退職証明書とは?
退職証明書とは、その名の通り、会社を退職していることを証明するための書類です。新しい勤務先から提出を求められることがあります。
採用後のトラブルを未然に防ぎ、履歴書に記載された内容と相違がないかを照合するために必要となります。
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退職証明書と離職票の違い
退職証明書と混同されやすい書類が離職票です。
離職票と退職証明書はそれぞれに発行元が違うため、公文書であるかどうかが大きな違いになります。
離職票は管轄のハローワークから交付される公文書で、退職理由や過去半年間の給与、出社日などの情報が記載されています。
一方、退職証明書は退職者からの申請により企業側が発行するものです。公文書ではないため、記載内容に相違がなければ書き方や書式に決まりはありません。
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退職証明書の記載内容
退職証明書には、労働者が請求した項目以外を記載してはならない、と労働基準法により定められています。
退職証明書に記載すべき項目についてご紹介しましょう。
退職年月日
退職年月日は、給与計算の都合や労働法の規定から、月末の期日で記載されているケースが一般的のようです。
使用期間
使用期間とは、企業に在籍していた大まかな期間のことです。ただし、試用期間を経て正式に採用になった場合、試用期間を含めるかどうかは企業の任意となります。
業務の種類
「営業職」「事務職」など、退職者が担当していた仕事内容の記載です。業務の種類が多岐にわたる場合、どこまで記載してくれるかは企業の判断によります。
事業における地位
退職者の役職を記載します。ただし、いつどのような役職についていたかの詳細ではなく、退職時点での最終的な役職を記載するのが一般的です。
離職以前の賃金
退職者に対して支払われていた給与の記載です。給与明細の手取り額とは異なり、税金や社会保険料などを天引きする前の金額に残業代などを加えた額が記載されます。
退職の事由
退職者が辞めた理由を記載します。「自己都合による退職」「定年、契約期間の満了による退職」「事業主の勧奨による」「解雇」などと記載するのが一般的です。
退職証明書が必要な場面
退職証明書はどのような場面で必要になるのでしょうか。退職証明書が求められるケースについてご紹介します。
転職先からの依頼
履歴書や職務経歴書の内容はあくまでも退職者本人が記載するものですから、事実との相違がないかを確認することはできません。
転職者が提出した書類の記載内容を裏付けるため、転職先の企業は退職証明書の提出を求めることがあります。
離職票の代用
居住する市区町村にて国民健康保険や国民年金などへ加入手続きを行う際、退職日を確認するための書類として離職票を提示するのが一般的です。
しかし、離職票の発行には一定期間を要するため、離職票の代わりに退職証明書を使用するケースもあります。
退職証明書の発行義務
退職証明書の発行義務は、労働基準法により定められています。
退職者から申請があった場合、企業側はその要求に答える義務があるため、退職の理由に関わらず、速やかに退職証明書を発行しなければなりません。
発行を拒否することはもちろん、理由もなく交付を遅らせた場合にも、法律により罰せられてしまうため、十分に注意する必要があります。
ただし、退職証明書の発行義務は退職から2年間であるため、発行申請ができる2年を過ぎてしまった場合には、企業側が交付を拒否することも可能です。
退職証明書を有効的に活用しよう
退職証明書は公文書ではありませんが、提出した書類の裏づけや信用を証明するための大切な書類です。
退職証明書は退職から2年以内であればいつでも発行申請することができます。退職証明書に記載される内容を確認し、転職活動をスムーズに進められるよう役立ててくださいね。