面接でのNG質問は企業・応募者ともに注意が必要!
就職・転職の際につきものなのが、面接での選考です。応募者・面接官ともに準備を整え、実施する面接ですが、お互い聞いてはならない質問があるのをご存じでしょうか。
特に企業側は、応募者から訴えられ、罰則が科される可能性もはらんでいるため、注意が必要です。
企業・応募者、それぞれのリスクを確認しておきましょう。
企業側のリスク
企業は選考時、応募者の基本的人権を尊重し、応募者の適正・能力のみを基準として採用選考を実施することが、職業安定法および男女雇用機会均等法により義務づけられています。
採用する権利がある傍ら、応募者の基本的人権を守らなくてはならないという決まりが企業にはあるのです。
「基本的人権を侵害された」と応募者が感じ、ハローワークなどに相談した場合には、法律違反として指導や改善命令の通達がなされることがあります。また、度重なる通達を無視し、違反を続けた場合には、罰則が科されることもあります。
最近では、面接内容を録音する応募者もいるようですので、アイスブレイクとして出身地や趣味やなどに対する質問を投げかけている企業は注意が必要です。
応募者側のリスク
企業は応募者により法的に罰せられる可能性がありますが、応募者が企業から訴えられるということはまずないでしょう。
しかし、面接選考の評価がマイナスとなる可能性は大いにあります。これまでの評価は良かったのに、最後の逆質問が不採用の決め手となってしまった、ということに繋がりかねません。
入社前に待遇面や企業内部のことを詳しく知っておきたいと思うのは、応募者の当然の心理ですが、聞き方一つでマイナス評価にもなりますので、質問の際は表現の仕方に注意を払うようにしましょう。
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面接官のNG質問1:本人に責任がないことへの質問
企業がNG質問をするリスクをご紹介しましたが、「知らずに法律違反をしていた!」ということがあっては悔やまれて仕方がありません。3つに分類した面接官のNG質問例をご紹介しますので、面接前までに一読し、面接に臨まれることをおすすめします。
1つ目は、「本人に責任がないことへの質問」です。
本籍地・出生地・家庭環境などは、本人の意思では変えることはできません。意図的に質問してしまえば、応募者は「あの回答が選考に関係してしまったのか?」と感じてしまいます。
面接という場を通した会話の流れで質問をするのは問題はありませんが、応募者に不当だと感じられるような質問は避けるべきでしょう。
- ・「本籍地はどちらですか?」
- ・「血液型は何型ですか?」
- ・「ご両親のご実家はどちらですか?」
- ・「どのような家庭環境で育ちましたか?」
- ・「ご家族はどのような企業にお勤めですか?」
上記のような質問は、NGとされていますので、注意してください。
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面接官のNG質問2:本人の自由意志に関する質問
2つ目のNG質問は、「本人の自由意志に関する質問」です。
面接で思想・信条・宗教について触れるのはご法度、ということは面接官を行う上で一度は聞いたことがあるでしょう。日常会話でも気を遣うこの手の話題を応募者に振ってしまうと、大きなクレームに繋がる可能性があります。
自由意志に関する質問は、基本的人権と結び付ければ、考えることは容易です。応募者の回答として、個人の価値観や思想が反映されやすい質問は避けるのが賢明です。
- ・「支持政党はどこですか?」
- ・「尊敬する人物はいますか?」
- ・「信条としている言葉は何ですか?」
- ・「お住まいはどのあたりになりますか?」
- ・「賃貸ですか?持ち家ですか?」
「尊敬する人物」や「愛読書」などは、うっかり質問してしまいがちな項目になりますので、覚えておきましょう。
面接官のNG質問3:ハラスメントの要素を含む質問
3つ目のNG質問は、「ハラスメントの要素を含む質問」です。
面接時、無意識的にこのような質問をしてしまう可能性は低いと思いますが、差別的だと思われてしまいそうな下記のような質問は避けた方がよいでしょう。
- ・「現在恋人はいますか?」
- ・「結婚のご予定はありますか?」
- ・「出産後にも働き続けられますか?」
また、健康状態については、精神疾患など、明らかに業務に支障が出ると考えられる病歴の確認は原則認められている一方、HIVやB型・C型肝炎などの情報収集は禁じられているという規定もあります。
面接時、センシティブな内容を聞き出したい場合、社内でどのような質問を行うべきかを事前に話し合っておくのがよいでしょう。より詳細な情報が知りたいという方は、下記リンクより記事をご覧ください。
応募者のNG質問1:事前に調べられることに対する質問
面接を受ける立場である応募者が質問する場面と言えば、面接終了前の「逆質問」のタイミングが一般的ですが、応募者がしてはいけないNG質問もあります。企業同様に、3つに分類したNG質問例をご紹介しますので、面接に臨まれる前には確認しておきましょう。
1つ目は、「事前に調べられることに対する質問」です。
ホームページや、インターネット上で調べられる求人情報、企業情報に関しては、調べたうえで面接を受けるのがマナーです。面接官も業務時間を割いて面接を行ってくれているということを意識し、無駄な質問は避けるようにしましょう。
- ・「御社の企業理念はなんですか?」
- ・「主要取引先はどこですか?」
- ・「入社した際はどのような業務を行えば良いのでしょうか?」
上記のような質問は、入社意欲が低いと見られる傾向にありますので、注意してくださいね。
応募者のNG質問2:待遇面に関する質問
2つ目のNG質問は、「待遇面に関する質問」です。
質問をすること自体はさほど問題はありませんが、あまりに具体的であったり、執拗に質問を重ねると、仕事に対する意欲が低いと見られ、面接官に良い印象を残すことができません。
そのため、下記のような質問を続けるのはNGです。
- ・「月の平均残業時間はどのぐらいですか?」
- ・「有給はいつから付与されますか?」
- ・「ボーナスはどれぐらいもらえますか?」
面接は企業に自身の就業意欲を示す場、という前提を忘れずに面接に臨みましょう。
応募者のNG質問3:ネガティブに受け取られる質問
3つ目のNG質問は、「ネガティブに受け取られる質問」です。
こちらも待遇面同様、「絶対にNG!」とまではいきませんが、下記のような質問を1つでもすれば面接官の評価が下がることは避けられないでしょう。
- ・「入社後はどのような研修が受けられますか?」
- ・「ノルマが未達成の場合はどうなるのでしょうか?」
- ・「未経験ですが、大丈夫でしょうか?」
入社前の不安を払拭したいがために、つい聞いてしまいたくなる質問ですが、前項と同様に就業意欲が低いという印象を面接官に抱かれてしまいます。
他のNG・タブー質問も知りたい、という方は下記リンクをぜひご覧ください。
面接のNG質問を把握しリスクを回避しよう!
面接は、面接官と応募者がコミュニケーションを取ることで成り立つ選考です。
会話が弾んだり、逆に極度に緊張してしまったりすると、意図せずNG質問をしてしまうこともありますので、まずは、面接官・応募者ともに、NG質問を把握しておくことが重要です。NG質問があるという知識を持っているだけで、リスクの軽減に繋がります。
お互いのNG質問を避け、魅力を伝え合えるような面接となることを願っています。