観光ビジネスが注目される背景は?

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観光ビジネスが注目されるきっかけとなった、新サービスの登場や外国人観光客の増加について見ていきましょう。
新サービスの登場
観光に関する新しいサービスの登場は著しく、まず挙げられるのが、ソーシャルメディアによる宿泊先予約です。SNSのアカウントを利用して宿泊先を見つけることができたり、部屋を貸したい人と借りたい人を結びつける民泊サービスが登場しました。ホテルよりも低価格に宿泊できることもあり利用が広がっています。
また、人と人を引き合わせる観光サービスもあります。SNS上で旅の提案をして、その旅に関心のある人を集め、一緒に旅を作り上げていくという仕組みです。その他、旅行者向けに現地の一般家庭を紹介する食事提供サービスや、地元の人に案内をしてもらえる、旅行者と現地の人をマッチングさせるサービスもあります。
外国人観光客の増加
日本を訪れる外国人旅行者は年々増加しています。特にアジア圏からの観光客に人気があり、中国人旅行者による爆買いも話題になりました。このような中、観光ビジネスやインバウンド事業を行う企業が市場開拓を進めています。実際、参入企業による積極的な人材募集も行われている状況のようです。観光ビジネスとしては、日本の伝統文化、体験型旅行の提案や食文化の堪能など、さらに新たなニーズを掘り起こしていく段階に入ったとも言えるでしょう。
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観光ビジネスとITの関係性

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ITの発達に伴い、観光ビジネスにも変化がありました。宿泊施設のホームページや観光地のWEBサイトの充実や魅力を伝えることはもちろんですが、SNSの活用も活発になりました。SNSの場合、施設側だけでなく顧客が発信者となることも可能になり、一方向の情報発信から変化してきています。
また、外国人の旅行者が、買い物の際にスマートフォンを差し出し、購入したい商品の写真を見せている場面を見かけることも多くなりました。海外では日本よりも早くSNS文化が浸透しており、訪日観光客がSNSを通じて日本の魅力の発信することや日本で購入した商品の感想を投稿することにより、それを見た人が日本を訪れるという好循環が生まれるのです。
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観光ビジネスに関わる仕事

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観光ビジネスと言っても、それに関わる仕事は様々です。ここでは、観光ビジネスに関係のある職種や内容、スキルについてご紹介します。
職種・仕事内容
- ツアープランナー
お客様の要望に沿って個人旅行の企画や団体客向けのパッケージ旅行を企画します。
- ツアーコンダクター
顧客の旅行に同行し、観光名所を案内するなど、旅行期間中の顧客をサポートします。
- その他
バス車内で旅行のサポートをするバスガイドや観光バスの運転手、列車内のサービススタッフなども観光ビジネスに関わる職業と言えるでしょう。
活躍の場
ツアープランナーの主な活躍の場は、旅行代理店の企画部門です。ツアーコンダクターは、旅行代理店に勤務する以外に、添乗員派遣会社に登録して働いたり、フリーで働くというスタイルがあります。また、観光バスの運転手はバス会社に就職するのが一般的で、バスガイドに関しては、派遣会社に登録する場合が多いようです。列車の車内サービススタッフの活躍の場は、鉄道旅客会社に社員や派遣社員として所属することが多いでしょう。
必要なスキル・資格
観光ビジネスに関わる仕事に就く人にとって大切なことは、人と接することが好きという気持ちです。さらに、観光スポットや周辺地域に関する知識に長けていることも、お客様からの信頼を得るためには必須でしょう。また、旅行先や移動中に予想外の出来事が起こった場合、冷静な判断や臨機応変な対応が欠かせません。
そのほか、ツアープランナーには企画力、ツアーコンダクターには明るさや語学力など、それぞれの職種によって求められる素質は異なるでしょう。
いずれにしても、観光ビジネスに関わる仕事はサービス業であり、ホスピタリティ精神を持って取り組むことが重要です。
観光ビジネスを取り巻く環境

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観光ビジネスはIT化の影響により変化し続けています。現在は、観光ビジネスに関する勉強ができたり、観光に特化した学部の設置をする学校も増えてきました。また、観光ビジネスの消費部分である、インバウンド消費についても多くの企業が対応をしており、外国人観光客向けのパンフレットを作成している企業も少なくありません。
さらには、広告ポスター、ホームページなどのハード面で多言語化を進めるだけでなく、ソフト面においても、英語のほか、アジア圏の言語が話せる店員を採用する企業が増えています。飲食店をはじめ、ショッピングモール、ホテルなどでは外国人観光客の滞在を促進するため、免税店申請やWi-Fi環境を整えておくことも大切な施策と言えるでしょう。