マスツーリズムとはどのような旅行?特徴や観光業界の変化を解説

観光バス

人気が下火になったマスツーリズム。今はニューツーリズムが旅行のスタイルとして中心ですが、マスツーリズムとはどのような旅行なのでしょうか。

この記事ではマスツーリズムに見られた特徴や、ニューツーリズムの台頭による観光業界の変化について解説します。今後の観光業を考えるための参考に役立ててくださいね。

マスツーリズムとはどのような旅行?

マスツーリズムとは、1960年代の高度経済成長期から定着した大衆向けの団体旅行のことを指します。

かつては、旅行会社が企画したパッケージツアーを利用し、大型バスで有名な観光地や名所旧跡を効率よく巡るスタイルが主流でした。

誰でも手軽に安価で旅行を楽しめるようになった一方で、行き先が固定されやすく、誰もが同じような景色を見て同じようなお土産を買うという、いわば画一的な旅であったのが特徴です。

対して近年注目されているニューツーリズムは、個人の趣味や嗜好に深く寄り添った旅のスタイルです。

たとえば「地域の農業を体験する」「映画のロケ地を巡る」といった、その人ならではの目的や体験が重視されます。

有名観光地を駆け足で回るかつての旅から、自分だけの価値や体験を見出すこだわりの旅へと、人々の関心は大きく変化しています。

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マスツーリズムの特徴4選

ハワイ

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マスツーリズムの全盛期には、現代のパーソナライズされた旅とは対極にある独特の文化がありました。これまでに挙げた特徴と重ならない視点から、さらに詳しく見ていきましょう。

集団・団体での旅行

「マス(Mass)」という言葉が示す通り、大勢の人がまとまって行動するのがこのスタイルの基本です。

社員旅行や修学旅行、町内会の親睦旅行のほか、旅行会社が企画する旗持ちガイド付きのパッケージツアーがその代表格でした。

個人で手配する手間が省け、誰もが手軽に団体割引の恩恵を受けながら遠くへ出かけられた時代を象徴しています。

行き先は「定番のスポット」

誰もが知る有名な場所を訪れることが、旅の最大の目的でした。

テレビや雑誌で繰り返し特集されるハワイやバリ、グアムといった南国のリゾート地へ行くことは、当時の人々にとって一種のステータスでもありました。

また国内では、アクセスの良い大規模な温泉地が社員旅行の定番となり、大型ホテルが建ち並ぶにぎやかな光景が各地で見られたのもこの時代ならではの特徴です。

「本物らしさ」の演出

当時の観光では、ありのままの日常よりも観光客が期待するイメージが優先される傾向にありました。

たとえば、南国の島で地元の人が観光客が喜ぶ伝統衣装を身にまとい、ショーとしてアレンジされた踊りを披露するなど、あらかじめ作られた本物っぽい世界観を楽しむことが主流でした。

地域の実態よりも、非日常的な演出がエンターテインメントとして歓迎されていたのです。

批判の的になることも

急速に市場が拡大した一方で、さまざまな課題も浮き彫りになりました。

「名所を駆け足で巡るだけで、地域の本質に触れていない」といった精神的な批判から、観光地の過度な商業化、さらには大人数で行動することによるマナー低下などが問題視されました。

また、大規模なリゾート開発に伴う自然破壊が深刻化し、環境保護の観点から開発反対運動が巻き起こったことも、後のサステナブルな旅へとつながる重要な転換点となりました。

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マスツーリズムブームの終了は観光業をどう変化させたのか

小さなカフェ

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バブル崩壊後の価値観の変化や環境意識の高まりは、観光業界の勢力図を大きく塗り替えました。かつての「団体・大量消費」から「個人・質の追求」へと移り変わったことで生じた、具体的な影響を見ていきましょう。

大型施設の閉鎖や倒産

マスツーリズムの終焉とともに、かつて数千人の宿泊を支えた巨大な観光ホテルや温泉旅館の閉鎖・倒産が相次ぎました。

社員旅行などの団体客に特化していた施設は、変化するニーズに対応しきれず、維持コストの重荷に耐えられなくなったためです。

今もなお、各地の温泉街には取り壊しが進まず廃墟化した大規模施設が点在しており、当時の活況と現代のギャップを象徴する光景となっています。

小規模施設の増加とニーズの純粋化

大規模施設が姿を消す一方で、ターゲットを絞った小規模な施設が続々と誕生しています。

大人数での至れり尽くせりなサービスよりも、現代の旅行者は商品・サービスの質の高さや自分たちのペースを重視するようになりました。

宿泊に関しても、豪華さより安全で快適な睡眠のみを追求したシンプルな特化型ホテルが増えるなど、目的が明確で無駄のない宿への需要が高まっています。

施設・サービスの多様化とパーソナライズ

ニューツーリズムの浸透は、観光施設やサービスのあり方を多様なものへと変貌させました。

特定の趣味に特化したデザインの客室や、その地域でしかできない独自の体験プログラム、さらには一品料理を極めた飲食店など、「ここでしか味わえない価値」を提供する施設が人気を集めています。

一人ひとりの細かいリクエストに寄り添う、高い柔軟性と丁寧な対応力が、現代の観光業において最も重要な競争力となっています。

マスツーリズムを見直して変化する旅のスタイルに備えよう!

旅行のスタイルは時代とともに変化し続けています。

時代の波を読み解き、ニーズに即した新しいおもてなしを柔軟に発想できる人にとって、これからの観光業はより一層やりがいのある場所になるはずです。

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