接客業英語の必要性
新型コロナウイルス感染症の流行も落ち着き、日本へ観光に訪れる外国人観光客は徐々にコロナ禍前の水準へと戻りつつあります。
日本政府観光局が公表した2024年2月の訪日外国人観光客数は、なんと278万8000人にものぼるそうです。この数字はコロナ禍以降最多だそう。
コロナ禍前である2019年同月の訪日外国人観光客数が260万4322人であったことを考えると、7%ほど増加していることがわかります。今後もますます外国人観光客が増加することが見込まれるでしょう。
これだけ日本を訪れる外国人が多いとなると、接客の仕事をする際に外国人観光客に対応する場面も増えてきていることが考えられます。
このような状況から接客業でのインバウンド対策が急務となるため、接客の仕事に携わっている場合はある程度の英語を話せるようになっておいたほうが安心と言えそうです。
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接客業全般で使える英語表現:入店時のやりとり編
まずは接客業全般で使える英語として、入店時のやりとりをする際に役立つ英語表現を確認しておきましょう。
いらっしゃいませ
- Hello.
- Good afternoon.
- Good evening.
日本では、接客をする際は「いらっしゃいませ」という言葉から始まるのが一般的です。しかし、海外にはその習慣がありません。
そのため、入店時には「こんにちは」や「こんばんは」を意味する気軽な挨拶から始めるとよいでしょう。
ご来店ありがとうございます
- Thank you for coming!
- Thank you for your visit.
お客様に対して来てくれてうれしいという感謝の気持ちを伝えたい場合は、「Thank you for〜」を付け加えるとよいでしょう。
何かお手伝いしましょうか?
- How may I help you?
お客様が何かを探していたり、困っていたりするときに使える言葉なので、お客様が店内を見て回っているときに使うとよいでしょう。
こちらへどうぞ
- Follow me, please.
- Right this way, please.
お客様を特定の場所まで案内するときに使う表現です。
何かございましたらお声がけください
- Please let me know if you need anything.
何かお手伝いしましょうか?などと尋ねたときに、「No, thanks.(いいえ、結構です)」と返された場合に使えます。
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接客業全般で使える英語表現:会計・お見送り編
ここでは、全般で使える英語として会計からお見送りまでの英語表現を確認しておきましょう。
お支払いはどのようになさいますか
- How would you like to pay?
支払い方法が複数ある場合に使える表現です。
電子マネー決済(QRコード決済)をご利用いただけます
- We accept electronic money.
最近は現金やクレジットカードのほかに、電子マネーが使えるお店が増えています。電子マネーが使えるお店の場合は、お客様に伝えてあげると親切かもしれませんね。
もし電子マネーしか使えない場合は、「We」のあとに「only」とつけるようにしてください。
こちらにサインをお願いします
- Sign here, please.
お会計にクレジットカード決済を使用する場合は、サインを求めることがあります。サインを必須とする飲食店の場合は、覚えておくようにしましょう。
暗証番号をお願いします
- Please enter your PIN code.
クレジットカード決済をするときに暗証番号の入力を求める際に使います。なお、「PIN」とは「personal identification number」の略です。
お釣りとレシートでございます
- Here’s your change and receipt.
お客様にお釣りとレシートを手渡す際に使える表現です。
ご来店ありがとうございました
- Thank you. Have a good day.
- Thank you. Have a good night.
ご来店ありがとうございましたという感謝の気持ちを伝える言葉です。「Have a good ~」のあとは、来店された時間帯に合わせて適宜変更するようにしましょう。
【職種別】外国人のお客様を対応する際に使える接客業英語
接客業といっても、職種によって使う言葉は異なります。そのため、それぞれの仕事に合わせた英語表現を覚えておくことが大切です。
ここでは、ホテル・旅館や飲食店、アパレルなどの職種別に使える英語表現を紹介しますので外国人のお客様に対応する際の参考にしてくださいね。
ホテル・旅館のフロント向けの接客業英語
ホテル・旅館のような宿泊施設では、チェックインする際に予約の確認をしなければなりません。まずは、チェックインをする際に必要な情報を聞き取るための英語を確認しておきましょう。
- Are you checking in?:チェックインでよろしいですか?
- May I have your name?:お名前を教えていただけますでしょうか?
- Your room number is 501 on the fifth floor.:お客様のお部屋は5階の501号室です
- Here is your key.:こちらはお部屋の鍵です
一方、チェックアウトの際は前述した会計時の英語が使えます。そのため、会計以外のやり取りをするためにも以下の英語を覚えておくとよいでしょう。
- Are you checking out?:チェックアウトでよろしいですか?
- May I have the key?:鍵をいただけますか?
- Thank you for staying with us.:当ホテルをご利用いただきありがとうございます
- We look forward to seeing you again.:またのお越しをお待ち申し上げております
以下の記事では、ホテルのフロントで使える接客英語をシチュエーション別に紹介しています。もっと詳しく知りたい場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
飲食店向けの接客業英語
日本の食事を目当てに旅行に訪れる外国人観光客も少なくありません。まずは、飲食店の注文対応時に使える英語表現を確認しておきましょう。
- May I take your order?:ご注文はお決まりですか?
- Is that everything for now?:ご注文は以上でよろしいでしょうか?
- Please let me repeat the order.:ご注文を確認させていただきます
- I’m sorry. We are all out of that.:申し訳ございません。そちらは売り切れてしまいました
飲食店の場合、料理を提供するときにもお客様とやりとりしなければなりません。続いては、料理を提供するときの英語を紹介します。
- Here’s your hamburger.:こちらがご注文のハンバーガーです
- Please enjoy your meal.:ごゆっくりどうぞ
- I apologize for the wait. I’ll bring it right away.:お待たせして申し訳ございません。ご注文のお食事はすぐにお持ちします
以下の記事では、飲食店で使える接客英語を状況別に紹介しています。もっと詳しく知りたい場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
アパレルショップ向けの接客業英語
外国人観光客から高い評価を受けている日本のアパレル。ここでは、アパレルショップで使える英語表現を確認しておきましょう。
- Would you like to try it on?:ご試着なさいますか?
- The fitting room is over there.:試着室はあちらです
- We have it in various colors.:そちらは色違いのご用意もございます
- Let me check.:(在庫などを)確認します
- You look beautiful.:とてもよくお似合いです
ここで紹介したものはあくまで一例ですが、これを覚えておくだけでも外国人のお客様対応に対する不安が軽減するでしょう。
英語に苦手意識を持っている人は多いかもしれませんが、よく使う英語表現から覚え、ボキャブラリーを増やしていくといいかもしれませんね。
基本的な接客業英語を覚えて外国人のお客様をもてなそう
今回は接客業全般で使える英語表現や、職種別の接客業英語を紹介しました。基本的な接客英語だけでも知っておくことで、外国人のお客様の突然の来店にも慌てることなく対応ができるはずです。
特にホテル・旅館といった宿泊施設や飲食店、アパレルショップは外国人のお客様が多く訪れるところでもあるので、上記に該当する仕事に就いている場合は少しずつ接客業英語を覚えてみてはいかがでしょうか。
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