ホテルの備品盗難は多い!

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ホテルに宿泊した人の3人に1人が、持ち帰りNGな備品を持って帰ってしまうと言われています。年間被害額が無視できないほど大きくなるホテルも少なくありません。
盗まれやすい備品や盗難を防ぐポイント、盗難に遭ったらどう対処するべきなのか見ていきましょう。
ホテルで盗難に遭いやすい備品とは

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小分けのソープ類や使い捨てアメニティ、旅館の名前が入った手ぬぐいなどの他は基本的に持ち帰りNGですよね。しかし、NGであることを知ってか知らずか、それ以外の備品を持って帰ってしまうお客様が居ます。どんな備品が盗難に遭いやすいのでしょうか。
ホテルの備品の盗難で最も多いのは、バスタオルやバスマット、シーツやルームウェアといったアメニティ類です。バスタオルなどの代金も宿泊料金に含まれていると考えたり、旅館の名前入りのタオルと同じ感覚で悪意無く持ち帰るお客様も居ます。
リネン類
グレードの高いホテルでは、リネン類も高級品です。たびたび持ち帰られては大打撃になるでしょう。
ボトルや容器の中身・消耗品のストック
ソープ類が小分けになっておらず、大ボトルで浴室に設置しているホテルもありますよね。大きなボトルをそのまま持ち帰る人も居れば、わざわざ自前の容器に詰め替える人も居ます。
また、ティッシュケースの中身や、トイレットペーパーのストックが持ち去されることも少なくありません。
小物類
壁に固定されていないドライヤーや目覚まし時計、リモコンや懐中電灯。ワイングラスやティーカップ、ソーサーにハンガー、ボールペンなどの小物類の持ち去りも良くあることです。
タブレットやノートパソコンといった、高額なものが盗難に遭うケースもあります。
装飾品
客室に飾られている絵画や花瓶などの美術品、小さな観葉植物やポプリなどの装飾品も持ち去られやすいものです。額縁から画を抜き取って口紅で描いた自作アートにすり替えられていたというケースもあります。
備品の持ち去りをするお客様には、貧富の差は無いそうです。高額な装飾品を揃えたスィートルームなどでは、特に用心したいですね。
大型家具・寝具
客室のテレビや便座、カフェマシーンやマットレスなど、大きな家具や寝具を持ち去るとんでも無い人も居ます。リネン類などとは違ってさすがに「宿泊料金に含まれていると勘違いしている」とは思えない、悪質なケースですね。
あるホテルでは、客室の備品をひとつ残らず盗まれたことがあるそうです。
ホテルの備品を持ち去るのは宿泊客だけではない

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ホテルの備品を持ち去るのは、宿泊客だけではありません。お客様のふりをして館内に入って来た人に、共有スペースのトイレからトイレットペーパーを持ち去られるケースもあります。
お湯が出る洗面台で洗濯をする、トイレの個室内のコンセントでスマホを充電するなど、水や電気の窃盗も、実際に起きています。
また、配送業者のふりをした泥棒にロビーのグランドピアノを盗まれたという事例もあります。大きなホテルの館内では、お客様なのかそうでないのかの区別を付けるのは難しいことですね。悪意を持って入って来る人はそこを狙っているのです。
ホテルの備品盗難を防ぐには

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深刻な備品盗難の被害を防ぐためには、効果的な対策を取ることが必要です。ホテルでできる盗難防止対策を見ていきましょう。
持ち帰りNGな備品を明記する
まずはお客様に、備品の持ち帰りはNGであることを理解してもらう必要があります。宿泊約款に明記し、ロビーなどお客様の目に付きやすい場所に、注意喚起の張り紙を出しましょう。
こうすることによって、持ち帰りOKだと勘違いしての持ち去りを防ぐことができます。また、だめだと分かっていながらの持ち去りもある程度、抑制することができるでしょう。
リネンや小物にホテルのロゴを入れる
リネン類やティーカップ、グラスなどにホテルのロゴを入れるのも効果的です。一目でホテルの物だと分かるので勘違いによる持ち帰りを防ぎ、悪意のある持ち去りもしにくくなるはずです。
ただし、ロゴ入りで記念品にぴったり!と喜んで持ち帰る人が居るかもしれません。持ち帰りNGの張り紙をするなど、注意喚起も同時に行ってくださいね。
なるべく備品を固定する
壁に埋め込み型の目覚まし時計や、洗面台と一体型になったドライヤーなど客室の備品が固定型になっているホテルが増えています。これらはスペースの有効活用や客室清掃をしやすくするといった理由の他に、盗難の防止でもあるのですね。
シャンプーやボディーソープも、台座に固定されているものがあります。固定できるものはなるべく固定して、簡単に持ち去られないように工夫が必要です。
また、最近のテレビは薄型で、持ち出しが比較的容易なため、テレビの盗難被害が増えています。高額な備品はワイヤーなどでつなぐと良いでしょう。
備品のチェックリストを作る
備品の盗難被害に気が付いても、いつ宿泊したお客様が持ち出したのかが分からなければ、対処ができません。そうならないためには備品のチェックリストを作ることが有効です。
客室清掃の一環として、無くなっている備品が無いかどうかのチェックを行いましょう。
共有スペースには監視カメラの設置を
廊下やロビーなどの共有スペースには、監視カメラを設置しましょう。盗難が起きた際に犯人を特定する手がかりとなるだけでなく、犯罪の抑制にも繋がります。
防犯カメラを設置するとともに、お客様の目に付きやすい場所に「監視カメラ作動中」などと掛かれたステッカーを貼るのがポイントです。
ホテルの備品が盗難に遭ったらどうする?

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盗難防止に手を尽くしても、残念ながら持ち去る人は持ち去るものです。備品の盗難被害に遭った時の対処方法を解説します。
備品の返還を求める
持ち出したお客様が明らかななのであれば、まずは返還を求めましょう。持ち帰りOKと勘違いしていた・自分の荷物に紛れ込んでしまったなど、悪意無く持ち帰ってしまった人なら素直に返してくれるかもしれません。すでに手元に無いという場合は、新たに備品を購入する費用を請求しましょう。
また、備品を持ち去るために部屋の一部を破壊されたなどの場合は、原状回復費用や修理中に他のお客様を泊められなかった損害額も請求できます。
返還や賠償に応じない場合は民事訴訟で請求する手段もありますが、時間と費用が掛かります。法律の専門家に相談の上、総合的に検討しましょう。
被害届を出す
備品の持ち出しは立派な窃盗の被害で、警察に被害届を出すことができます。被害届を提出したことで、逮捕に至ったケースは少なからずあります。
泣き寝入りで終わらせず、被害に遭ったらきちんと警察に届けましょう。さらなる被害を抑制することに繋がり、ホテル業界全体で備品の盗難被害が減るかもしれません。
ホテルの備品盗難は防止策が大切

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ホテルの備品の盗難は、未然に防ぐことが大切です。民事訴訟は時間やコストを考えるとあまり現実的ではなく、被害届の提出では逮捕はできても損害は返ってきません。
ホテルの事業存続のためにも、全てのお客様に安心して利用していただくためにも、できる限りの防止策を取りましょう。