旅館業で入っておくべき保険とは?
ホテル・旅館はお客様の滞在時間が長く、さまざまな設備やサービスを提供するため、他の業種に比べて賠償責任が発生しやすい傾向にあります。
賠償責任によって経営が傾くことを防ぐには、旅館業向け保険の加入が有効でしょう。旅館業で加入できる保険の種類や、カバーできるトラブルの内容について解説します。
法人向け火災保険・地震保険
ホテル・旅館の運営には、大きな建物やさまざまな調度品が必要ですよね。火災や地震で財産に大きな損害が出た場合、頼りになるのは火災保険や地震保険です。
地震保険がセットになった商品もありますが、火災保険だけでは地震による損害まではカバーできない場合もあります。加入の際は、補償範囲をしっかりと確認しましょう。
PL保険
PL保険は、提供物によるトラブルをカバーする保険で、生産物賠償責任保険とも呼ばています。補償の対象となるのは、以下のような事象です。
- レストランで提供した食事による食中毒
- お土産品の食べ物による食中毒
- お土産品の不具合によるケガや服の汚損
施設賠償責任保険
施設賠償責任保険は、施設の不備・従業員のミスをカバーする保険です。対象となるのは以下のような事象です。
- ホテルの床が抜けてお客様がケガをした
- 飛び出た釘にブラウスを引っかけて破いた
- 従業員がお客様のバッグにワインをこぼして汚した
旅館宿泊者賠償責任保険
旅館宿泊者賠償責任保険は、お客様が引き起こしたトラブルをカバーする保険で以下のような事象が対象となります。
- お客様がジュースをこぼして他のお客様の着物を汚した
- お客様同士がぶつかってケガをさせた
- お客様が他のお客様の持ち物を誤って壊した
本来であれば、お客様が起こしたトラブルはお客様の責任で賠償するべきところです。しかし、館内で起こったトラブルに知らん顔をしては、悪い評判が立つことが考えられます。
そのリスクを回避するために、ホテルの保険でお客様の過失をカバーする保険が必要となります。
旅館賠償責任保険
旅館賠償責任保険は、以下の内容がセットになった保険です。
- PL保険
- 施設賠償責任保険
- 受託者賠償責任保険と同等の補償
受託者賠償責任保険とは、お客様から預かった物品の紛失や盗難、破損をカバーするものです。クロークで貴重品を預かるホテル・旅館ではぜひ加入しておきたいところです。
しかし、受託者賠償責任保険が対象としているのは、荷物預かり所や倉庫等といった事業であり、旅館業は対象外です。
旅館業は受託者賠償責任保険に加入することができないため、受託者賠償責任保険と同等の保証が受けられる、旅館賠償責任保険という選択肢があるのですね。
民泊保険
民泊の場合は、一般住宅用の火災保険では補償対象外となる場合があります。不特定多数のゲストが物件に宿泊することで、一般住宅ではなく事業用の「一般物件」や「併用住宅物件」として扱われ、一般住宅用の火災保険は用途が違うのですね。
民泊の運営を行う場合は「民泊保険」を選ぶと良いでしょう。民泊保険であれば、ゲストに起因する火災や水漏れをカバーできます。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
適切な旅館業向け保険で備えよう
旅館業に適した保険の備えがあれば、お客様も従業員も経営者も安心です。
さまざまな保険商品が販売されているので、ホテルの規模や形態を考慮し、比較検討の上適切な保険を選びましょう。