ホテル業界の展示会
ホテル業界向けの展示会というと、非常に大規模なイメージが持たれそうです。そもそも展示会とは、どういったものなのでしょうか。ホテル業界の場合は、商品やサービスの提供先となるお客様の顔を意識することも必要かもしれません。
展示会とは
展示会とは、メーカーや問屋と言われる企業が、販売先となる顧客を集めて、新製品の発表、商談を行うイベントです。
日本では年間およそ800件ほどの展示会が開催されていると言われています。
基本的には企業や団体が顧客となる、BtoBを対象としていることがほとんどです。
展示会を開催する業界は、「産業機械・機器」、「電気・電子・通信・半導体」、「環境・エネルギー」「食品・飲料・厨房関連等」など、様々です。
一般的には同業他社あるいは関連企業が一堂に介し、比較的大きな規模で開催されます。
市場動向にかかわる情報収集や情報交換も同時に行われ、展示会の目的は商品の展示のみにとどまりません。
ホテルの展示会の場合も、その開催目的は同様です。そして、BtoBではありながら、その先にはお客様の快適なホテル滞在、さらには安定したホテル経営のためという目的もあるでしょう。
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ホテル業界の展示会の内容
実際に開催されるホテルの展示会の内容、取り扱われる商品についてご紹介します。
アメニティの展示会
ホテルの客室に置かれているアメニティ。特に女性の宿泊客の中には、その内容を重視している人もいます。使用するアメニティの室がホテルのイメージや客室の雰囲気に影響を与えることもあります。
一般的にアメニティというと、客室の洗面台に備え付けられた綿棒、歯ブラシやクシなどの滞在に必要な使い捨てグッズがイメージするかもしれません。アメニティの元々の意味は快適性、快適な環境、というものです。
アメニティの展示会で展示される商品は、細かなアメニティグッズだけではなく、館内着やスリッパなど、客室でより快適に過ごすために必要な物も含まれています。
インテリアの展示会
ホテルの客室内やロビーに彩を加え、ホテルらしい洗練された雰囲気づくりに欠かせないインテリア。ホテルのセンスが問われると言っても良いかもしれません。
ベッドや椅子の大型の物から、備え付けデスクに設置されるライトに至るまで、客室内に配置されるものは全て揃います。
また、客室内のインテリアに限らず、レストランで使用されるテーブルや椅子、ロビーの設置されるソファも、インテリア展示会の中で取り扱われます。
寝心地の良いベッドやゆったりとしたソファ。ホテルならではのインテリアが揃う展示会が華やかな会場になりそうです。
飲料・食品
食材やアルコール類、厨房器具や調理器具に至るまで、ホテルの食に関わる数多くのものが展示される飲料・食品の展示会。
ホテル業界向けではなく、外食産業向けに開催されることが一般的かもしれません。
ホテルの食に関しては、地域ごとで特色のある食材を取り扱ったり、外国人観光客向けに日本らしいメニューを提供することもあるでしょう。展示会の見学からヒントを得ることもあるかもしれません。
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ホテル業界の展示会の会場
ホテル業界向けの展示会は、どのような場所で開催されるのでしょう。展示会の出展者は複数になります。移動しやすい広さが必要になります。
宴会場
展示会のイメージとしては、大きな会場に所せましと商品が陳列されるイメージを持つかもしれません。一社ごとにブースが用意され、その中で展示物が披露さます。
実際のホテル業界向けの展示会も、ホテルの大宴会場を舞台にすることがあります。または、広々としたイベント会場を使用することも多いでしょう。
移動の負担が少なく多くの展示を見て回ることができるので、大きな会場を使って展示会は非常に効率的です。
出展者にとっても、他社や関連業者の商品を見る機会でもありますが、ブース同士の距離が近いことから、見学者が目移りしてしまい、遠目から見て流れて行ってしまうということもありそうです。
客室
ホテル業界の展示会では、ホテルのワンフロアを貸し切り、客室内に展示物が用意されることもあります。
ホテルの展示会に客室を活用するのは、ホテル業界ならではでしょう。
アメニティやインテリアの展示会の場合、見学者がイメージしやすい空間になるかもしれません。個室になっていることで、出展者と見学者がしっかりと顔を合わせ、会話をする時間も持てそうです。
一方で、見学者が目的の展示物を目指して部屋に入るため、全く見てもらえないということも起こり得ます。
ホテル業界の展示会の目的
展示会には、商品やサービスを販売する出展者、商品を見比べて実際に購入の判断をする見学者の関わりがあります。それぞれの展示会に対する目的はどういったことろにあるでしょうか。
出展者の目的
出展者は、自社の取り扱い商品をホテルに新しく導入してもらうことを目的に展示会に出展します。そのほか、見学者の動向から将来の需要量の見込みを立て、市場のニーズを把握するという目的もあるでしょう。
見学者の目的
ホテルで取り扱われる商品は、ホテルのブランディングに繋がります。競合ホテルとの明確な差別化のため、客室稼働率やリピート率の向上のためには、展示会での情報収集やトレンドに対する意識を高める必要があります。
そういった商品を見極め、購入することが目的のひとつでしょう。
すぐに新しい商品を取り入れるつもりはなくても、将来のホテル像を意識するきっかけとして展示会を見学することもあるでしょう。
ホテルの展示会で横の繋がりを作る
ホテルの展示会は、新しい商品の紹介や購入だけが目的ではありません。
むしろ、そういったことよりも、業界同士の繋がりを強めたり、将来を見据えた関係作りのために活用されることの方が多いかもしれません。
ホテルの場合、何を導入する場合でも費用に関するハードルが高くなります。アメニティの変更にしても、100室以上の客室数を抱えるホテルの場合は容易なことでありません。
今後ホテルをどのように変貌させていくのか。見学する場合にはそういった視点を持つと展示会を楽しむことができそうです。
そのような意味でも、ホテルの展示会はホテルと関連業者が繋がりをもつきっかけの場とも言えるのではないでしょうか。
横の繋がりを広げることで、ホテルの将来のイメージも広がりやすくなるのかもしれません。