転職の軸の作り方がわからない……
転職の軸が定まらないことに悩む求職者は、少なくありません。まずは、「転職の軸」がどういうものなのかを理解するところから始めましょう。
「転職の軸」とは?
転職の軸は、「転職活動の方向性」や「企業選びの軸」を意味する言葉です。転職を複数回経験している方であれば、「仕事に対する価値観の一貫性」を転職の軸と表現することもあるでしょう。
転職の軸は広く知られている言葉ですが、明確な定義はありません。よって、転職の軸を決める際は自分であらかじめ定義を決めておくようにしましょう。
転職の軸がないと転職に失敗する?
人によって定義が異なるとご紹介した転職の軸ですが、企業と自分自身の接点であることは全ての求職者に共通するはずですよね。
そんな転職の軸を持っていなければ、転職活動に迷いが生まれます。迷いや考えの浅さを採用担当者に見抜かれれば、転職活動の難航は避けられません。また、入社してから「こんな会社だと思わなかった……」という後悔に繋がる恐れもあります。
しかし言い換えれば、転職の軸さえ定められれば転職の成功確率は高くなるということ。ブレない転職の軸を定めてから、転職活動に臨むのが得策です。
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転職の軸の作り方:4つのステップ
では、転職の軸はどのように作れば良いのでしょうか。本記事では転職の軸を「自分に合う企業選びの軸」と定義し、作り方を下記4つのステップに分けてご紹介します。
- ・ステップ[1]:転職したい理由を整理する
- ・ステップ[2]:自己分析を行う
- ・ステップ[3]:具体的な理想を思い描く
- ・ステップ[4]:企業選びの優先順位をつける
現在30歳、新卒入社後3年て転職し、現在も営業職を続けている転職希望者を例にご紹介します。
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転職の軸の作り方[1]:転職したい理由を整理する
まずは、今転職したいと思う理由を書き出してみましょう。すでに退職した方であれば、退職を決めた理由を書き出します。下記は、退職したい理由を書き出した例です。
- <例1:転職したい理由の整理>
- ・サービス残業が常態化している
- ・給料が低い
- ・昇給できない
一通り書き出すことができたら、その原因が内的要因なのか、外的要因なのかをひとつずつ整理していきます。
- <例2:転職理由と要因の整理>
- ・サービス残業が常態化している
- →(外的要因)定時に勤怠を切るよう上司に促される
- ・給料が低い
- →(内的要因)インセンティブが発生する営業成績に達していない
- →(外的要因)給与ベースは昇給に比例して上がる
- ・昇給できない
- →(外的要因)35歳までは昇給できない制度がある
在職中の方は、内的要因・外的要因を整理することで、悩みや不安を改善する行動が見えてくる場合があります。内的要因が多ければ、行動を起こしてから転職を検討し直しても良いかもしれません。
転職の軸の作り方[2]:自己分析を行う
退職したい理由の整理ができた後は、改めて自己分析を行います。自己分析は、4つのフェーズに分けて考えるのがおすすめです。上から順番に、自己分析を進めてみましょう。
過去の業務内容を整理する
これまで行った全ての業務内容を書き出してみましょう。できるだけ詳細まで書き起こすのがおすすめです。転職経験があれば、前職で行っていた業務も全て書き出してみてください。
スキルの棚卸しを行う
業務内容が整理できたら、業務で身に付いたスキルや業務を通じて得られた経験を書き出します。下記は、業務内容とスキル・経験をあわせて書き出した例です。
- <例3:業務内容とスキル・経験の棚卸し>
- ・新規営業(テレアポ/スケジュール管理/飛び込み訪問)
- ・既存ルート営業(売上拡大の提案/グループ会社の紹介取り付け)
- ・営業資料作成(PowerPoint)
- ・売上管理表のマクロ化(Excel)
- ・商品改善要望の吸い上げと社内共有
- ・新商品開発の助言
- ・後輩の指導(数字管理/定例ミーティングの設定/営業ノウハウの蓄積)
頭の中で整理するよりも、言語化した方が整理はスムーズに進むはずです。プライベートで日記を書いていたり、業務日報を提出していたりしたという経験がある方は、そこから記憶を思い起こしてみるのも良いかもしれません。
得意・不得意分野をまとめる
業務内容と身に付いたスキルや経験を<例3>のように書き出した後は、それぞれの仕事内容を得意分野・不得意分野に分類しましょう。
なお、判断軸はあくまで外からの評価です。自分自身の思うところではなく、第三者視点で得意・不得意と考えられていたことに分けましょう。
やりたい・やりたくない仕事をまとめる
自分自身がその仕事をしていて楽しかったかどうか、という判断軸も非常に重要です。よって、得意分野・不得意分野を分けた時と同じ容量で、<例3>の仕事内容をやりたい・やりたくないという自分軸で分けてみましょう。
今後も続けていきたい仕事なのか、もう絶対にやりたくない仕事なのかを分けておけば、転職の軸を定める際に捗ります。ここまで整理できれば、過去から現在までの自分が客観的に見えてくるはずですよ。
転職の軸の作り方[3]:具体的な理想を思い描く
自己分析を終えた後は、今後どうなっていたいかという未来を思い描きます。転職の軸を確固たるものにするためにも、できるだけ具体的に考えてみましょう。
下記は、理想のキャリアプランの良い例と悪い例です。
- <例4:良いキャリアプランの例>
- 有形商品を扱う営業職として、35歳までに課長以上のポジションにつくことができる企業で働く。年収は5年後までに+50万円が理想。平日勤務、土日は隔週休みでも休日手当・残業代がきちんと支払われれば問題なし。
- <例5:悪いキャリアプランの例>
- 営業職で、35歳までに昇給する。年収は今と同程度か、もう少し多いのが理想。
「こうなっていれば良いな」というよりも、「こうなる!」と言い切れる形を目指すのが、良いキャリアプランを作るコツです。具体的に考えることができれば、転職の軸のブレもより小さくなるはずですよ。
転職の軸の作り方[4]:企業選びの優先順位をつける
自分のことについての考えがまとまったら、転職先の条件と重ね合わせを行いましょう。下記は、企業選びの4つの軸です。
- <例6:企業選びの4つの軸>
- 【A】会社:企業の考え方/向かう方向性への共感
- 【B】仕事:携わる仕事/事業規模
- 【C】環境:職場の雰囲気/優秀な社員のいる環境
- 【D】待遇:給与/福利厚生/評価制度/労働時間
上記の4つの軸と、自身のキャリアプランを重ねながら企業選びの軸を決めていきます。企業選びの軸と、キャリアプランの優先順位を重ねた下記の例をみてみましょう。
- <例7:企業選びの優先順位の例>
- No1:営業職【B】
- No2:35歳までに課長以上のポジションにつくことができる【D】
- No3:休日手当・残業代がきちんと支払われる【D】
- No4:年収は5年後までに+50万円【D】
- No5:商材が有形商品【B】
この例の人物であれば、企業選びは【B】と【D】が主軸になることが見えたはずです。このように、ひとつずつステップを踏めば転職の軸を定めることは難しくありません。ぜひ自分自身に向き合い、ブレない転職の軸を作り上げてみてくださいね。
転職軸の作り方を押さえて転職を成功させよう!
転職の軸の作り方は、下記の4つのステップに分けることができます。
- ・ステップ[1]:転職したい理由を整理する
- ・ステップ[2]:自己分析を行う
- ・ステップ[3]:具体的な理想を思い描く
- ・ステップ[4]:企業選びの優先順位をつける
過去・現在・未来の自分を考えれば、ハッキリとした軸が見えてくることでしょう。軸が定まっていれば転職活動を迷いなく進めることができますので、しっかりと時間をかけ、将来設計を行ってみてはいかがでしょうか。
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