コース料理にはどのようなマナーがある?
コース料理とは、順序立てて一品ごとに料理が提供されるものです。格式が高いメニューとして認識されており、食器の扱い方や料理の食べ方にきちんとしたマナーがあります。
さらに、フレンチ・イタリアン・中華・和食など、料理のジャンルによって正しいとされるマナーが異なることも珍しくありません。
プライベートやビジネスの場で恥をかかないためにも、コース料理をたしなむ機会に備えて学んでおくと安心です。
- 「コース料理を食べに行くことになったものの、テーブルマナーを守れるか不安……」
- 「コース料理のマナーについて聞かれたら答えられないかも……」
という方は、本記事を通して、コース料理のルールについて知識を蓄えておきましょう!
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コース料理のマナー:西洋料理
フレンチやイタリアンなど、西洋のコース料理についてマナーを紹介します。
カトラリーの扱い方
西洋料理ではナイフ・フォークを使用し、スープやデザートにはスプーンを用います。ナイフ・フォーク・スプーンはまとめて「カトラリー」と呼ばれることを覚えておいてくださいね。
基本的なカトラリーの扱い方を見ていきましょう。
【1】基本の使い方
「フォークは左手、ナイフは右手」がマナーですが、左利きの方は逆でも構いません。持つときは、人差し指をナイフ・フォークの先に添えて持ちましょう。
また、複数のカトラリーが並んでいる場合は、外側から使うことが基本。一皿の料理を食べ終えると、使用していたナイフなどは一緒に下げられます。料理が提供されるタイミングで、一番外側にあるカトラリーを使うこと、押さえておきましょう。
【2】カトラリーの置き方
食事中、お皿の上にナイフ・フォークを置く際は、ハの字の向きにそっと置いてください。このとき、フォークは背側を上に向けます。
食べ終わった場合は、4時を指す時計の針の位置・向きで、ナイフ・フォークをそろえてお皿の上に置けばOKです。食べ終わった合図として、フォークは背側を下に向けます。
また、ナイフレストと呼ばれるカトラリーを置くための器具がある場合は「次の料理にも同じカトラリーを使ってください」というサインです。その場合、ナイフの刃は内側に向け、フォークは先端が下側になるように置くことがマナーです。
料理の食べ方
【シャンパングラス・ワイングラスの持ち方】
飲み物はシャンパンやワインが基本で、食前酒を飲むことが一般的です。
シャンパン・ワイングラスを持つときは、グラスの下のほうを親指・人差し指・中指の3本でつかみ、薬指で支えるようにして持ちます。
【パンの食べ方】
パンは直接かぶりつくのではなく、ひと口ずつちぎって食べますが、注意したいのは、パンくずです。
ポロポロとテーブルに落とすことがないように、必ずお皿の上でちぎって下さい。ちぎる動作をゆっくりにすると、パンくずが出にくくなります。また、クロワッサンなど特にパンくずが出やすいパンは、低い位置でちぎることがポイントです。
もし、テーブルにパンくずが落ちてしまった場合は、自分で集めたりせずにお店の方に片付けを任せましょう。
【アミューズ(前菜)の食べ方】
アミューズは、いわゆる「お通し」です。
アミューズ用のカトラリーで食べることもあれば、手づかみで食べることもあるようです。一口サイズのアミューズは、ひと口できれいに食べきることを心がけてくださいね。
【スープの飲み方】
手前から奥に向かうようにスープを動かしてすくいます。量が少なくなったときは、お皿を傾けてすくっても問題ありません。
【魚・肉料理の食べ方】
魚・肉料理は、メインの魚・肉に付け合わせが乗っている場合がほとんど。付け合わせとの量を見て、バランス良く食べていくときれいです。
【デザートの食べ方】
デザートは溶けるもの・薄味のものから食べましょう。
コーヒーを飲む際は、受け皿を持たないことがマナーです。紅茶の場合は、テーブルが低ければ受け皿を持ってもOKとされています。
NGマナー
西洋のコース料理におけるNGマナーは以下の通り。
- パスタはスプーンを使わない(フォーク1本で食べる)
- 口に含んだままで話さない
- 食事中はトイレに行かない(乾杯前orメインディッシュとデザートの間に行く)
- カプチーノやカフェオレ、カフェラテは食後に頼まない
- 食べるとき/飲むときに音を立てない
西洋では、カプチーノやカフェオレは朝に飲むものと認識されており、コースの締めに飲むことはNGとされているようです。
また、和食では、お味噌汁などは音を立てて飲むことが正しいマナーですが、フレンチ・イタリアンの場では違います。
音を立てると不快感を与えるため、静かに味わいましょう。
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コースのマナー:中華料理
中華料理には、北京料理・広東料理・四川料理・上海料理など、さまざまなジャンルがあります。
中華のコース料理について、マナーを確認していきましょう。
食器の扱い方
中華料理は、大皿から個々に取り分けて食べるスタイルが一般的です。
【1】
目上の方から順番に料理を取り分けるようにしてください。
【2】
れんげは、取っ手部分の溝に人差し指を入れて、親指と中指で挟んで持つのが正解です。
料理の食べ方
【甲殻類の食べ方】
カニやエビなどの甲殻類は、自分が食べやすい食べ方で構いません。
殻が口に入ってしまったときは、ナプキンで口を隠しながら出すようにしましょう。
【軽食の食べ方】
春巻きなどの軽食は、ひと口サイズに切り分けて箸で食べます。かぶりついてはいけません。
切り分けづらいときは、片手で軽く押さえながら切ってください。
【饅頭の食べ方】
パンと同じように、ひと口サイズにちぎって食べます。
【お酒の飲み方】
乾杯のお酒を飲むときは、一気に飲み干すことがマナーのようです。苦手な方は飲むまねをするだけでも良いとされています。
NGマナー
中華料理を楽しむためにも、次のようなことに気をつけましょう。
- 回転台を反対にまわさない
- 取り分け皿を持ちながら食べない
- 他の人の分は取り分けない
- れんげの先を口に含まない
- 食べるとき/飲むときに音を立てない
自分の分の取り分けは、自分で行うマナーがあります。もし、引け目を感じるときは、スタッフに取り分けを依頼することも可能です。
コースのマナー:和食
和食は、数ある料理の中でもマナーが細かく徹底されている印象です。
すぐに身につけるのは難しいかもしれませんが、マナーを守れていれば、「きちんとした大人」として見てもらえるのではないでしょうか。
食器の扱い方
お皿の持ち方や箸の使い方だけでなく、懐紙の用途も覚えておきましょう。
【1】
口や箸についた汚れは懐紙で拭いましょう。小骨や種を出したいときなど、口を隠すためにも活用できます。
【2】
蓋つきの食器は左手でお皿を固定し、右手で蓋のつまみをつかんでゆっくり開けます。
蓋の内側についた水滴が落ちなくなったら裏返し、左手を添えて器の隣に置いてください。食べ終わり次第、蓋を閉めて元通りにします。
【3】
お椀を持ちながら箸を取るときは、まずお椀を左手に乗せ、そのまま右手で箸を取り上げます。
次に左手の人差し指と中指で箸を挟みましょう。最後に、右手をかえして正しい持ち方に持ち変えます。
料理の食べ方
【刺身の食べ方】
刺身は白身から赤身という順番で食べます。同じ種類の場合は、左前のものから手を付けてください。わさびは醤油にとかしません。切り身の上に乗せた状態で醤油につけて食べます。
穂紫蘇は、花の部分を取って醤油に散らして食べるようにしましょう。
【握り寿司の食べ方】
握り寿司はひと口で食べるのが基本です。
醤油をつけるときは、シャリではなく刺身部分に醤油をつけます。
【焼き魚の食べ方】
焼き魚は頭から尾に向けて、上身の部分を先に食べます。
上身を食べ終えたら骨と身の間に箸を入れて骨を取りましょう。外した骨は、お皿の上側に置いてください。
【汁物の飲み方】
汁物・そば・お茶などは、音を立てて飲食するのがマナーです。
NGマナー
和食のNGマナーを紹介します。
- おしぼりで顔やテーブルを拭かない(拭くのは手のみ)
- 刺し箸/寄せ箸/迷い箸/探り箸/ねぶり箸/もぎ箸をしない
- 手を下に添えて料理を口に運ばない
- 食べ物をかむ音は出さない
箸はNGの扱い方が多いため、ひと通り確認しておくと安心です。汁物は音を立てますが、食べ物をかむ音は出さないように気をつけましょう。
コース料理のテーブルマナーを身につけて上品に食事を楽しもう
コース料理のテーブルマナーについて紹介しました。マナーを身につけ、できる大人として上品に食事を楽しんでくださいね。
また、料理のマナーは、レストランやホテルなどで働いている方であれば、きちんと学んでおくべき内容です。
スタッフの印象がお店の格式の高さにつながりますので、徹底して身につけておきましょう。
もし、レストランやホテルの仕事に興味があるという方がいれば、当サイト「おもてなしHR」にお問い合わせください!