書類選考とは、履歴書や職務経歴書などの応募書類で選考を行うことを指します。書類選考を行っている企業の採用担当者の方は、毎回多くの応募書類を目にしていることでしょう。しかし、改めて書類選考でなにを重視すべきか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。ホテル・旅館業界の方も例外ではないですよね。書類選考を行ううえで意識すべきポイントをご紹介します。

書類選考の採用における目的とは

基本的には、書類選考の目的は面接する応募者を絞り、効率的に選考を行うことです。数多くの応募者と面接には、多くの時間を費やしてしまうので、対象外の応募者を外し応募資格をクリアした人材を選ぶ必要があるのです。

また、事前に応募者の書類を確認することで、応募者が活躍できそうな部署を、ある程度検討する目的も兼ねています。

書類選考は必要？

書類選考は、必ずしも実施しなければならないわけではありません。

書類選考では応募者の文章力を見ることができますが、今の時代、インターネットから転用もできたり、応募者に代わり第三者に書いてもらうこともできます。

ですので、書類選考は応募者の質をすぐに把握できる手段ではないといえるでしょう。

しかし、面接へのステップとして考えるのであれば、応募者の経歴や職歴がわかるので、一基準として設けることは有効です。

もし人物重視で採用したいと考える場合、書類選考は必要ないかもしれません。

ホテル・旅館業界での書類選考の重要性とは？

ホテル・旅館業界はサービス業なので、面接選考などで応募者と対面した印象がどのようなものかについては、特にチェックしたいポイントですよね。

しかし、書類選考で受け取る印象も重要です。書類選考には、ビジネスマナーなどの応募者が持つ常識や、細かい気遣いもチェックすることができます。

ホテル・旅館業界では「常識があるか」「気遣いができるか」は、業務に携わるうえで見落とすことのできないものです。

書類選考でホテル・旅館独自のチェックポイントを設けることで、採用活動の効率化も可能になりますよ。

書類選考の流れに関するポイント

実際に書類選考のポイントをみる前に、書類選考の流れについて確認してみましょう。

応募書類の依頼と受付

求人に応募があった場合、応募者に応募書類の提出をするように伝えます。

採用サイトや求人媒体などで、事前に応募書類の提出を記載しておくと、企業から連絡せずとも応募者から応募書類が届くようになるので、企業が応募者に連絡する負担も軽減されます。

また、その際どのような方法で受け付けるのか、ということも応募者に伝える必要がありますね。

受付方法は郵送をはじめ、Eメールや転職サイトからのエントリーなどがあります。

特にEメールによる受付は、普段のメールと混同しないよう採用活動専門のメールアドレスを取得しておくと良いでしょう。

応募書類に記載された内容の確認

まず、応募書類が届いたら、企業が指定した応募書類がそろっているか確認しましょう。

次に確認するポイントは、応募書類に記載された内容です。体裁は合っているか、勤続年数、取得した免許や資格の内容などについて細かいチェックが必要なのです。

また、本人希望欄の内容なども忘れないよう確認してください。

合否の判断

書類選考である以上、応募書類に記載された内容から、合否を判断しなくてはいけません。

全体を通して、企業の求める人物像と合っているのか、条件を満たしているのか、次の筆記試験や面接の選考で応募者の人柄や能力、経歴についてもっと知りたいと思えるか、という点が大きなポイントになります。

応募者へ選考結果の通知

書類選考の合否の判断がついたら、なるべく早く応募者に連絡しましょう。

一般的には、メールや電話、書面の郵送をもって選考結果を伝えることがほとんどです。

書類選考でみるべきポイント

書類選考でどこを重要視すれば良いのか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に書類選考でみるべきポイントについてご紹介します。

まず重視してみるべきポイントは、文章力やビジネスマナーです。

社会人として最低限の言葉づかいや、適切な行動をとることができるのかについて判断することが必要なのです。

書類選考の時点で気になった点や疑問点は、随時メモとして控えることで、面接時すぐに応募者に伝えることができますよ。

しかしながら、応募者が経験者や専門職である場合と、未経験者やポテンシャル採用の場合とでは重視すべきポイントも異なります。

応募者が経験者や専門職の場合

先に、スキルや経験、資格の有無などをチェックしましょう。企業に入社後、即戦力として活躍できるのか、これまでの経験に一貫性があるかどうかなどを判断します。

また、併せてマネジメント経験も確認しておくと、より即戦力としての判断材料にもつながるのでしょう。

応募者が未経験、ポテンシャル採用の場合

未経験者やポテンシャル採用に対しては、企業への熱意や高い関心をポイントとして重要視しましょう。ですので、志望動機や自己PRの部分を注視する必要があります。

抽象的な志望動機や自己PRの場合、応募した企業が第一志望ではない可能性があるので、書類選考を通過したとしても選考を辞退されてしまうなど、コストと時間だけがかかってしまうこともあるのです。

ですので、書類選考の段階から慎重に判断することが求められます。

書類選考を行う前に実施すべきポイント

書類選考を実施する前に、企業側が行うべきポイントをご紹介します。

評価の基準を設ける

上記でも触れた通り、書類選考で応募者の質を判断することは非常に困難です。人柄やコミュニケーション能力などは書面上では分からない、と念頭に置くことも書類選考のポイントといえます。

ですので、応募者が保有する資格や免許などを大きな判断材料として意識しましょう。

さらに、もう一つの判断材料として、TOEICやTOEFLのスコア基準を定めたり、必要に応じて応募書類に加え小論文や企画書を提出してもらうことも良いかもしれません。

それによって、ある程度、応募書類では判断しづらいような応募者の熱意や、努力を惜しまない人物かどうかという判断が可能になります。

企業独自の判断材料があると、評価基準なども明確化されるため、面接選考もスムーズに行うことができるでしょう。

採用したい人物像を具体的にまとめる

書類選考の段階で、企業が求める人柄や必要な経験、スキルなどをまとめておく必要があります。

それに基づいたマニュアルなどを作成しておくと、効率的な書類選考を行うことができるでしょう。

書類選考のポイントを意識して効率化しよう

書類選考は採用活動における一つの判断材料に過ぎませんが、応募者の人生に関わる重要な業務です。

ですので、責任を持ったうえで効率的に選考を行うためには、そもそも自社にとって書類選考が必要かどうかも検討しなければなりません。

もし書類選考を実施するのであれば、書類選考も効率化する必要があります。その際には、ぜひ書類選考でみるべきポイントを活用し、よりよい採用活動を行ってみてください。

採用活動にお悩みを抱えている方は、当サイトでも採用活動のサポートを行っておりますので、ホテル・旅館業界の方はお気軽にご相談くださいね。