退職後のトラブルを回避したい!
退職を検討している方や、既に退職の意向を示し有給消化・転職活動を行っている方にとって気になるのは、退職後のトラブルでしょう。
せっかく退職を決意したのであれば、新しい職場では心機一転して働くことができるよう、厄介なトラブルは極力避けたいものですよね。しかし、もしかするとすでにトラブルに巻き込まれ、悩んでいるという方もいるかもしれません。
まだ退職後のトラブルに見舞われていないという方と、すでに退職後のトラブルに見舞われてしまったという方の両者に役立つ情報をまとめましたので、退職後トラブルの対策・解決にぜひお役立てください。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
退職後のトラブルが起こりやすい職場の特徴
退職後のトラブルが起こりやすい職場には、いくつかの特徴があります。どのような特徴があるのかをみていきましょう。
労働環境が悪い
退職を検討している、もしくは退職を決めた職場は、どのような労働環境だったでしょうか。
労働環境が良ければ、多くの方が円満退職をできるはずです。わだかまりなく退職をできればもちろん、退職後のトラブルに見舞われることは少なくなります。一方、劣悪な労働環境にあった職場であれば、退職後のトラブルは発生しやすくなります。
特に、直属の上司や事業主などの人間関係が悪い、労務管理が雑、過労を感じるような労働環境であった場合、退職後のトラブルに苦しむ可能性が高いということを、覚悟しておきましょう。
退職予定者の役職者・リーダーなどの責任者
退職予定者がある程度のポジションについていた場合、何人かの部下を抱えているということも多いはずです。また役職があがればあがるほど、他部署との関わりも増えていくことでしょう。
社内で関わる人間が多ければ多いほど、人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性が高くなることは避けられません。
事業主との距離が近い
中小規模の企業や、個人事業主の直下で勤めていたという方もまた、退職後のトラブルに巻き込まれやすくなります。
個人の携帯番号から日常的に業務連絡をしていた、連絡ツールとして個人の携帯電話のメッセージアプリを利用していたということも多く、このような場合であれば、個人的な連絡を受ける可能性が各段に上がってしまいます。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
退職後トラブルの実例
退職後のトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか。実際にあった退職後のトラブルを押さえておきましょう。
解雇理由を開示してもらえない
会社都合で解雇を言い渡された退職者が受けたトラブルです。転職活動を始める際に解雇理由を聞くため、前職場に連絡をし確認を依頼したところ、「そんな請求は受けられない」と開示を拒否されたという事例がありました。
企業は、従業員から開示請求を受けた場合、退職前であれば「解雇理由証明」、退職後であれば「退職証明」を発行する義務があるため、開示拒否をすれば従業員に不当解雇として訴えられてもおかしくない状況になります。
情報開示を拒否された場合は、まず「情報開示は、法的効力のある労働者の権利」ということ全職の担当に伝えてみてください。
離職票や退職証明書が届かない
故意か、忘れられているのか、退職後に離職票や退職証明書が届かないということもあるようです。
離職票は、失業給付金の申請や、国民健康保険の手続きに必要な書類、退職証明書は転職先企業から提出を求められる場合がある書類ですので、退職者にとって重要な書類となります。
従業員から申請を受けた場合、企業は送付に応じなければなりませんので、待てど暮らせど届かない場合は、催促の連絡をしても問題はありません。
しかし、従業員からの申請が無ければ、企業はこれらを交付する必要はありません。申請した記憶が曖昧であれば、再度前職の人事に確認を取るようにしてください。
退職金が支払われない
退職後、一定時間が経過しても退職金が一向に支払われないというトラブルに見舞われたという退職者もいました。
退職金をはじめ、インセンティブや賞与などの高額な支出に対し、「辞める人間に払いたくない」という気持ちを持つ企業もいるようですが、これらの賃金を受け取ることは労働者の権利であり、社内規定にも明示してあるはずです。
規定通りに退職金などが振り込まれていない場合には、まずは企業に確認を取るようにしましょう。催促をしたにも関わらず、支払いが行われない場合には、労働基準監督署に相談してください。
再就職に関して脅迫を受ける
退職後にも関わらず、前職の上司から「戻って来い!」という連絡が後を絶たず、悩みの種となったという退職者もいるようです。
また、「お前みたいなやつは再就職なんてできない!」などと、人格を否定するような罵声を浴びせられ、気を病んでしまったという退職者もいました。このような上司や事業主がいる職場であれば、退職前にもトラブルがあったということが大半でしょう。
そもそも、職場関連の話を、私的に連絡をすることはNGです。必要がなければ縁を切ったり、各自治体の労働相談窓口に相談するのもよいかもしれません。
在職中の過失に対し高額請求をされる
在職中、対物事故を起こしてしまった従業員が巻き込まれたトラブルです。
在職中は会社の加入保険で賄われるという説明があったにも関わらず、退職後に「あの時の過失について請求をする」と、後になって高額な賠償請求をされたという退職者もいました。
過失の大きさや、企業が加入している保険からいくら支払われたかなどは、一個人では調べることができません。額は大なり小なり、お金に関わる退職後のトラブルは、専門家に相談するのがよいでしょう。
業務の不明点に関しての質問の連絡が絶えない
退職後のよくあるプチトラブルが、前職の従業員から業務に関する連絡が絶えないというものです。
引き継ぎが上手くいっていない場合に発生してしまうトラブルですので、退職までに余裕を持ち、引き継ぎにかかる時間を確保すればトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
男女の関係を期待した執拗な連絡が絶えない
退職し、会社に籍が無くなったのをいいことに、セクシャルハラスメントまがいの連絡を送ってくる元同僚・元上司もいるようです。
今後、人間関係を保ちたいという場合には上手く立ち回るのが良いですが、あなたの人生に必要ない人間関係だと判断した場合には、連絡を拒否しても問題はありません。
退職後のトラブルに巻き込まれないための対策は?
退職後のトラブルに巻き込まれるのを防ぐために、在籍中から行うことができる対策があります。在籍中に行うことができる4つの対策をご紹介します。
早めに退職スケジュールを立てる
大切なのは、退職前までに退職スケジュールを立てておくことです。
「言い出しづらいから…」、「引き継ぎの時間なんて取れないから…」と退職ギリギリに申し出をしてしまっては双方のためになりません。
退職日から、有給消化期間、引き継ぎの時間、退職の申し出を逆算し、早め早めに行動を起こすように心がけるだけで、退職後のトラブルを回避できる可能性が高まります。企業内の規定よりも、早めに退職の申し出を行うようにしてくださいね。
退職までの期間を長めに取る
任されている業務量が多い、業務が専門的である、などという場合には引き継ぎに時間を要します。
引き継ぎ相手と、引き継ぎの時間を確保することが難しい場合には引き継ぎたい情報をデータ化しておけば、あなたの退職後の不要な連絡を避けることができます。
立つ鳥跡を濁さずの気持ちで、綺麗に退職ができるよう、退職までの期間は長めに取るようにすることをおすすめします。
貸与物はまとめておく
制服勤務や、会社支給の電子機器などがある場合には、退職前にまとめておくことが望ましいでしょう。
長年勤めていれば、どこまでが貸与物だったのかを覚えていないということもあるはずです。貸与物の返却ルールが企業ごとに設けられているはずですので、事前に確認をとっておき、退職後に「返却を忘れていた!」ということがないよう準備を整えておきましょう。
退職者として最低限の法知識を携える
労働者に権利があることと同様に、企業にも従業員に義務を課すことができる権利があります。
企業の情報を社外に漏らしてはならない「秘密保持義務」がその代表例です。他にも、「不正競争防止法」や、「著作権・特許などの企業権利」など、労働者として押さえておくべき法律があります。
侵害してしまえば、損害賠償請求を受けたり、処分の対象にもなり得ますので、弱い立場に立たされることがないよう、法知識は最低限携えておくようにしましょう。
また、退職に関する話を社内でしていないという方であれば、退職前に想定されるトラブルを併せて押さえておくことで、トラブルを最小限に防ぐことができるはずです。下記の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
退職後にトラブルが発生した場合はどうする?
実際に、退職後のトラブルに巻き込まれてしまった場合、どう対応すべきか悩む方も多いはずです。もしかすると、すでにトラブルに巻き込まれ、悩みをかかえているという方もいるかもしれません。
退職後トラブルを3つのパターンに分け、それぞれの対処法をご紹介します。
従業員とのトラブルの場合
引き継ぎに関する連絡や、男女関係に関する執拗な連絡などは、退職後であれば基本的には無視しても問題はありません。
しかし、前職場の中でこれからも付き合いを続けたい方がいる、という退職者もいることでしょう。その場合は、その方とトラブルの原因となる方との関係性を見ながら、上手に付き合っていく必要があります。
退職企業の人事とのトラブルの場合
請求をしても退職に関する書類が送られてこない、などという場合は、まず退職企業の人事に確認を取りましょう。前述の通り、こちらから請求をしていなかったという可能性も少なからず残っています。
催促をしても書類が送られてこないという場合は、労働基準監督署(労基署)に相談しましょう。請求を行うのは労働者の権利ですので、恐れる必要はありません。
退職企業とのトラブルの場合
上司や事業主からの執拗な連絡や、損害賠償請求などのお金にまつわるトラブルでも、まずは労基署に相談するのがよいでしょう。
「労基署には出向かなくてはならないの?」と疑問に思われる方も多いはずですが、電話・メールなどの相談でも解決に進む場合もあるようです。
時間を取ることが難しいという場合には、まずは電話やメールで相談をするのがおすすめです。また、労働条件に関しての相談であれば、厚生労働省が提供している「労働条件相談ホットライン」というサービスを利用してもよいかもしれません。
開庁時間が短いという兼ね合いから、労基署への相談ができないという方でも、労働条件相談ホットラインであれば土日祝日や、平日の22時までの相談が可能です。
トラブルが煩雑になるほど、文章での説明は難しくなりますので、電話で相談したいという場合には、労働条件相談ホットラインで相談を利用してみてくださいね。
ホテル・旅館の退職後のトラブルを防ぐには?
宿泊業界は、労働時間が長いことで有名な業界です。それも影響し、残念ながら労働基準が守られていないというホテル・旅館も少なからずあるようです。
自ホテル・自旅館の実情を知らずに入職してしまったという方であれば、早期退職を検討しているという方もいるはずですが、退職後のトラブルを未然に防ぐためには、在籍中の対応が鍵となります。
可能であれば、上司などに相談をし、労働環境の改善を促しましょう。改善の動きが見られなければ、労基署に相談をし、それでも改善をされないようであれば退職を告げてもよいでしょう。劣悪な労働環境下で働き続けることはありません。
改善に対し動きを見せることで、企業からの退職後トラブルを牽制することができるはずです。
退職後のトラブルは未然に防ごう!
人の感情が引き起こす退職後のトラブルを100%防ぐことは難しいことでしょう。しかし、トラブルの中には、未然に防ぐことができるものもあります。引き継ぎの期間を長く設けること、在職中に労基署に相談をするなどがその一例です。
退職後にトラブルに見舞われてしまえば、転職活動に悪い影響を及ぼすことになりますので、未然に防ぐことができるトラブルは、なるべく避ける行動を取るということを心がけてくださいね。
宿泊業界への転職を検討している方であれば、当サイト「おもてなしHR」があなたの転職をサポートできます。「退職後のトラブルが起こらないかが不安…」などという相談も、専属アドバイザーにお話しください。一緒に解決策を考えます。
登録・利用は無料ですので、気になる方は当サイトよりぜひお気軽にご相談くださいね。