ナイトタイムエコノミーとは?日本と海外の取り組み事例を紹介

訪日外国人観光客の増加とともに注目されるようになったのが、「ナイトタイムエコノミー」。海外では一般的なものである一方、日本での整備は遅れているのが実情です。外国人観光客のニーズが高く、さらなる消費の拡大や魅力の創出など、大きな期待が寄せられています。当記事では、ナイトタイムエコノミーとは何か?国内外の取り組みとは?といったところについて解説します。

ナイトタイムエコノミーとは?

夜の海岸でハンモックに乗ってのんびり過ごす人

iStock/FilippoBacci

ナイトタイムエコノミーとは、夜の時間(18時から翌日朝6時まで)を通して行われるさまざまな活動を通して、経済活動を活発化させる考え方・取り組みのことをいいます。

外国人はナイトライフをアクティブに過ごす文化を持っており、この傾向は観光時にはより高まるというデータがあります。そのためナイトタイムエコノミーは、日本の経済効果を高めるうえでも非常に注目されている取り組みです。

しかし、外国に比べて日本のライフエコノミーはまだまだ発展途上なのが現状で、「夜に楽しめる場所がもっと増えてほしい」という声が多く上がっています。事実、訪日外国人観光客の旅行消費額は約4.5兆円で、1人当たりで換算すると15万円程度に留まっています。

こうした状況を打開するため、政府は積極的にナイトタイムエコノミーの取り組みを推進しているのです。

参照:観光庁「ナイトタイムエコノミー推進に向けたナレッジ集」

ナイトタイムエコノミーの具体的な内容は?

夜のエスカレーター

iStock/yuriz

ここでは、ナイトタイムエコノミーの具体的な内容について見ていきましょう。

コンテンツの拡充

旅行者が求めるコンテンツを正しく理解し、整備することが大切です。

前出のナレッジ集によると、「海外で体験したことがある」と「日本で体験したことがある」に大きなギャップのあるコンテンツはナイトショーやナイトクラブ、ナイトツアー、ナイトレクリエーションなどが挙げられます。

これらを筆頭に、全体的にナイトライフを楽しむコンテンツの充実度は海外の方が高いです。日本においてはまだまだこれから、という状況ですが、それだけポテンシャルがあると言い換えることもできますね。

交通アクセス、インフラの整備

前出の資料によると、ナイトタイムを好む人々の場合、海外では午前3時過ぎでもナイトクラブなどでアクティブに活動していることがわかっています。

そうした人たちが安心して楽しめるよう、交通アクセス面において利便性を高めることも、ナイトタイムエコノミーのひとつです。

一例としてロンドンでは、金・土曜日のみ一部の電車・バスが24時間運行する措置がとられています。

プロモーション

消費の拡大をねらうなら、より多くの人に日本のナイトタイムエコノミーについて知ってもらう必要がありますよね。日本のどの地域で、どんな取り組みをしているのかが海外にいてもわかれば、興味を持ってもらうチャンスも増えるはずです。

プロモーション戦略として考えられるのは、まず自治体によるポータルサイトの整備です。しかし、これだけでは足りません。旅行者の多くは、現地の人のブログや実際にそこへ訪れたことのある人の口コミを頼りに行き先を決めると言われているからです。

昨今では、SNS上などで大きな影響力を持つ「インフルエンサー」を使った新しい切り口のプロモーション手法も多くなっています。

一方通行でなく、旅行者へリアルな情報を届ける、自治体やそこに住む人と旅行者が自然に知り合えるようなプロモーションを考えましょう。

労働環境の適正化

ナイトライフを充実させるには、その分のサービスを行う労働者を確保する必要があります。しかし日本は少子高齢化の影響から労働力不足が進んでいますし、夜間に働くことに対するマイナスイメージもあり、十分な労働力の確保は容易ではありません。

対策として、セルフレジなどテクノロジーを活用して人手不足を補う、夜間に働く賃金を割り増しするなど労働環境の整備を行う、といったものが挙げられます。

海外のナイトタイムエコノミーへの取り組み

夜の美術館

iStock/DenisTangneyJr

海外では日本よりもナイトタイムエコノミーが進んでいるため、夜間においてもさまざまな娯楽やアクティビティを楽しめます。例として、

  • ・エンターテインメントショー、ライブ、バー
  • ・グルメ・ショッピング
  • ・美術館、博物館の夜間活用
  • ・自然資源の夜間活用
  • ・官民連携したまち全体のイベント

などがあります。

日本にも夜間営業している飲食店やバーなどはありますが、数はそう多くありません。都市部を離れた地方になると、さらに少なくなります。また、美術館や博物館といった施設も夜間になると閉館するところが多いです。

海外の事例を見てみると、日本のナイトタイムエコノミーにはまだまだ伸びしろがあると言えそうですね。

日本のナイトタイムエコノミーへの取り組み

踊るロボット

iStock/MATJAZ-SLANIC

海外と比較するとまだ一般的とは言えない日本のナイトタイムエコノミーですが、積極的に取り組む姿勢を見せる自治体も存在します。

例えば新宿には、ロボットが踊ったりバトルしたりなどのショーをするレストランがあります。ショーを見ながら食事を楽しめるのがコンセプトで、外国人観光客がたくさん訪れているようです。

また富士吉田市では、ナイトマーケットや音楽イベントなどを定期的に開催しています。もともと、富士山に近いことから観光客が多く訪れる地域ではありますが、さらに夜間の集客をはかる狙いがあるようです。

今後、日本のナイトタイムエコノミーはどうなる?

居酒屋で談笑する外国人

iStock/JohnnyGreig

外国人はナイトライフを楽しむ文化を持っており、観光先である外国でも同様に過ごしたいというニーズがあります。しかし日本では、ナイトライフのコンテンツ拡充が遅れているのが現状です。

外国人は、ナイトライフを楽しめる場所に長く留まりたい、宿泊したいと考える傾向にあります。日中だけより宿泊を伴う滞在の方がより消費が見込めるため、その地域の経済活性化につながるでしょう。

結果的には全体的な消費額もアップするため、国としても得られるメリットは大きいはずです。

「夜間のコンテンツを充実させる」とひと口にいっても、アプローチ方法はひとつではありません。例えば外国人には日本的な「居酒屋」が好まれる反面、なじみ深い「バー」が増えると嬉しいという声もあります。

外国人観光客からのさまざまなニーズをリサーチしつつ、ナイトタイムエコノミーを推進していかねばなりません。

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