就活中の困りごと・サイレントお祈りとは?
就職活動をしている人なら、不採用とされることを「お祈り」と表現する俗語を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは不採用通知の最後に記される「益々のご活躍をお祈りします」という文章になぞらえてできた言葉です。
何の連絡もなく「不採用になったのだろう」と推測するしかない状態のことを「サイレントお祈り」と呼びます。
このサイレントお祈りを行う企業は少なからず存在し、あるNPO法人が2013年に行った調査によると、就職活動をしている学生のうち、7割がサイレントお祈りを経験したという結果がでています。
サイレントお祈りは、いつまでも選考結果が分からず落ち着かないだけでなく、別の企業にエントリーする予定を組むのにも困る、大変迷惑なことですよね。
企業はなぜそのようなことをするのでしょうか。また、就活中にサイレントお祈りに遭遇したら、どう対処するべきなのでしょうか。
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不採用の連絡をせずサイレントお祈りをする理由とは?
みなさんは、サイレントお祈りをする企業のことをどう思いますか?「誠意が無い」「マナー違反」「企業としてどうなの?」と思いますよね。
こうしたマイナスイメージを持たれることが明白であるのに、サイレントお祈りをするのは以下のような理由があるためです。
不採用連絡の工数削減
応募者が多ければ多いほど、不採用者は大量に出ます。不採用者のひとりひとりに連絡をしていては、とても手が回らないためにサイレントお祈りをする場合がります。
特に多いのは、就活生・求職者からの人気が高い大企業です。そのため「大企業ほど礼儀知らず」などと言われているのですね。
不採用理由の問い合わせ・クレーム回避
不採用を告げると、不採用にした理由について聞かれたり、クレームに発展することが考えられます。
採用業務は工数が多く、現場が常に逼迫しています。そんな中で個別の対応が必要になれば、ますます手が回らなくなるでしょう。そうなることを避けるために、サイレントお祈りという手段に出るのです。
連絡ミスを防ぐため
サイレントお祈りに遭遇すると「不採用の通知ならテンプレートのメールでも充分なのに、それすらしないのはなぜ?」という疑問が沸いてきます。確かに、テンプレートのメールを送信するのは簡単なことですが、怖いのは連絡ミスです。
不採用の通知をメールで送信するとなると、採用が決定した応募者や、選考通過の応募者に誤って不合格のメールを送信してしまう可能性があるのです。欲しいと思っている人材に不採用のメールを送ってしまったら大変ですよね。
また、仕事は工数が多ければ多いほどミスが発生しやすくなるものです。ヒューマンエラーを避けるために、不採用者には連絡をしないというわけなのです。
補欠としてキープしておきたいため
不採用の通知が来ないのは、合格と不合格のボーダーライン上に居るからかもしれません。
合格者に連絡を取り、辞退された時のために備えてキープされていることが考えられます。しかし、補欠である旨を本人に伝えるとマイナスの印象を与え、いざ来てほしいとなった時に断られる恐れがあるため、何も伝えずキープしているのです。
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就活中にサイレントお祈りに遭遇したらどうする?
採用試験を受けた後、選考に数日間掛かるのは当然のことです。しかし、もし2週間経過しても何の連絡も無い場合にはサイレントお祈りの可能性が浮上してきます。そうなった場合はどう動くのが適切なのか見ていきましょう。
選考の案内などを見直す
まずは選考の案内や募集要項などを見直して、選考期間や連絡方法を再度確認してみましょう。
もしかすると「合格者にのみ連絡します」といった説明が書いてあるかもしれません。こうした情報を後から見直すためにも、選考に関わる書類はきちんと整理・保管しておいてくださいね。
メールや着信履歴・郵便物を再度確認する
次に、メールや着信歴・郵便受けなどの企業からの連絡を受け取る可能性があるものを確認してください。迷惑メールフォルダに振り分けられて入っていたり、フィルター設定で受信できていない可能性や、着信履歴・郵便物を見落としている可能性があります。
ここまで確認を行い、やはり連絡が来ていない場合には企業に問い合わせを行いましょう。2週間待ってからの問い合わせであれば失礼にはあたりません。次の項目で、問い合わせの方法について解説します。
サイレントお祈りの問い合わせの仕方は?
「これはサイレントお祈りかも…?」と思っても、単に選考に時間が掛かっていたり連絡が送れているだけの場合もあります。また、もしかすると合格なのに担当者のミスで連絡が漏れている可能性もゼロではありません。
それらをふまえて、選考結果を問い合わせる時はマナーを守って丁寧に訊ねることが重要です。以下の例文を参考に、メールか電話で問い合わせましょう。
【メールで問い合わせる場合の例文】
メールで問い合わせた内容は、後々まで残るものです。一方的に結果を催促するなど雑な印象を与えないように注意してください。
以下は「自分の不手際で連絡がいつ貰えるのか聞きそびれてしまった」という態になっています。学生であれば学校名や学部名を付け加えましょう。
◯◯株式会社
人事課 ◯◯様
いつも大変お世話になっております。◯◯◯◯と申します。
先日は貴重なお時間を割いて面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。
〇月◯日に貴社の面接にお伺いしましたが、合否の結果につきまして、何日頃にご連絡をいただけるか、教えていただくことは可能でしょうか。
本来ならば面接時に確認するべきところ、私の不注意でお手間をとらせてしまい大変申し訳ございませんが、ご連絡をいただけますと幸いです。
ご多忙の中ご迷惑をおかけし大変恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
◯◯ ◯◯(名前)
◯◯ ◯◯(電話番号)
◯◯ ◯◯(メールアドレス)
【電話で問い合わせる場合】
電話で問い合わせる場合は、電話のマナーや正しい言葉遣いを守ることはもちろん、声のトーンや速さにも注意してください。
特に「サイレントお祈りをされたのでは?」という状況では焦りや不安、怒りが声に表れやすいものです。以下の例文を何度か声に出して読んでから掛けると良いですね。
また、電話は相手の時間を拘束するものです。手短に要件を伝えてください。メールと同様に、学生であれば学校名と学部も伝えましょう。
「 お忙しいところ恐れ入ります。わたくしは先日御社で採用面接の機会をいただきました、◯◯◯◯(フルネーム)と申します。人事課の◯◯様はいらっしゃいますでしょうか?」
(担当者につながったら)
「お忙しいところ、大変申し訳ございません。先日面接をしていただきました、◯◯◯◯と申します。先日の選考結果のご連絡がいつ頃になるか伺いたくお電話いたしました。ご多忙中に大変お手数をお掛けしますが、結果発表の日時を教えていただくことは可能でしょうか?」
連絡が来るのをひたすら待つのはNG
「サイレントお祈りされたのでは?」と思いながらひたすら連絡を待って、その間就活をストップするのは絶対にNGです。
後から連絡が入ってスケジュールが重なる可能性はありますが、そうなったらそうなった時に調整すれば良いことです。就活に使える時間は限られています。ただ待つだけで時間を過ごさないように心がけてくださいね。
また、ソワソワした状態が続くのは、精神的にも良いことではありませんよね。「不採用の連絡すらくれない企業ならもういい!」と、自分で踏ん切りをつけられるのであればわざわざ確認の連絡をする必要はありません。
しかし、少しでも引っかかるのであれば、他の企業の選考に集中するためにも、サイレントお祈りの気配を感じたら問い合わせるようにしましょう。
サイレントお祈りを避けるには就職・転職エージェントを活用しよう
就活をスムーズに進めるためには、サイレントお祈りに遭うことはなるべく避けたいものですよね。
そこでおすすめなのが、就職・転職エージェントの活用です。企業と就活生・求職者のやりとりを、就職・転職エージェントの担当者が仲介してくれるので、サイレントお祈りに遭うことは早々ありません。万が一、なかなか連絡が来なくても担当者を通して確認できるので安心でしょう。
就職・転職エージェントの良いところはそれだけではなく、希望やスキルにあった応募先の提案や、応募書類の添削なども行っています。
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