フードロス問題とは?現状と原因からフードロスについて考えよう!

傷んでしまった野菜や食べ残しなど、もったいないと思いつつも捨ててしまうことはありませんか?何らかの理由により食べられる食品を捨てることをフードロスと言います。さまざまなメディアで取り上げられるフードロス問題。 一体、何が問題なのでしょうか。フードロスの現状と原因、そして今日からできるフードロス対策についてご紹介します。

フードロス問題とは?

食べ残したおかずやいつ購入・調理したのかわからず食品を廃棄してしまう、フードロス。最近では、SDGsの関連でさまざまなメディアで取り上げられ、注目を集めています。

まだ食べられるものを捨ててしまうのはもったいないだけでなく、地球環境全体にも悪影響を及ぼす危険があると言われています。

世界と日本におけるフードロスの現状や発生する原因から、フードロス問題について考えていきましょう。

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フードロスの現状

空腹

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まず、世界と日本におけるフードロスの現状についてみていきましょう。

世界のフードロス

国際連合食糧農業機関(FAO)によると、世界の食料廃棄量は年間約13億トンで、これは人の消費のために生産された食料のおよそ3分の1にあたります。

一方で、約7.7億人もの人々が飢えや栄養に苦しんでいるとも言われています。そのうち、飢えや栄養不良による5歳未満の発育阻害は約1.5億人にものぼっています。

このように、世界において廃棄物と飢餓のバランスは取れていません。このまま食の不均衡を放置してしまうと、深刻な状況を招いてしまうことが予想されます。

日本のフードロス

日本においてもフードロスは深刻です。1年間に約522万トン(令和2年度推計)もの食料が捨てられており、国民1人あたりに換算すると約41kgにものぼります。

約522万トンのフードロスの内訳は、事業系が約275万トンで全体のおよそ53%、家庭系が247万トンで全体のおよそ47%と、約半分が家庭から出ていることがわかります。

その一方で、日本の食料自給率(カロリーベース)は37%にとどまっており、多くの食料を海外からの輸入に頼っている状態です。

このように日本では、食料を大量に廃棄していながら海外からの輸入に依存するという、大きな矛盾を抱えています。

参考:消費庁「食品ロス削減関係参考資料(令和4年6月14日版)」

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フードロスの原因

ビュッフェ

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フードロスが発生する原因は、国や地域によって異なります。ここでは、世界の先進国と途上国、日本それぞれのフードロスについてみていきましょう。

フードロスの原因:世界の先進国

世界の先進国におけるフードロスの原因は、大きく分けて2つあります。

まず1つ目は、大量・多種陳列による売れ残りです。

スーパーやコンビニなどでは、さまざまな食品がたくさん並んでいますよね。商業施設では「豊富な種類の品物を多数陳列する」という状態を維持するため、多くの在庫を抱えています。

しかし、新商品との入れ替えや賞味・消費期限切れなど、販売期限内に売り切れなかった場合には商品が処分されてしまうのです。

2つ目は、高い品質基準による規格外品の廃棄です。

先進国では、形やサイズなど商品の見栄えに高い品質基準を設ける傾向があり、それに対して業者や生産者が規格に合う商品を作ります。

多少の規格外品でも味や安全性には問題がないはずなのですが、規格外というだけで廃棄されてしまうのです。

フードロスの原因:世界の途上国

続いて、世界の途上国におけるフードロスの原因についてみていきましょう。

途上国では、生産・収穫した食料の貯蔵施設や輸送、販売に十分な予算がかけられず、鮮度を保ちながら消費者に届けることが難しいという現状があります。

こうしたインフラの未整備により、出荷前に食料が処分されたり、小売店に届くまでに売り物にならず廃棄されてしまったりすることがあるのです。

また、貧しい農家の場合、お金が必要になり早すぎる時期に未熟な作物を収穫して売ることがあります。しかし、結果的に味や栄養の価値が下がり、消費に適さないものとして廃棄されてしまうのです。

フードロスの原因:日本

日本におけるフードロスの原因は、事業系と家庭系の2つに分けられます。

事業系フードロスの原因は世界の先進国と同様、多種・大量の陳列による売れ残りや高い外観品質基準によるものです。

また、ホテルやレストランなどでは、バイキング形式の食事を提供していることがあり、好きなものを好きなだけ食べられることが利用客の人気を集めています。

通常、バイキング形式の食事は、利用客が楽しめるかつ困らないよう、多種多様の料理が大量に用意され、少なくなるとすぐに追加されます。

しかし、料理をたくさん用意したにも関わらず残ってしまうと、すべて処分することになります。こうした外食による食べ残しも、フードロスの原因と言えるでしょう。

一方、家庭系フードロスは文字通り私たちの家庭から出るフードロスを指し、日本でのフードロスは家庭からの割合が約半分となっています。

家庭で発生するフードロスの主な原因は、「食べ残し」「過剰除去」「直接廃棄」の3つです。

「食べ残し」とは、料理を作りすぎて食べきれずに捨ててしまうことを言い、調理の際に野菜の皮や茎など、本来であれば食べられる部分を捨ててしまうことを「過剰除去」と言います。

そして「直接廃棄」は、食品を買いすぎて在庫を持て余したり、冷蔵庫に入れたまま忘れてしまったりすることで賞味期限や消費期限が過ぎ、未開封のまま捨ててしまうことを指します。

こうした日常生活における何気ない行動1つ1つが、実はフードロスにつながっているのです。

私たちができるフードロス対策

買い物

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日本だけでなく、世界全体で取り組んでいかなければならないフードロスの問題。国をあげた対策ももちろん重要ですが、まずは私たち個人の生活を見直すことが大切です。

いくつかご紹介しますので、行動に移しやすいものを選びできることから始めてみましょう。

  • 買い物に行く前は冷蔵庫やストックを確認する
  • スーパーで特売があっても必要以上に買わない
  • 商品は手前に陳列されているものから購入する
  • 料理を作るときには食べ切れる量だけ調理する
  • 食材の下処理で食べられる部分を無駄にしない
  • 適切な保存やアレンジで食べ物を長持ちさせる
  • 外食や出前では、食べ切れる分量だけ注文する
  • フードロスの削減に取り組む飲食店を利用する

私たちが心がけるべきフードロスの対策は「買いすぎない」「作りすぎない」「注文しすぎない」ことが基本です。

買い物の前には冷蔵庫やストックしている食材を確認し、献立や食べる人の数に合わせて買い物をするよう心がけましょう。

また、食材を無駄にしない処理方法やレシピを調べ、食べ切れる分だけ作り、食べ残しが出ないよう工夫することも大切です。

どうしても食べきれずに余ってしまったものは、冷凍やアレンジなどの工夫で保存しておくのがおすすめ。その際は、保存袋に調理日や賞味期限などを記載しておきましょう。

小さな心がけが大きな一歩に。フードロス問題にきちんと向き合おう!

完食

iStock.com/Hakase_

フードロスは、私たちの生活と直結しています。フードロスの発生にはさまざまな原因があり、その原因ごとに対処していかなければなりません。

まずはフードロスの問題にしっかりと向き合い、少しずつでもできることから始めてみませんか?

「おもてなしHR」では、フードロスの削減に取り組むホテルや旅館の求人を取り扱っています。そういった宿泊施設への就職・転職にご興味がある方は、ぜひご相談ください。

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