今、移住がおすすめされる理由とは?
昨今、大都市圏からの移住に注目が集まっていることを、肌で感じる機会が増えました。最も勢いづけた背景にあるのは、2019年の年末から流行が始まった新型コロナウイルスの感染拡大でしょう。
東京圏への一極集中は、以前から国内で問題視されていましたが、20年以上、人口は増え続けています。増加を続ける理由は、これまで大きな有事に見舞われなかったことが原因だったはずです。
しかし、ウイルスの感染拡大を通じ、「未曾有の事態に見舞われれば、都市機能や国の機能が著しく低下する」ということを多くの人が体感しました。同時に、通信技術の発達により「働く場所に縛られる必要はないのでは?」と考える方が増えたことから、移住に注目が集まっているのです。
国からの移住支援が手厚い今、あらゆるリスクを最小限に抑えるためにも、地方移住を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。次項からは、全国10地方の魅力と、移住のポイントをご紹介します。
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北海道地方は雪・人柄重視の移住者におすすめ!
北海道は、その広大な土地から、農業・漁業・酪農などの1次産業が盛んなエリアです。観光地としても不動の人気を誇る北海道の魅力や、移住のポイントをご紹介します。
北海道地方の魅力
北海道地方の最大の魅力は、道内であらゆる物事が完結できることです。県庁所在地の札幌市は、人口200万人弱の大都市であり、買い物や仕事で不便を感じることはそうないでしょう。
人口が少ない地域では、今でも充分に田舎暮らしができます。もしかすると、自給自足のような生活を送ることもできるかもしれません。
また、北海道にはおおらかな性格の方が非常に多く、移住者にも優しい地域が多いという口コミも多数見受けられました。進学や転勤などで北海道に足を踏み入れ、そのまま移り住むことを決める方も、少なくないようですよ。
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移住支援の特徴や移住のポイントは?
北海道は、180近い自治体があるため、移住支援はエリアによって千差万別。気候や交通網、地域の主要産業を見ながら、まずは「道央」「道南」「道北」「道東」、どのエリアが自分に合うのかを、押さえておくのが移住の第一歩です。
また、北海道への移住と切っても切れないのは降雪です。雪が少ない地域でも、気温はマイナスまで下がります。住宅の地域区分はほとんどの地域で1~2区分なので、家の中は暖かいはずですが、外気との気温差には注意が必要です。
そして、若いうちは良いかもしれませんが、年を重ねてからの雪かきや、冬道運転は体力を使うものです。長い目で、雪との付き合い方を考えておきましょう。
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東北地方は自然・起業重視の移住者におすすめ!
青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の6県からなる東北地方もまた、1つの県の面積が広いという特徴があります。手つかずの自然が多く残る、東北地方の魅力や、移住のポイントをみていきましょう。
東北地方の魅力
東北地方の魅力は、住宅の取得がしやすいことです。地価は、東北最大都市・仙台を有する宮城県であっても全国平均を下回ります。空き家バンクを覗けば、土地付・内装リフォーム済で100万円以下という物件も決して珍しくありません。
北海道同様、1次産業従事者も多く、新鮮な野菜や海産物を安価に手に入れられるのも大きな魅力と言えるでしょう。根がまじめな方が多いエリアですので、交流が深まれば、親以上に気に掛けてくれる方もいるようですよ。
▼失敗しない移住先を決める方法についてはこちら
移住支援の特徴や移住のポイントは?
東北地方の移住支援は、子育てと起業に対して手厚い印象があります。過疎化は、年々加速を続けていることもあり、若い世代が過ごしやすい環境がある、ということを発信している自治体が多く見受けられました。
移住のポイントは、自然との付き合い方です。良くも悪くも「何もない」ことが魅力ですので、自然の中で不自由を楽しむ技量があれば、きっと楽しく暮らしていけることでしょう。
▼地方の宿泊施設で働くためのポイントはこちら
関東地方は利便性重視の移住者におすすめ!
日本の中心・関東地方での移住は、東京圏から北関東への移住を検討する方が多いようです。東京・神奈川・埼玉・千葉の東京圏を除いた北関東を中心に、魅力と移住のポイントをご紹介します。
関東地方の魅力
関東地方の魅力は、何と言っても利便性の高さでしょう。群馬・茨城・栃木、どの県であっても最速1時間程度で東京まで辿り着くことができます。これなら、家を北関東に構え、東京圏で働くという選択もできますよね。
また、一都三県内でも移住することで支援金を受け取ることができる地域もあります。東京圏で働き続ける選択を、より現実的に考えることができるのではないでしょうか。
▼移住に必要な準備期間・補助金についてはこちら
移住支援の特徴や移住のポイントは?
北関東の移住支援の特徴として見られるのは、イベントを積極的に開催しているということです。実際に足を運ぶツアー形式のものから、WEBでのオンライン説明会など、情報の発信量が多い自治体が目立ちます。
また、都内への勤務にかかる新幹線代に補助を出している自治体もあるようです。北関東は、都会と田舎のいいとこどりをしたいという方に打って付けのエリアと言えるでしょう。東京圏外の一都三県の情報がまとめられている下記記事も、ぜひチェックしてみてください。
北陸・甲信越地方はほど良い田舎希望の移住者におすすめ!
北陸・甲信越地方もまた、北関東同様、首都圏からの移住を検討する方が多いエリアです。ほど良い田舎暮らしの夢が叶う、北陸・甲信越地方の魅力や移住のポイントをご紹介します。
北陸・甲信越地方の魅力
北陸・甲信越地方は、新潟県・石川県・福井県・富山県・長野県・山梨県の6県からなっているエリアですが、最大の魅力は自然と機能性のバランスが良いことです。
複数の県・市町村が、移住したい県ランキングや移住したいまちに選出されるほど、人気の高いエリアとなっています。
住みやすいと言われるのは、関東・関西・東海のどこに行くにもアクセスが良いことと、ほど良い田舎暮らしができるというのが主な理由でしょう。街の文化や食の魅力も強いため、国内で最も人気なエリアと言っても過言ではありません。
▼自治体の移住支援制度についてはこちら
移住支援の特徴や移住のポイントは?
北陸・甲信越は、県全体で移住・定住に関する支援を行っている印象が強いエリアです。
石川県には、引っ越し費用の補助などが受けられる「いしかわ移住パスポート制度」、富山県には子育て世帯のための「とやまっ子 子育て応援券」や単身利用も可能な「移住応援団優待カード」、長野県には複数の特典が受けられる「楽園信州ファミリー」などがあります。
移住・定住に関する支援は、市町村単位で設定されることが多いものですが、県内で共通する支援があればより一層、その県への移住ハードルが下がりますよね。気になる方は、ぜひ活用してみましょう。
▼地方で子育てをするメリット・デメリットについてはこちら
東海地方は住みやすさ重視の移住者におすすめ!
人口約230万人を誇る愛知県・名古屋市を中心として、人が集まり、観光地としての魅力も多い東海地方。愛知県・静岡県・岐阜県・三重県からなる東海地方の魅力や、移住のポイントをご紹介します。
東海地方の魅力
東海地方の魅力は、関東地方や関西地方との二拠点居住が可能ということでしょう。名古屋から東京までは新幹線で1時間半強、新大阪までは1時間もかかりません。居住地以上の都会に出やすい、というのは大きな魅力と言えるのではないでしょうか。
また、魅力的な観光地が多いのも特徴です。日本を代表する富士山、全国から参拝者が訪れる伊勢の神宮、世界遺産である白川郷などは、誰しも1度は耳にしたことのある観光地ですよね。日本の名所巡りの拠点としても、東海地方はちょうど良いのかもしれません。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
東海地方では、移住体験ができる自治体が多いようです。体験住宅をはじめ、移住先の下見にかかる宿泊費の補助をしてくれる自治体もありますので、移住体験のハードルは低いでしょう。
移住を検討するうえで気を付けなければならないのは、仕事です。愛知であれば大抵の仕事は見つかるはずですが、静岡・岐阜・三重では、1次産業によって成り立っている地域が多数存在しますので、仕事探しに苦労をするかもしれません。
しかし、言い換えれば農業や漁業は支援も手厚いため、就業は比較的しやすいと言えるでしょう。観光業に目を向けてみるのも良いかもしれませんね。
関西地方はまちの個性を重視する移住者におすすめ!
西の都・関西地方は、大阪府・滋賀県・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県の6府県からなるエリアです。近畿地方とも呼ばれます。日本の半数以上の文化財があるとされる、歴史深い関西地方の魅力や移住のポイントをみていきましょう。
関西地方の魅力
関西地方の魅力として挙げたいのは、都市機能が発達していることのほか、府県や市区町村などのまちの個性がハッキリしているということ。昔の街並みが残っている、自然・湖・港がある、などがその例です。
また関西圏では、県民性の違いがたびたび話題にあがりますよね。府県をまたぐ度に異なる魅力に出会うことができるのも、関西地方の大きな魅力と言えるのではないでしょうか。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
関西地方であっても、地元を離れる方は少なくありません。そのため、Uターン支援を手厚くしている自治体も目立ちます。
また、起業支援を手厚く行っている自治体も少なくありません。活気のある関西エリアで、まちを盛り上げる主力になる、という選択もできるのです。値下げ交渉の文化が根付くまちで商売を成功させることができれば、きっと大きな自信に繋がることでしょう。
関西・近畿地方について、より詳しく知りたいという方は、下記の記事をぜひチェックしてみてください。
中国地方は過ごしやすさ重視の移住者におすすめ!
中国地方は、広島県・鳥取県・島根県・岡山県・山口県の5県からなるエリアです。温暖で過ごしやすい気候から、移住検討者も多い中国地方。移住検討者は、どんな魅力に惹かれることが多いのでしょうか。移住のポイントとあわせてみていきましょう。
中国地方の魅力
中国地方の魅力は、気候をとっても住民との接し方をとっても、穏やかに過ごすことができることでしょう。全ての県が海に面していること、また河川が多いことから、ゆらりと揺らぐ水面を見つめる日常も夢ではありません。
仕事面では、製造業・ソフトウェア産業・流通業など、多くの分野で有力企業が活躍していますので仕事探しもそこまで苦労はないでしょう。中でも、製造業が強いようですので、ものづくりの拠点で働きたいという方には中国地方がおすすめです。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
中国地方は、本州の中でも移住者からの注目が集まりやすいエリアです。そのため、受け入れに積極的な自治体が多く、オンラインツアーなどを見る機会も少なくないでしょう。
広島県・鳥取県・島根県・岡山県・山口県、全ての県で独自の移住・定住に関するWEBサイトを持ち、情報発信が行われているようですので、気になる方は下記記事を参考にリンク先に訪問してみてはいかがでしょうか。
四国地方は海・穏やかさ重視の移住者におすすめ!
徳島県・香川県・高知県・愛媛県からなる四国地方は、まさにスローライフの夢が叶うであろうエリアです。四国地方の魅力や、移住のポイントをみていきましょう。
四国地方の魅力
四国地方の最大の魅力は、自然が織りなす絶景と、穏やかな気候です。他のエリアと比較すれば、決してアクセスは良いとは言えないものの、それを凌駕する魅力がたくさんあります。
マリンスポーツ・アート・伝統文化のほか、農業や漁業にチャレンジできる環境も整っていますので、「心機一転、新しいことに挑戦したい!」という移住者も少なくないよう。自分の魅力を見つめ直すことができる、そんな環境が多い地方なのかもしれませんね。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
四国地方は、立地の兼ね合いもあり「移住体験ツアー」を実施する自治体が多く見受けられました。また、一方的に魅力を伝えるだけのツアーではなく、移住検討者の要望に沿った「オーダーメイドツアー」を組んでくれる自治体や団体もあります。
オーダーメイドツアーなら、瀬戸内海沿いの大阪・兵庫・広島・岡山などとの二拠点居住や、全く異なるエリアからの移住検討もできそうです。その他の四国地方の魅力や、具体的な移住支援制度については、下記記事からご覧ください。
九州地方は温暖な気候で過ごしたい移住者におすすめ!
国内では「南の国」というイメージも強い九州地方。福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県の7県からなる九州地方の魅力や、移住のポイントをご紹介します。
九州地方の魅力
九州地方は、温暖な気候が魅力のエリアです。雪はほとんどないに等しく、降ればスマホで撮影をする方が後を絶たないというほど。ただし、福岡と大阪・東京の北緯は1度~2度しか変わりませんので、沖縄のような南国は期待しないよう、注意してくださいね。
九州地方には、明るく前向きな性格の方が多いようですので、移住後に何かの壁にぶつかったとしても、「どうにかなる!」と背中を押してくれることでしょう。
また、本州へ行くのと近い感覚で、アジア圏へ往来しやすいのも大きな魅力です。大自然や温泉、海の幸も手軽に楽しめます。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
九州地方では、移住者の受け入れに積極的な地域が多いようです。
特に、観光を機に「移住したくなった!」と感じる方も多いようで、このような方々との繋がりを大切にする仕組み・仕掛けが目立ちます。「ながさき移住倶楽部」「サガスマイルカード」などは、その例です。
どの県も、有名な観光名所や全国的にも名の知れた名産・特産がありますので、観光がてら、移住の下見をしてみるのも良いかもしれませんね。
沖縄地方は島暮らしに憧れる移住者におすすめ!
青い海、白い砂浜。うちなーライフを楽しみたいと、移住先に沖縄地方を選ぶ方は少なくありません。沖縄県へ移住する魅力や、移住のポイントをおさえておきましょう。
沖縄地方の魅力
沖縄地方の魅力は、なんと言っても南国気分を味わえることでしょう。亜熱帯気候のため、雨や台風が多いというデメリットはありますが、夏が長く、1年の中で冬を意識する日はほとんどありません。
また、独自の文化も大きな魅力。沖縄で培われる言葉や性格は、他県では類を見ないものですよね。笑顔が多く、おおらかでゆったりとした方が多い沖縄に移住すれば、きっと都会の喧騒など忘れてしまうことでしょう。
移住支援の特徴や移住のポイントは?
沖縄県全体の移住支援は、他のエリアと比較すれば決して手厚いとは言えません。沖縄には、50ほどの有人島と、100を超える無人島があるので、県全体で同じような移住支援を行うのは難しいのかもしれませんね。
よって、沖縄県に移住したいと考えるのであれば、自らの手や足で情報収集をする必要があります。13の空港・41の市町村のある沖縄の中で、自分にぴったりの地域を見つけるのは骨の折れる作業。しかし、それもまた楽しいと感じられることでしょう。
特に、石垣島や宮古島などの人気の高い離島は、住みたい家や土地がない場合もあるので、前向きに移住を検討している方は、早めに担当者へ相談しておきましょう。
▼移住先で車なしでも生活できる?地方の特徴についてはこちら
自分にぴったりの移住先を見つけよう!
北は北海道から南は沖縄まで、日本にはエリアごとにさまざまな特性があります。隣の都道府県であっても、全く別の文化が根付いているというのは面白いことですよね。
最も効率的に移住先を決定するには、自分のイメージにあったエリアから、気になるいくつかの市区町村をピックアップするのがおすすめです。
ただ、なんとなく合わなそうなイメージのある地域でも、いざ訪れてみたら「人の相性がぴったりだった!」と感じ、移住を決める方も少なくないそう。「遠すぎる……」「田舎すぎるかも……」などとネガティブに捉えず、ぜひ楽しんで移住先を検討してみてくださいね。
そして、移住先で悠々自適な生活を送るために、最低限必要となるのは生活費・仕事です。知らない土地への移住ですから、わからないことも多いはず。
もし、移住先でのお仕事探しにお悩みの方の中に、宿泊業界のお仕事に興味のある方は、当サイト「おもてなしHR」へご相談ください。