開湯から560年余り、城下町の風情漂うかみのやま温泉。概要や暮らしについて

山形県上山市に位置するかみのやま温泉は、開湯から560年余りの歴史を持つ温泉地です。宿場町や城下町としても栄えた温泉城下町で、江戸時代の建物が残る風情ある街並みや蔵王連峰を望む雄大な自然を満喫することができます。今回の記事では、かみのやま温泉の概要や暮らしについてご紹介します。

かみのやま温泉とは

山形の自然と町

iStock/Sean-Pavone

かみのやま温泉は、庄内地方の湯野浜温泉、福島県の会津東山温泉と並び「奥羽三楽郷」と呼ばれる温泉地です。ここでは、かみのやま温泉の概要や歴史についてご紹介します。

かみのやま温泉の概要とアクセス

山形県上山市に位置するかみのやま温泉は、かつて城下町、宿場町として栄えた温泉城下町です。温泉街には今もなお当時の武家屋敷や蔵などが大切に残されており、街のあちこちに江戸時代の風情が息づいています。南東北エリアの中間に位置する上山市は、四方を蔵王連峰などの雄大な山々に囲まれ、大自然の恵みにあふれた街です。最寄り駅は、新幹線も停車するかみのやま温泉駅で、東京からは約2時間半ほどの距離です。

また、山形駅からかみのやま温泉駅までは、普通列車で12分ほどの距離となっています。南東北観光の拠点として、宮城県や福島県、新潟などへのアクセスも良好な環境です。

かみのやま温泉の歴史と現状

かみのやま温泉は、1458年に発見された歴史ある温泉地です。別名を「鶴脛の湯」とも呼ばれていますが、その由来は、沼地に湧く湯に脛を浸している鶴を旅の僧侶が見かけ、やがて鶴の傷が癒えて飛び去る姿を見かけたという伝説から始まります。温泉街の湯町地区にはその鶴が休んだとされる石があり、かみのやま温泉発祥の地とも言われています。江戸時代には、羽州街道の宿場町、城下町として発展、大正時代には新たに温泉が掘られ、城の周辺に温泉街が広がっていきました。

現在は上山市内の6地区に温泉が点在し、かみのやま温泉発祥の地とされる湯町地区、城下町の面影が漂う新湯地区、閑静な高台に位置し比較的新しい葉山地区などに分かれています。リーズナブルな宿から高級な宿、大小さまざまな個性豊かな旅館やホテルが建ち並ぶほか、公衆浴場は76カ所におよび、地元の人の憩いの場として親しまれています。

また、上山市は豊かな土壌や長い日照時間、昼夜の寒暖差がブドウ栽培に適していることから、近年ではワイン用ブドウの産地としても注目を集めています。

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かみのやま温泉の泉質と温泉街

露天風呂と桶

iStock/Sean-Pavone

赤ちゃんも入浴できる、優しい泉質を持つかみのやま温泉。ここでは、かみのやま温泉の泉質と効能、温泉街周辺の観光スポットについてご紹介します。

かみのやま温泉の泉質について

かみのやま温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉(含石膏ー食塩泉泉)(低張性弱アルカリ性高温泉)です。泉温は66.2℃、湯色は無色透明で微かな鉱物臭と塩味、さらりとした湯ざわりが特徴です。

保温や保湿の効果も高く、メタケイ酸を多く含有していることから、肌に弾力や潤いを与え、美肌の湯とも呼ばれています。慢性消化器病、婦人病、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、関節痛、うちみ、慢性皮膚病、やけどなど、さまざまな症状によいとされています。

参照:上山市観光物産協会公式HP「温泉」

かみのやま温泉の温泉街

かみのやま温泉の温泉地区は全部で6地区に分かれており、趣の異なる2つのエリアに分けることができます。新湯・湯町・十日町地区は、武家屋敷や蔵など城下町や宿場町の面影が残る歴史ある温泉街。葉山・河崎・高松地区は市街地から離れた高台に位置し、蔵王連峰を一望できる新しい温泉街です。科学的根拠に基づくウォーキングコースも整備されており、四季折々に移り変わる自然の中で、散策を楽しむことができます。

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かみのやま温泉の旅館での働き方と暮らし

旅館の空き部屋

iStock/recep-bg

かみのやま温泉の旅館やホテルで働く

かみのやま温泉には大小さまざま、個性豊かな宿が揃っています。こじんまりとした旅館や規模の大きな旅館、ペンションや山荘など、さまざまな宿泊施設がある中で、部門や職種も多岐に渡ります。

旅館の経理事務の募集では、仕入業務における経理事務が主で、入出金の管理、検品業務や在庫チェック、時には館内の簡単な手伝いなどもあるようです。未経験者やUIターン、Wワークも可能で、正社員への登用も行っています。

未経験でも丁寧な指導を行っていることから、働きながらおもてなしの心を学び、スキルアップを目指せるでしょう。平日のみ・土日祝のみの勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方も相談でき、主婦でも働きやすい環境づくりに取り組んでいるようです。

かみのやま温泉の暮らし

かみのやま温泉は”ワインとゆかたが似合う温泉城下町”(上山市観光物産協会公式HPより引用)を謳っているように、近年、ワイン用ブドウの産地としても注目を集めています。仕事で頑張った後は、温泉に浸かりワインを楽しむという生活も素敵ですね。

上山市にはスーパーやコンビニ、ドラッグストア、医療機関も充実していることから、日常生活においても利便性が高く暮らしやすい環境が整っています。

都会と田舎の両方を満喫できるかみのやま温泉で暮らす

山形の川

iStock/thanyarat07

市街地には生活に必要なものがコンパクトに集結し、隣接する山形市にはショッピングモールや映画館もあるなど、暮らしやすい環境が整った上山市。かみのやま温泉駅は新幹線の停車駅であることから、県内外への移動もスムーズです。

庭付きの戸建て住宅で家庭菜園を楽しむ人も多く、採れたての野菜や果物の物々交換も日常の光景です。上山市は気負うことなく、ゆるりとした田舎暮らしが実現できる魅力あふれる街と言えそうです。

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