総合旅行業務取扱管理者に関わる2つの研修
総合旅行業務取扱管理者は、旅行業界・観光業界で働く人に適した資格です。
国内外の旅行商品を販売する旅行会社の事業所には原則として最低1名、総合旅行業務取扱管理者の資格を持つ従業員を配置しなければなりません。そのため、総合旅行業務取扱管理者の資格を持っていれば、就職・転職やキャリアアップに役立つのですね。
この資格には関わりの深い2つの研修があります。これから取得しようと考えている人も、すでに資格を持っている人も、何のためのどのような研修なのかを把握しておきましょう。
なお、総合旅行業取扱管理者については以下の記事でも解説しています。ぜひ併せてご参照ください。
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総合旅行業務取扱管理者研修
総合旅行業務取扱管理者研修は、資格を取得する前に受講する研修。
この研修を受講し、修了試験に合格すれば総合旅行業務取扱管理者の本試験の受験科目「国内旅行実務」と「海外旅行実務」が免除され、「業法」と「約款」のみの受験・合格で総合旅行業務取扱管理者の資格が取得できるのです(研修を受けた年度かその翌年度の受験に限る)。
総合旅行業務取扱管理者の受験科目で特に難易度が高いと言われる2つの科目をパスできるので、ぜひとも活用したい制度ですが、残念ながら誰でも受講できるわけではありません。
総合旅行業務取扱管理者研修には、以下の受講資格が設けられています。
- ・受講する年の4月1日時点で旅行業者または旅行代理店に所属していること
- ・受講する年の4月1日から起算して直近5年以内3年以上、海外旅行を取り扱う業務に重視したことがあること
すでに旅行会社などで働き、実践を積んでいる人のための研修なのですね。旅行会社への就職を希望している人や入社したばかりの人は受講できないということを覚えておきましょう。
ただし、この研修を受けなくても合格は十分に可能です。難関国家資格ですが、一部科目だけでも合格すればその翌年は合格済みの科目は免除される、国内旅行業務取扱管理者の資格を持っていれば「業法」と「国内旅行実務」の科目が免除されるとった制度もあるのです。
もちろん、全科目に合格して一発で総合旅行業務取扱管理者の資格を取ることも不可能ではないでしょう。以下の記事では、独学で合格を目指す場合に必要な勉強時間や勉強のコツを解説しています。ぜひご参照ください。
参考:総合旅行業務取扱管理者の科目免除について/国土交通省観光庁
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
旅行業務取扱管理者定期研修
旅行業務取扱管理者定期研修は、国内・総合に関わらず旅行業務取扱管理者の資格を持ち、すでに旅行会社などで旅行業務取扱管理者として働いている人が、5年ごとに受けなければならない研修です。
この研修の目的は旅行業務に関する法令や旅程管理、その他の旅行業務取扱管理者の業務に必要な知識や能力の向上といったこと。2018年1月4日から、5年ごとの受講が義務付けられています。
事業所が旅行業として営業を続けるためには5年ごとに登録の更新が必要です。登録更新の際に「旅行業務取扱管理者がきちんと定期研修を受けています」ということを証明する修了証の写しを提出しなければなりません。
事業所の旅行業務取扱管理者が5年ごとの研修を受けなかった場合、旅行業としての登録更新ができなくなるので十分に注意してください。旅行業務取扱管理者の皆様は「職場から指示されるはずだから大丈夫」と思い込まずに、しっかりと覚えておいてくださいね。
総合旅行取扱管理者は受験前・受験後の研修を正しく理解しよう
総合旅行取扱管理者に関連する研修を覚えておけば、資格取得の難易度が下がり、事業所の登録更新ができない!といったトラブルを防げます。
総合旅行取扱管理者の資格取得を目指している人、すでに資格を持っている人は、研修の制度やルールを正しく理解し、観光業の盛り上げに役立てましょう!