転職前の保険証は返却するもの
転職が決まったら、退職手続きも同時に進めなければなりません。その中の1つにあるのが、保険証の返却です。
在職中に使用していた保険証は、退職すると使用できなくなります。
転職後は、転職先の健康保険に加入することが一般的。転職先で新しい保険証を受け取るには、保険証の切り替え手続きをする必要があります。
そのためには、これまで使用していた保険証は退職と同時に返却しなければなりません。
もう使用することはないからといって、保管し続けたり、破棄したりしてはいけません。保険証は、健康保険に加入していることを証明する「証明書」としての役割を持つものですので、正しく管理するようにしましょう。
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転職前の保険証はなぜ返却するの?
転職前の保険証は、なぜ返却しなければならないのでしょうか。返却せずに使用し続けることができるのか、企業に課せられている保険証の返却義務についてご紹介します。
転職前の保険証:使用し続けることはできる?
保険証があれば、医療機関の受診があった場合の自己負担は原則3割。保険証を提示することで健康保険の加入が証明されるため、保険証がない場合には、全額自己負担です。
保険証には、その保険証が有効かどうか判断できるものの記載はありません。そのため、保険証を提示すれば自動的に保険診療を受けることができます。
だからと言って、返却せずに保険証を使用し続けることはできません
健康保険の加入資格は、退職日翌日に失効するため、転職前の保険証は、退職日の翌日から使用できなくなります。
資格が失効している状態ですので、証明書としての役割は持っておらず、万が一使用し続けた場合には、後日、自己負担分を除いた金額を返還しなければなりません。
転職先への入社までに空白期間がある場合や、手元に新しい保険証がない場合の対処方法については下記の記事でご紹介していますので、参考にしてくださいね。
転職前の保険証:返却義務は退職者だけ?
保険証の返却義務は、退職者に対してだけ言われることではありません。
会社にも、退職者から受け取った保険証を、加入する健康保険組合やけんぽ協会などに返却する義務が課せられています。
退職者から保険証を返却された会社は、事業所の所在地を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格失効届」を提出しなければなりません。その際には、退職者から返却された保険証の添付が必要で、それらの提出期限は退職日から5日以内となっています。
健康保険証の返却手続きのスケジュールは非常にタイトです。そのため、退職者は速やかに保険証を返却しましょう。
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転職前の保険証の返却方法
退職日に返却する保険証。返却方法についてご紹介します。
保険証の返却はいつまで?
退職日の翌日から資格が失効することや会社にも返却義務があることを考えると、保険証は退職日当日に返却するべきです。手違いが起こらないよう、退職者本人が、上長や担当者に手渡しするようにしましょう。
扶養家族がいる場合には、家族の保険証もまとめて返却します。単身赴任であったり、家族が一時的に離れて暮らしているようなことがあったりする場合には、早めに回収するようにしましょう。
当日に保険証の返却ができない場合は?
本来であれば、退職日に返却すべき保険証。退職のあいさつとともに、手渡しで返却するのが確実です。
しかし、持って行くのを忘れてしまったり、有休消化中などで会社に足を運べないということもあるかもしれません。中には、退職日当日に通院が必要なケースもあるでしょう。
そのような場合には、事前に担当者に相談しておくことです。当日に返却できなければ、後日郵送で対応してくれることもあるようです。
保険証は個人の証明書としても使えるものです。郵送する場合は普通郵便ではなく、書留などの確実に届く方法を選択してくださいね。
当日会社に行けないからといって、勝手に郵送することのないよう注意しましょう。
退職者から返却されなければ、会社の返却手続きも遅れてしまいます。もう辞めるからと言って、退職手続きをおざなりにしてしまっては、お世話になった会社に迷惑をかけてしまいます。
飛ぶ鳥跡を濁さず。退職後を気持ちよく過ごせるよう、最後まで気を抜かないようにしてくださいね。
転職前の保険証は速やかに返却しよう!
転職が決まったら、保険証の返却などの退職手続きについても、正しく理解しておかなければなりません。お世話になった会社ですから、スムーズな手続きで円満退社につなげましょう。
退職手続きについて不安がある場合は、転職エージェントの活用もおすすめです。宿泊業界への転職をご検討の方は「おもてなしHR」にご相談くださいね。