移住にはどのくらいの費用が必要?
地方移住に対し「物価が安く、浪費する環境も少ないから生活費が抑えられそう」と、前向きなイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。
たしかに、都会と比べれば家賃・交通費などが減り、一度に動くお金は少なくなるかもしれません。
しかし、移住には必ず引っ越しが伴います。
さらに地方の給与水準は都会よりも低い上に、都会では必要なかったお金がかかることをご存じでしょうか。
単身で移住にかかる費用は、仕事が決まっている方で20万円程度。
仕事が決まっていない方であれば最低でも50万円~70万円程度は用意しておきたいところです。
家族で移住する場合には、それ以上の費用が必要でしょう。
なぜ、ここまでお金が必要になるのでしょうか?
この記事で移住にかかる費用の目安を、
- ・「引っ越し費用」
- ・「月々の生活費」
- ・「移住後に増える生活費」
の3点に分けて解説しますので、移住計画のヒントにしてみてくださいね。
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移住費用の目安:引っ越し費用
まずは、引っ越しにかかる費用を考えていきましょう。下記は、移住時にかかる引っ越し費用の目安です。
- ・単身の場合:3万円~10万円
- ・家族の場合:10万円~25万円
- ・賃貸の敷金・礼金/仲介手数料:それぞれ家賃の半分~1カ月分程度
引っ越し費用は、「積み込む家財の量」「移動距離」「引っ越す時期」によって変動します。
閑散期・隣県程度の引っ越しであれば費用はこれよりも安くなる可能性はあります。
しかし、荷物が多い、繁忙期、遠距離の引っ越しなどであれば、単身でも10万円ほどはかかると思っておくほうが賢明でしょう。
また、移住先で賃貸住宅に住むのであれば、「敷金・礼金」「不動産会社への仲介手数料」も用意しなければなりません。
賃貸から賃貸に住み替える方は、敷金で補いきれなかった現住居のクリーニング費用が発生することもあるはず。
以上のことから、移住の引っ越し費用には大体10万円〜50万円が必要になることを、現実として受け止めておきましょう。
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移住費用の目安:月々の生活費
続いて、移住後にかかる月々の生活費をみていきましょう。
年収300万円前後の一人暮らしを例に、目安を紹介します。
家賃 | 3万円~10万円 |
食費 | 2万円~3万円 |
車の維持費 | 2万円~3万円/年 |
水道光熱費 | 1万円~2万円 |
通信費 | 5,000円~1万円 |
交際費 | 1万円~2万円 |
国民年金保険 | 1万6,000円程度 |
国民健康保険 | 1万円~2万円 |
住民税や所得税 | 2万円~3万円 |
奨学金返済 | 1万円~2万円 |
生命保険料 | 0円~2万円 |
上記を計算すれば、最低でも月々15万円程度が必要になることがわかります。
奨学金の返済や、生命保険料の支払いがなくても、月に10万円は必要になるでしょう。
都心から地方への移住では、家賃・食費・交際費の費用が安くなる可能性は高いですが、水道光熱費や税金は、どこへ移住しても必ずかかってしまいます。
特に、インフラが整っていない地域であれば、
- ・「都市ガスよりも高いLPガスしか契約ができない」
- ・「通信環境が悪いため、かえって光熱費・通信費が高くついてしまう」
ということも。
移住先をまだ決めていない方は、移住後の生活まで見据えて選ぶといいでしょう。
移住費用の目安:移住後に増える生活費
人によっては「地方へ移住したことで支払わなければならないお金が増える」ということもあります。
家具家電の新調費用 | 5万円~30万円 |
車の購入費 | 50万円~200万円 |
車の維持費 | 2万円~3万円/年 |
ガソリン代 | 5,000円~2万円/月 |
家賃や住宅ローン | 5万円~10万円/月 |
固定資産税 | 1万円/月 |
地方では車をもっていないと何かと不便なことが多いです。
そのため、都会から地方へ移住するときは車を購入しなければいけないという方も少なくないはず。
車を取得するとなれば、月々のローンも考えなければいけません。
また、中古住宅や空き家の譲り受けを検討している方であれば、「固定資産税」「都市計画税」「相続税」「リフォーム費用」なども考えておく必要があるでしょう。
あとになって慌てることがないよう、事前にしっかりと情報を集めておいてくださいね。
移住にかかる費用を安く抑えるポイントとは?
移住にかかる費用はできるだけ安く抑えたいもの。
ここでは、安く抑えるポイントを5点紹介しますので参考にしてみてくださいね。
(1)移住支援制度を活用する
自治体によって内容は異なりますが、住宅取得に対する補助や、引っ越し費用の助成など、さまざまな移住支援制度が用意されています。
例えば、東京23区をはじめとした東京圏の在住者が移住する場合、100万円程度の移住支援金を受け取れるなど。
エリアによっては空き家バンクに0円の空き家が公開されていることもあります。
大半の自治体で移住支援がおこなわれていますので、現住所・移住先がどこであっても、必ず自治体のホームページをチェックしておきましょう!
(2)不要な家具や家電は引っ越し前に処分する
引っ越しを機に新しく買い替える予定で、不要になりそうな家具や家電は引っ越し前に必ず処分しておきましょう。
荷物量が減ることで、引っ越し費用が安くなることもあるようです。
新しく買うものは、できるだけ移住先で購入するようにしましょう。
(3)複数の引っ越し業者から見積もりをとる
移住の引っ越し作業を、業者の方にお願いしなくてはいけない場合、複数のサービスから見積もりをとるといいでしょう。
複数見積もりをとることで、価格の比較検討をおこなうことができます。
その中で一番安価なサービスを選ぶことで引っ越し費用を抑えることができるかもしれません。
もし、身近にトラックなどを運転できる方がいるときは、お願いしてみるのもアリでしょう。
(4)公営住宅を選ぶ
公営住宅とは、住宅に困窮している低所得者向けに割安な家賃で供給するために整備された住宅のことです。
ただし、「一定の収入基準以下でないと申し込みができない」などという条件があったり、地域によって入居基準が異なっていたりするので事前にしっかり確認をとることが大切です。
また、公営住宅は、障がいのある方が入居希望した場合に優先される制度も用意されています。
家賃の費用が抑えられるため、移住者だけでなく、年金収入のみで生活をしている高齢者の方なども活用してみてもいいかもしれません。
(5)自動車は中古を購入する
車を購入する方は、中古を購入したほうが月々かかるローン返済を安く抑えることができます。
しかし、中古車は不備も起きやすいため、修理代のことも頭に入れておくといいかもしれません。
想定しておくだけでも、いざというときに冷静に対処できるでしょう。
移住の費用やスケジュールを考える際の注意点
先述した通り、移住にはいろいろな費用が発生します。
費用の面で不安なことが多いかもしれませんが、事前の計画をしっかりと練っていれば、スムーズに移住を進められそうです。
安心した移住生活を送るためにも、事前準備の注意点を2つ紹介しますので確認しておきましょう。
仕事は移住前に決めておくと◎
自由に使える貯蓄が十分にある方であれば、移住してから仕事を考えるという選択をしても問題はないでしょう。
しかし、そこまでお金に余裕がないと感じるのであれば、「仕事を決めてから移住をする」のが賢明です。
移住先の転職活動は、移住・定住サイトに公開されている求人情報を見たり、各自治体の窓口に相談をするのが最もポピュラーな方法です。
民間の転職支援サービス・転職エージェントを利用するのもおすすめですよ。
余裕をもって計画を立てる
移住にかかる費用やスケジュールには、ゆとりを持ちましょう。
貯金ギリギリの状態で移住すると、突然のトラブルに見舞われたときに困ってしまいます。
スケジュールをタイトに設定してしまえば、仕事が決まらないまま移住することになるということも危惧されます。
備えあれば憂いなしですので、余裕を持った移住計画をおこなってくださいね。
移住費用も含めた綿密な計画を練ろう!
地方での生活は、都会とは異なる魅力がたくさんあります。
「たとえ贅沢な生活はできなくても、心にゆとりのある生活の方が幸せ」という方も多いのです。
お金に余裕がないと感じている方は、移住先の仕事を先に決めてしまうだけでも心に余裕をもって移住することができますよ。
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