連泊客を獲得できる旅館になるには?
2泊、3泊と連続で旅行に出掛ける際、毎日違う宿泊施設に泊まりたいと考える人は多いです。同じ宿に滞在するのは荷物を持っての移動が不要で楽ですが、変化のある旅を楽しみたいという気持ちは良く分かりますよね。交通機関や宅配サービスの発達によって、その傾向はさらに強くなっています。
そんな中で、旅行者に連泊で利用してもらえるのはどのような旅館なのでしょうか。連泊客を獲得するメリットや、獲得のために必要な工夫をチェックしていきましょう。
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連泊の旅館側のメリット
旅館の宿泊予約サイトを見ていると連泊専用のお得なプランが用意されていますよね。2泊目以降が割安で利用できるなどのお得な内容が多いですが、こうしたプランで連泊客を獲得することで、旅館側にどのようなメリットがあるのでしょうか。
収益の確保
宿泊業界は、非常に競争がシビアな世界です。施設数が多いことに加え、若い世代や海外からのお客様は、旅館よりもホテルを選ぶ傾向があり、旅館はどちらかというと不利な立場なのです。
こうした厳しい状況において、数日間の客室稼働を確保できることは、旅館にとって大きなメリットとなります。
旅館の良さを存分に知ってもらえる
趣向を凝らした数々の温泉や、地元の食材を豊富に使った料理など、それぞれの旅館には、ぜひともお客様に知ってもらいたい魅力があることだと思います。
一泊では堪能しつくしていただくことが難しい場合もありますが、連泊であれば、存分にアピールできますね。充分に魅力が伝わることで、リピーターになって貰えたり、口コミで評判が広がる可能性があります。
エコ連泊プランなら客室清掃不要
環境保全の一環として「エコ連泊」というプランを設けている旅館があります。エコ連泊は一般的に、滞在中のシーツの取り替えや客室清掃をしない代わりに、割引や飲み物を提供することが一般的です。
客室清掃に掛かるコストをカットし、お客様にとってもお得感があることがメリットと言えるでしょう。
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旅館に連泊してもらうために必要なこと
わざわざ連泊して貰える旅館になるためには、施設やサービスを、レベルの高い物にする必要があります。連泊のお客様を獲得している旅館では、どのような工夫をしているのか、チェックしていきましょう。
食事のバリエーションを豊かに
ホテルよりも、旅館を選んで宿泊するお客様が楽しみにしているのは、食事です。連泊のお客様には、豊かなバリエーションで食事を提供しましょう。
滞在中、毎日同じような内容の食事ではがっかりしてしまいますよね。お膳だけでなく、朝食バイキングのラインナップも豊富にあると喜ばれます。
館内設備やアクティビティの充実
連泊のお客様に飽きることなく楽しんでもらうためには、館内施設やアクティビティを充実させることが必要です。温泉や大浴場の他、エステやマッサージ、庭園ガイドツアーなどの体験型サービスも取り入れると良いでしょう。
わざわざ観光に出掛けなくても、充分に楽しめる施設が理想的です。
近隣施設との連携
充実度をアップさせるには、近隣施設との連携も有効です。従来まで、旅館の宿泊プランと言えば夕食・朝食が必ずセットになっていましたよね。しかし最近では、宿泊と食事を別々の場所で楽しみたいというニーズが高まっています。
また、旅館でお馴染みの懐石料理が好みに合わないというお客様が増えたこともあり、素泊まりプランを用意した上で、近隣の飲食店をお客様に紹介するスタイルの旅館が増えています。
その他、近隣の温泉入り放題になるパスポートを発行したり、温泉スタンプラリーを用意している温泉地もあります。できることが限られている小規模旅館などはぜひ、近隣施設との連携を検討してみましょう。
連泊のお客様に旅館が配慮したいこと
どのお客様も大切ですが、連泊のお客様は特にありがたい存在ですよね。ぜひ満足度を上げて、リピーターになってもらいたいものですが、そのためにはどんな配慮が必要か考えていきましょう。
食事の好みを把握する
食事のバリエーションを豊富にすることについては、別の項目でも解説しましたが、お客様の好みに合わせた食事を提供することも重要です。
可能であれば、最初の食事の後に軽く感想を聞いてみると良いですね。好みの調理方法や好きな食材、苦手な食材を把握し、決まっているメニューの中で変更可能な部分は変更しましょう。
高級ホテルでも、レストランでお客様が注文した食事やワインを把握し、2回以降の利用では好みに合わせたおもてなしをしていますそうすることでお客様は「特別な対応をして貰えた」と感じて、好印象を持ってくれます。
より親身な対応
連泊のお客様と旅館の従業員は、数日の間、関わることになります。その間ずっと気分良く過ごしていただけるかどうかは、従業員の対応にかかっています。
ときどき「連泊で予約を入れていが、接客態度が悪かったから途中でキャンセルして別の宿に移った」という話を耳にします。
そんな残念なことにならないためにも、より良い接客することを心がけてください。お帰りになるころにはすっかり打ち解けて「また、あなたに会いに来ますね」と言ってもらえるような親身さが理想です。飽きないくつろぎを提供し連泊できる旅館を目指そう
旅館に連泊されるお客様は、アクティブに観光したい人よりも、のんびり骨休めをしたいという人が多いです。飽きを感じさせず、自宅に居るかのようなくつろぎを提供できる旅館は、連泊で利用してくれるお客様が多いはずです。
今一度、サービス内容や接客応対が、本物のくつろぎをもたらすものであるか、考えてみてはいかがでしょうか。