宿泊業界で活かせる「ワインエキスパート呼称認定試験」の資格取得方法について

近年、ワインの消費量が安定的な成長を見せる中、お客様に食事を提供する宿泊業界でもワインに関する高い知識が求められています。今回の記事では、ワインエキスパートとはどのような資格なのか、試験内容や資格取得方法、活かせる職種などについてご紹介します。

目次

    ワインエキスパートはどのような資格?

    iStock.com/SIphotography

     

    ワインエキスパートとは、日本ソムリエ協会が実施するJ.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験を受け、合格した者に与えられる資格です。ワインエキスパート呼称資格認定試験の概要や試験内容についてご紹介します。

     

    ワインエキスパート呼称資格認定試験の概要

    ワインエキスパート呼称資格認定試験は、J.S.A.(一般社団法人日本ソムリエ協会)が認定する民間資格で、20歳以上のワイン愛好家であれば誰でも受験が可能です。毎年夏に一次試験、秋に二次試験が実施されています。J.S.A.では「ワインエキスパート」を、ワインを中心とする酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する者と定義し、主に個人でワインを楽しむための認定資格として位置付けています。J.S.A.が認定する呼称資格には、「ワインエキスパート」の他にも「ソムリエ」があります。ソムリエは職業としての資格と位置付けられているため、酒類販売や飲食店などで指定の実務経験年数を積んでいないと得ることができません。ワインエキスパートの合格率は、2018年では32.8%となっており、難易度の高さがうかがえます。

     

    試験内容

    ワインエキスパート呼称資格認定試験は、一次試験と二次試験で構成されています。

     

    一次試験では筆記試験が行われ、試験時間は70分間です。コンピューターで解答する「CBT 方式」で実施され、合否は画面上で即時解答されます。ワインなど酒類の分類や醸造方法、専門用語の意味を尋ねる問題など体系的な知識を身に付けているかをテストします。

     

    二次試験はテイスティングのテストが行われ、試験時間は50分間です。数種類のワインをテイスティングし、香りや味わい、適正温度や産地などの項目について答える内容となっています。

     

    受験資格

    ワインエキスパートは職種や経験を問わず誰でも受験することができます。ただし、試験ではアルコールを扱うため20歳以上であることが条件とされています。ソムリエ資格では、飲食サービスなど指定の職種においての実務期間の条件を満たさなければ受験資格が得られないため、まずはワインエキスパートを受験し、働きながらソムリエ資格を目指す方法もよいでしょう。

     

    ワインエキスパートの資格取得方法

    iStock.com/LukaTDB

     

    ワインエキスパート呼称資格認定試験に向けての受験対策や、申し込みから認定までの流れについてご紹介します。

     

    受験への対策方法

    一次試験の申し込みをするとJ.S.A.から教本が届くので、教本や市販のワイン解説書を使い独学で学ぶことも可能です。独学の場合、テイスティング能力や表現を身に付けるために、短期間のワイン講座などに参加して学ぶのもよいでしょう。基礎からしっかり学びたい場合は、通信講座やオンライン講座を受講する方法、ワインスクールなどに通う方法もあります。

     

    申し込みから認定までの流れ

    ワインエキスパート呼称資格認定試験は、全国47都道府県にある指定された会場で毎年実施されています。公式HPにて試験日程の確認をして、インターネットで受験の申し込みをします。一次試験から受ける場合の受験料は一般価格で25440円(正会員17210円)です。一次試験と二次試験は別日程で実施され、一次試験に合格すると二次試験へ進むことができます。試験結果は郵送で届き、公式HPでも合格者の受験番号を確認することが可能です。期間内に、認定登録手続きを済ませ、「ワインエキスパート」としての認定登録料20570円を支払うと、認定証、認定バッジなどがJ.S.A.から届きます。

     

    ワインエキスパートが活かせる職種

    iStock.com/LightFieldStudios

     

    ワインエキスパートは、プロフェッショナルではなく、愛好家を主な対象とした資格ですが、受験対策として勉強を進める過程で、ワインや料理、西洋の文化などを体系的に理解し、ソムリエに引けをとらない知識を身に付けることができます。宿泊業において専門的なワインの知識は必須ではありませんが、知識があることでさまざまな場面で対応力を広げることができるでしょう。ワインエキスパートを活かせる職種についてご紹介します。

     

    ウェイター、ウェイトレス

    ホテルのレストランやバーで接客を担当する場合、お客様からワインに関する質問やオーダーのアドバイスを求められる場面も多く、それぞれの要望に合わせた的確な説明や提案が求められます。ワインエキスパートとしての見識を持っていることで、提供する料理との相性を見極めながらワインを提案するなど、お客様に満足いただくサービスができます。ワインエキスパート資格を取得していることで、他のホテルやレストランへ転職をする場合にも強みとしてアピールできるでしょう。

     

    料理長や調理師

    フランス料理など西洋料理では、料理を作る工程でもワインを扱うため、品種の特徴を理解し、料理に適したワインを選ぶことが重要です。また、ワインに合う料理を提供するという観点から、メニュー開発やコース料理の構成を考えることも求められます。ワインエキスパートの知識があることで、よりクオリティの高い料理を生み出すことができるでしょう。

     

    レストランの支配人や経営者

    レストラン部門における支配人など、責任あるポジションに立つ場合、ワインの仕入れや管理の業務も担うこともあり、ワインエキスパートの専門的な知識を仕事に活かすことができます。また、部下を指導する上でも的確なアドバイスにつなげることができるでしょう。

     

    ワインエキスパートの知識をおもてなしに活かそう

    iStock.com/luigi giordano

     

    ワインエキスパートは、趣味の資格とはいえ難易度が高く、ソムリエに引けをとらない知識やテイスティング能力を持っていることの証明となります。ワインの消費拡大や国産ワインの海外での高評価も追い風となり、日本のワイン市場全体が成長過程にある中で、ワインに関する幅広い知識は、宿泊業界でも今後更なる需要が見込まれます。ワインエキスパートで得た知識は質の高いおもてなしを行う上で自信となり、転職活動においても一目置かれる存在となるでしょう。

     

     

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