中国の旧正月・春節は中華圏からのインバウンド客が増える

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毎年1月下旬から2月上旬ごろになると、中華圏の春節のことがニュースになりますね。春節とは旧正月のことす。日本のカレンダーの旧正月とほぼ同じ日が春節です。
中華圏では太陽暦の正月である1月1日よりも、春節が重要視されるのです。大晦日にあたる春節の前日から、1週間の休みが設けられ各地で盛大なお祝いが行われます。
自国内で家族団らんの伝統的な春節を楽しむ人も多いですが、長い休みを利用して海外旅行に出掛ける人も居ます。
春節旅行で日本を訪れる人も大勢居ます。中国の法律が変わり、関税が引き上げられたことで爆買いは沈下しました。しかしながら、中華圏からの距離が近く、治安が良い日本は依然として人気の旅行先です。
また、家族で過ごすことを重要視するシーズンのため、特に家族連れの中華圏インバウンド客が増加します。
爆買いに取って代わり、今のトレンドは体験型の旅行です。春節シーズンに中華圏からのインバウンド客は、家族揃ってウィンタースポーツや、温泉などを楽しみにやってきます。
日本側でも、さらに中華圏からのインバウンド客を呼び込むため、観光地や歓楽街に春節祝いの飾けが施されることが増えています。
春節旅行のインバウンド客を狙うには

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春節は中華圏からのインバウンド客が増加し、インバウンド消費に強い影響を与えます。日本国内の消費が落ち込んでいる今、春節は観光業・宿泊業にとって大きなチャンスです。
この時期、中華圏からのインバウンド客を獲得するには、春節のお祝いムードを出すことが有効です。春節にまつわる伝説や、習慣について正しい知識を持ち、中華圏の文化を尊重したおもてなしをしましょう。
ただし、わざわざ日本に来ている中華圏のみなさんは、「訪日旅行」を体験しに来ていることを忘れてはなりません。日本に居るのか中国に居るのかわからなくなるような「やりすぎ」は禁物です。あくまでも「熱烈歓迎」の気持ちを示す程度の演出が丁度よいのではないでしょうか。
それでは具体的にどんな春節の演出ができるか考えていきましょう。
春節に合わせた飾りつけ
春節のイメージカラーは「赤」です。赤は中華圏の人々にとって大変縁起の良い色であるとともに、春節の伝説に深く関わりのある色なのです。赤い色と炎が燃えるパチパチという音が、村人を襲う「年」と呼ばれる猛獣を追い払ったという言い伝えがあります。
それにちなんで、春節には赤い色の飾り物がふんだんに使われます。赤い提灯や切り絵、「春聯(しゅんれん)」と呼ばれる掛け軸のような飾りは非常にポピュラーです。
また、赤いひし形の中に「福」や「寿」というおめでたい漢字を書いた飾りも用いられます。「福」については上下逆さまに貼ることもあります。逆さまに貼ることで「福がすでにやってきた」という意味になるのです。
こうした春節の伝統的な飾りを、施設のアクセントに取り入れてみてはいかがでしょうか。
春節を祝う料理を提供
春節を祝う料理の提供も、中華圏からのインバウンド客に喜ばれます。春節の定番料理は、以下のようなメニューです。
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- 魚料理:大晦日に欠かせないのは魚料理です。魚は中国語での発音が「余」と同一であることから次の年も豊かに過ごせることを願って食べます。大晦日に食べる魚はテーブルに並べる向きが非常に重要で、目上の人に頭を向けると敬意の印になります。
また、文人にお腹を向けると「頭がよく良い文を書くあなたを称えます」という意味に、武将に脊椎を向けると「威風堂々として大胆、肝っ玉が大きい」と称える意味になります。
そして魚料理は一度テーブルに並べたら向きを変えることはNGです。春節の魚料理を提供するときは、向きに気を付けて並べましょう。
- 魚料理:大晦日に欠かせないのは魚料理です。魚は中国語での発音が「余」と同一であることから次の年も豊かに過ごせることを願って食べます。大晦日に食べる魚はテーブルに並べる向きが非常に重要で、目上の人に頭を向けると敬意の印になります。
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- 鶏肉料理:鶏は中国語で発音が「吉」と同一です。魚料理と同様に、おめでたい響きのため春節に食べられています。「白切鶏」と呼ばれる蒸し煮や、お腹に詰め物をしてオーブンで焼き上げる「富貴鶏」が、春節には好まれます。
また、上海では鴨肉を醤油で煮た料理もお祝いの席には欠かせない料理です。日本ではあまりなじみの無い調理方法ですが、どれも美味しそうですね。中華圏からのインバウンド客のみならず、日本人のお客様も食べてみたいと思う人が多いのではないでしょうか。
- 鶏肉料理:鶏は中国語で発音が「吉」と同一です。魚料理と同様に、おめでたい響きのため春節に食べられています。「白切鶏」と呼ばれる蒸し煮や、お腹に詰め物をしてオーブンで焼き上げる「富貴鶏」が、春節には好まれます。
- 餃子:餃子も春節の定番料理です。形が昔中国で使われていたお金に似ていることから、財運を呼ぶ縁起の良い食べ物とされているのです。大晦日に家族で手作りされることが多く、具の中にピーナッツや栗、硬貨などを忍ばせるのが伝統的です。
食べた餃子に何が入っていたかによって、その年にどんな運に恵まれるかを占うのです。ただの餃子ではなく、このような春節祝いの餃子は中華圏からのインバウンド客に喜ばれます。
ただし、不意打ちでナッツが入ることになるのでアレルギーの注意喚起は徹底しましょう。
2020年の春節はインバウンド客が激減

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中国の大手旅行会社の調査によると、2020年の春節休暇の海外旅行で、最も人気のある国は日本でした。しかし、ちょうど春節の時期に新型コロナウィルスが大流行し、中華圏からのインバウンド客が激減してしまったのです。
これによって春節期間に入っていたツアーの予約が相次いでキャンセルになり、日本の観光業も大打撃を受けました。
インバウンド政策が始まって以来、日本の観光業界・宿泊業界は海外からの旅行者、とりわけ中華圏内からの旅行者の誘致に重きを置いてきましたね。
コロナウイルスによる大打撃を受けて、インバウンド政策のあり方を疑問視する声も出てきています。比較的影響を受けにくい日本国内からの旅行者を増やす努力も必要ですね。
「体験」と「文化の尊重」が春節のインバウンド客を呼ぶ

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春節は中華圏の人々にとってはとても重要なシーズンです。そんなシーズンに海外旅行をする人は、普段以上に「特別な体験」を求めて日本に来ています。特別な体験を提供するとともに、春節のお祝いを尊重した対応がインバウンド客獲得のポイントです。
2020年は新型コロナウイルスの影響で芳しくありませんでしたが、今後のために春節のおもてなしをじっくりと考えてみてくださいね。