民泊の鍵の受け渡し方法は何がある?メリット・デメリットを踏まえて検討しよう

民泊を運営する際、誰しもが気になる問題の一つが「鍵の受け渡し」です。直接会って渡すのか、それとも他の方法を使うのか……?ゲストのもとにスムーズに鍵が渡り、滞りなくチェックインできる。これが民泊の理想的な形ですが、実はこの「鍵の受け渡し」から「チェックイン」までの流れでつまずくホスト・ゲストが多いのです。ホスト・ゲスト双方にとって、なるべくストレスなくトラブルが起こりにくい鍵の受け渡し方法とは?いくつかの方法のメリット・デメリットを比較しつつ、考えていきましょう。

民泊での鍵の受け渡し、どんな方法がある?

考える女性

iStock/itakayuki

あなたが所有している民泊物件をゲストに使ってもらう場合、ホテルではありませんから、「ゲストに鍵を渡して自由に使ってもらう」ことが必要になりますよね。鍵はホストであるあなたが持っているので、それをいかに安全に確実にゲストに渡すのかがポイントになります。

それを踏まえて、民泊利用のゲストに鍵を渡す方法は大きく以下の4つの方法があります。

  • ・対面で直接渡す
  • ・キーボックスに鍵を入れておく
  • ・鍵の受け渡し代行サービスを利用する
  • ・スマートロックを使う

この4つの方法は、今もどこかしらの民泊で使われている方法です。では、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

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民泊での鍵の受け渡し方法その1:対面で直接渡す

鍵を渡すようす

iStock/Rawpixel

ホストがゲストと対面し、直接鍵を渡すというシンプルな方法です。昔からある方法ですし、非常にわかりやすいとも言えますね。

場所は民泊物件の前か、もしくは最寄り駅やコンビニなど、わかりやすい場所で待ち合わせをすることもあります。

メリット

  • ・確実に鍵を渡せるので、「部屋に入れない」というトラブルが起こらない
  • ・最寄り駅などわかりやすい場所で待ち合わせすれば、部屋まで案内できるのでゲストが迷子にならない
  • ・ホストとゲストが顔を合わせることで安心感が生まれる

対面で鍵を渡すことの最大のメリットは、確実性です。直接顔を合わせて鍵を渡すわけですから、「鍵がなくて部屋に入れない」といったトラブルは起こりません。

また、土地勘のない外国人観光客の場合は「迷子になって物件までたどり着けない」ことがよくありますが、待ち合わせすればそういった問題も解決できます。

デメリット

  • ・ゲストが時間通りに来ない場合、ホストの負担が大きい
  • ・ホストが昼間働いている、遠方に住んでいるなどでそもそも不可能な場合も多い

一方で、大きなデメリットもあります。ゲストが時間通りに約束の場所にやってくるとは限らないため、最悪の場合は何時間も待ちぼうけを食ってしまうこともあります。

また、そもそも遠方に住んでいる場合は鍵の受け渡しのためだけに近くまで行く、というのは現実的ではありませんよね。

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民泊での鍵の受け渡し方法その2:キーボックスに鍵を入れておく

マンションのポスト

iStock/Torsakarin

キーボックスに鍵を入れておきゲストに自分で取ってもらう方法は、現状の民泊においてもっとも多く利用されているものです。ポストに直接鍵を入れる方法もありますが、防犯上などの観点から避けた方が良いでしょう。

メリット

  • ・ゲストが自分で鍵を受け取ってくれるので、ホストが待つ必要がない
  • ・キーボックスは2,000円程度~で購入できるため、費用が安く済む
  • ・民泊では主流の方法なので、受け取り時にゲストが迷うことが少ない

ゲストが来るのをひたすら待たなくてはならないのが対面方式の最大のデメリットとすれば、キーボックス方式ではその問題をまるごとクリアできます。キーボックスは安価なものであれば2,000~3,000円で購入できるため、導入コストもさほどかかりません。

デメリット

  • ・オートロックマンションなどではポストが利用できない
  • ・ポストが利用できない場合は共用部に設置するが、不特定多数の人が見られる場所なので不安がある
  • ・ポストやボックスの開け方がわからないとゲストから連絡がくる
  • ・ゲストがボックスに鍵を戻してくれないことがある

オートロック式のマンションで民泊をしている場合、オートロックを開けないとポストにまでたどり着けないことがあります。この場合、ポストにキーボックスを入れておく方法は使えません。

代わりに共用部分に当たる場所にキーボックスを取り付けておくことになりますが、不特定多数の人の目につくため、安全性において不安を感じる人も少なくないでしょう。

民泊での鍵の受け渡し方法その3:鍵の受け渡し代行サービス

家をもってにこやかに笑う男性

iStock/miya227

本来ホストが行う鍵の受け渡しを、業者に代行してもらうよう依頼する方法もあります。

メリット

  • ・確実に鍵を渡せる
  • ・ゲストの本人確認などきちんと対応してもらえるので安心

対面で鍵を渡すメリットがそのまま当てはまります。また、ゲストと直接顔を合わせるのが不安といった心配もカバーできます。

デメリット

  • ・費用がかかる(1件あたり10,000円が目安)
  • ・対応エリアが限られる

業者に依頼するわけですから、当然ながら費用がかかります。個人オーナーが頻繁に利用するのはハードルが高いかもしれません。

また、どこの民泊でも対応してもらえるとは限りません。都市部からかなり離れたところは対象外となる場合もあります。

民泊での鍵の受け渡し方法その4:スマートロックを使う

スマホをドアの前にかざす

iStock/mikkelwilliam

ここ数年で注目が集まっているIOT機器やスマート家電。中でも民泊と相性の良いものが、スマートロックです。普通の鍵を必要とせず、スマホがあれば簡単にチェックインできるため、近年利用者が増えています。

メリット

  • ・鍵の紛失や破損、返却漏れなどのトラブルが起こらない
  • ・電子キーなのでゲストごとに鍵が変えられる

鍵をなくした、壊した、返却を忘れたなどのトラブルは非常に多く、これによってホストが受ける被害は小さなものではありません。新しく鍵を作ったり、次に予約しているゲストがチェックインできなかったり……と、これらはホストにとって頭の痛い問題なのです。

その点スマートロックなら、物理的な鍵を必要とせず、スマホがあれば電子キーで開け閉めが可能です。紛失や破損といった、鍵につきもののトラブルは起こり得ません。

また、鍵をゲストごとに簡単に変更できるのも大きな魅力です。

デメリット

  • ・導入費用がかかる
  • ・スマホを持っていない、機械の操作が得意でないゲストには向かない

スマートロックを使うには、あらかじめ対応した機器を取り付けておく必要があります。取り付け方法はさまざまですが、簡易なものならサムターン部分に粘着テープで取り付けるだけなので、大がかりな工事を必要としないものも多いです。

とはいえ導入時にはある程度の費用がかかりますし、スマホを使った操作に抵抗があるゲストもいるでしょう。そのあたりはデメリットといえます。

鍵の受け渡しのトラブルを避けられる方法を選ぼう

鍵をあけて部屋に入ろうとしている男女

iStock/martin-dm

どの方法にもメリット・デメリットがあるため、どの方法がもっとも優れていると一概には言えません。自身が所有している物件の立地や利用者層、また運用にまわせる資金によって、取れる選択肢は変わってくるでしょう。

民泊利用時に非常に多いトラブルが、鍵についてのあれこれだと言われています。鍵の紛失や破損、返却忘れなどが起こると、「次に予約しているゲストがスムーズにチェックインできない」「物理的に鍵を交換する場合、かなりの費用がかかる」など負担も大きくなります。長期的な運用を考えるなら、スマートロックの導入も検討してみてはいかがでしょう。

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