがミニバーを設置するメリットと言えるでしょう。
デメリット
デメリットは、維持費がかかることです。冷蔵庫の電気代のほか、賞味期限の近い飲食物は定期的にチェック・廃棄を行わなければなりません。利用者はそこまで多くないはずですので、採算が取れない可能性があることはデメリットと言えます。
そして、何より大きなデメリットはお客様とのトラブル発生確率が高まるということです。申告制で、申告に誤りがあればトラブルは避けられません。また自動精算を採用していても「利用していないのに料金を請求された!」というトラブルに繋がる可能性があります。
よって、導入を検討しているホテルは、自ホテルでどれだけの利用を見込めるかなど、メリット・デメリットを比較したうえで導入を決定することをおすすめします。
ホテルのミニバーに変わるおもてなしとは?
各客室へのミニバー設置はハードルが高いと感じるホテル担当者も少なくないはずです。しかし、ミニバー設置の主な理由である「お客様へのおもてなし」は、ミニバーではなくても実現可能です。ミニバーに変わるおもてなしのサービスを4つみていきましょう。
8種類から選べる枕
環境・健康への配慮に注力しているとあるチェーンホテルでは、8種類の枕を自由に選び利用することができるサービスを提供しています。
これまでのホテルの枕は、たとえ選べたとしても柔らかい・硬いの2種類からの選択でしたが、8種類もの枕があれば、きっと自分にぴったりの枕が見つかるはずですよね。睡眠の質が向上するとして、お客様から人気を集めているサービスのひとつです。
女性に嬉しい豊富なアメニティ
女性のお客様から喜ばれるサービスとして有名なのは、フェイスパックや化粧水・乳液などのスキンケアセット、シャンプー・トリートメントなどのアメニティです。
「女性向けプラン」として提供しているホテルも多く、美容に関心のある女性客から人気を集めています。導入ハードルもそこまで高くはないので、気軽に取り入れることができるおもてなしと言えるでしょう。
選べる色浴衣で温泉を満喫
温泉に自信があるホテルでは、カラフルな色浴衣を無料で貸し出しサービスを提供するホテルが増えているようです。様々なカラー・柄の浴衣を選べるのであれば、館内で過ごす時間や外湯めぐりも一層特別な時間となりますよね。
若い女性を中心に人気を集めるこのサービスですが、お客様の満足度を高めるだけでなく、写真をSNSに投稿してもらえることができれば、宣伝効果にも期待が持てます。
お試しサイズの飲食物を無料で提供
旅館では、お着きのお茶菓子が置かれていることも多いものですが、ホテルではドリップバッグのコーヒーや、紅茶・緑茶などのインスタント飲料程度の飲食物しか置かれていませんよね。
ミニバーのように「飲食物でおもてなしをしたい!」というホテルがあれば、いっそ無料で提供するというのもひとつの手です。
自ホテルでプロデュースしているお菓子や、売店で販売しているお菓子、新商品のサンプルを詰め合わせ「ホテルからのプレゼント」として設置しているホテルもあるようですので、小さなところから始めてみるのも良いかもしれませんね。
ホテルはミニバー以外でも満足度を高められる!
ミニバーはお客様に無駄な移動をさせないための思いやり・おもてなしの心が形になったサービスです。しかし、ミニバー目掛けて宿泊をするというお客様はそう多くはないでしょう。
ですので、ミニバーの無いホテルは設置のメリット・デメリットを比較したうえで導入を検討するようにしてくださいね。また、前項までにご紹介したおもてなしのサービスを提供することもぜひ検討してみてください。
ただ、ミニバーのあるホテルは「格式が高い」とイメージに繋がるのは事実です。格式の高いホテルで働くことに憧れを持つホテル従業員もいることでしょう。そんな思いを持つ方は、自ホテルのミニバー設置を待たずに、転職を検討するのも良いかもしれません。
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