更新は不要?必要?食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食店や食品工場といった食品を扱う職場において、食の安全・衛生を守るための国家資格。食品衛生法第55条第1項に規定された営業を行う場合、有資格者を必ず配置することが義務付けられています。
資格を取るには各都道府県の食品衛生責任者養成講座を受けるか、栄養士や調理師、医師などの資格を既に持っていることが必要。
食品衛生責任者の資格を取得した後、更新などは必要なのでしょうか。詳しく解説します。
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食品衛生責任者は更新なしの資格!しかし……
結論から伝えると、食品衛生責任者は更新の制度がない資格です。1度取得してしまえば、一生使える資格であることを押さえておきましょう。
しかし、地域によっては数年ごとに実務講習の受講が必須であったり、推奨していたりする場合もあります。食品衛生責任者の実務講習で学ぶ内容は、以下のようなこと。
- ・食品衛生の動向や最新の知見
- ・食品衛生法・関係法規の改正内容
- ・食中毒の予防対策
法律上の取扱いや、衛生事情は時代によって変わるものです。定期的に知識をアップデートするために、実務講習会が実施されるのですね。
また、実務講習の受講を必須としている地域において受講しないでいると、飲食店などの営業許可を更新できなくなるおそれがあります。
食品衛生責任者の資格そのものは更新不要でも、営業許可の更新に影響する場合があるので、注意してくださいね。
なお、以下のページでは食品衛生責任者の資格に関する記事を、まとめて紹介しています。併せてご一読ください。
参考:実務講習会の内容について/一般社団法人 埼玉県食品衛生協会
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
食品衛生責任者の実務講習会!各地域の方針を見てみよう
食品衛生責任者の実務講習が必須なのか、何年ごとに受講すべきなのかは都道府県によって異なります。地域ごとの扱いがどうなっているのか、一部を例として見ていきましょう(2023年5月時点の情報)。
新潟市の場合
新潟県では、営業許可施設と給食施設(1回の提供食数が20食未満の施設を除く)の食品衛生責任者は、実務講習を定期的に受けることを努力義務としています。
それ以外の施設の食品衛生責任者は努力義務の対象外ですが、新たな知見を習得するために受講を推奨しているとのこと。
受講は4年に1度とされており、対象者には案内が届くということです。
参考:新潟市の食品衛生責任者実務講習会について/新潟市食品衛生協会
広島市の場合
広島市では、食品衛生法で「食品等事業者は、自らの責任において、販売食品等の安全性を確保するための知識の習得等に努めなければならない」とされていることから、事業主に対して「食品衛生責任者の方にこの講習会を受講させてください。」という方針を示しています。
受講の時期は、営業許可または施設認定の更新手続きをした日の翌月から6カ月以内。この時期に従事している食品衛生責任者が資格取得後1年以内であれば、次回の営業許可の更新時に変更しても良いということです。
参考:広島市の食品衛生責任者実務講習会について/広島市ホームページ
長野県の場合
長野県では食品衛生責任者実務講習を「定期的に受講すべき」としています。2022年9月〜2023年5月までは食品製造業の食品衛生責任者を対象とした講習会が開かれるとのこと。
集合型講習会で受講するほか、オンラインでの受講も可能です。「業務の都合で会場での受講は難しい」「遠方で行くのが大変」という場合も安心ですね。
参考:長野県の食品衛生責任者実務講習会について/長野県ホームページ
食品衛生責任者は実務講習の有無を確認しよう!
繰り返しになりますが、食品衛生責任者に資格の更新はありません。しかし実務講習の受講が必要なケースもあるので、事業主の方や資格を持つ方は、地域ごとの決まりをしっかりと把握することが重要です。
なお、食品衛生責任者の資格をいかせる職場としては、ホテルや旅館もおすすめ。宿泊施設の求人を探す際には、おもてなしHRをご活用ください。