ホテルのメルマガ
インターネット環境の普及と、携帯電話やスマートフォンの所有率の上昇を理由に、メールマガジンと呼ばれる、メールを配信する方法での宣伝広告を導入する企業が増えています。
ホテルも例外ではありません。
宿泊プランの中には、メルマガ登録が割引の条件になっているようなこともあります。メルマガ登録の際に顧客情報を登録してもらうことで、顧客の囲いこみをしたり、事前に満室情報を提供するなどして、業務効率化に繋げることもあります。
メルマガの中には、キャンペーン情報や特典の情報を配信することで集客に繋げようと試みるものもあります。
ホテルの場合は、利用頻度などを考えるとそういった効果を見込むことは難しいでしょう。ホテルがメルマガを配信する場合は、お客様との関係を継続するという点で効果がありそうです。
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メルマガの効果
メルマガ配信には、どのような効果が見込めるのでしょうか。ホテル業界がメルマガ配信を取り入れた場合について考えてみましょう。
認知度の向上
ホテルを知ってもらうため、新たなサービスを知ってもらうためにメルマガを配信しようと考えることはあるでしょう。
ホテルを訪れなくても、メルマガでホテルの情報を知ることが出来るとなれば、読者にとってもメリットがあります。チェーン展開をしているホテルの場合は、他エリアのホテルの情報も記載することができますし、より幅広くホテルのことを知ってもらう機会をつくることができます。
リピーターとの関係維持
メルマガは、事前に登録のあるメールアドレス宛に配信されます。
その中には、過去にホテルを利用したことがある人が多く含まれています。一度宿泊をしたタイミングでメルマガの配信登録が行われた場合、その後にホテルの利用が無くても、メルマガの配信によって、お客様との関係を継続することができます。
メルマガで顧客情報が登録されれば、誕生日などをきっかけに特典付きのメールを送信することもできますし、頻繁に泊まるホテルではなくても、メルマガの配信があることをきっかけに再来訪のきっかけを作ることが出来るかもしれません。
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読まれるメルマガのコツ
せっかく配信したメルマガ。読んでもらわないことには意味がありません。読者が読みたいと思うメルマガはどのようなものでしょうか。読んでもらうためには、タイトルが第一関門です。そして、本文の内容や見た目についても考える必要があります。
タイトルを工夫する
メルマガに限らず、メールが届いた時に最初に目を通すのは、メールのタイトルです。実際にメールの内容を見るか見ないかは、タイトルによっても変わると言われています。
タイトルには文字数の制限があります。その中にどういった情報を盛り込むと効果的なのでしょう。
- ・具体的な数字を入れる
例:50%オフ、3室限定、一泊7,000円
- ・記号を使って目立たせる
例:★お得情報★、◆レストラン新メニュー◆
- ・相手に問いかける
例:知っていますか?、お待たせしました!
メールのタイトルには、読者の目に止まる工夫が必要です。本文を読んでみようかな、と思わせるような、インパクトのあるタイトルを考えましょう。
他には、独自のパターンを作って、件名だけでどこからのメルマガか分かるようにするもの良さそうです。
テーマを盛り込み過ぎない
タイトルの次はメルマガの内容です。
あれもこれも伝えたいと思って内容を盛り込み過ぎると、読者は読み疲れてしまいます。
何が言いたいのか分からず、本当に届けたい情報がぼやけてしまうので、注意が必要です。
また、ひとつのメルマガにテーマを入れすぎて、次のメルマガに書くネタが無くなってしまったということも起こり得ます。
興味を持ってもらいたいという一心でお得情報を盛り込みすぎると、お得感は薄れてしまうものです、メインとなるテーマを絞り、分かりやすい構成にするようにしましょう。
読者に有益な情報を入れる
ホテルのメルマガの一番の目的は、何かを買ってもらうため、利用しもらうためではなく、相手との繋がりを持ち続けることです。売上や集客での効果は、ターゲットと信頼関係の上に成り立ちます。
売上を上げるためと考えると、お得感や値ごろ感を打ち出すことに注力してしまうこともありかもしれませんが、信頼関係が築かれていない相手に対して、セールスが前面に出た内容はあまり好まれません。
読者にとって有益な情報とは、メルマガを読まなければ知り得なかった新たな知識に繋がるようなものです。ホテルの場合は、レストランメニューの紹介をしながら、季節の食材についてや料理方法について触れてみたり、ホテル近隣の情報を取り入れるのも良いでしょう。
長くなりすぎない
メルマガの内容は、シンプルで読みやすいものであるべきです。
あまり流すぎると、読み手は疲れてしまいますし、冒頭の内容は忘れ去られてしまいます。
全体の長さをコンパクトにすることも大切ですし、一行あたりの文字数も考慮して読みやすい改行も意識するようにしましょう。
情報が多くて本文が長くなりそうな場合は、文中にURLを入れ込み、別の記事に誘導するなどの手法を取り入れても良いかも知れませんね。
メルマガの効果を高めるために
メルマガの配信の目的はどんなことでしょうか?ホテルを知ってもらいたい、お得な情報をお知らせしたい。そういった目的の先には、売上や集客の増加の目標があるはずです。その達成のためには、継続がポイントになりそうです。
配信のタイミングをターゲットに合わせる
メルマガは闇雲に配信すれば良いというものではありません。まずは受け取る側の気持ちとライフスタイルを考えた配信スケジュールを考えるべきでしょう。
極端な話ですが、毎日深夜に届いたり、お得感や有益な情報を得られない内容が届くようでは、相手にとってただ迷惑なものになってしまいます。
例えばビジネスホテルのメルマガの場合、配信する相手は当然のことながビジネスマンが多くなります。
ビジネスマンが、メルマガをゆっくりと読む時間は、一日の間のどの時間帯になるでしょうう。朝の時間帯であれば、通勤時間中に読めるよう朝8時頃、ランチタイムを狙って正午、または帰宅後の夜21時以降。
メルマガは、配信することが目的ではありませんよね。メルマガを開封してもらい、情報が確実に届かなければ、配信した意味がありません。そのためには、ターゲットの生活時間を想定し、メルマガにゆっくり目を通してもらうための工夫をする必要があります。
継続的な配信と効果測定
メルマガのような集客を狙った広告は、継続が必要です。
メルマガの開封率は、実はあまり高くはありません。開封率は20%~25%といわれることもあります。確かに、メルマガが届いたことは確認しても、中身までは確認していないという人は少なくないでしょう。
せっかくの有益な情報も、読まれなければ届いていないのと同じことです。
メルマガを配信する場合には、メルマガの効果測定も同時に行う必要があります。配信後の開封率、メルマガ内にあるURLのクリック率、さらにはメルマガの配信停止率。
メルマガが、売上や集客にどの程度の効果を出しているのか、効果を上げるためにどういったアクションが適切なのか、テストをする必要もあります。
配信の時間帯、タイトルの見せ方、よく読まれているメルマの特徴はどこにあるのか、配信後の情報を基に試行錯誤を繰り返すことで、読まれるメルマガが完成します。
メルマガはお客様へのお手紙
メルマガ配信そのものは、比較的導入が容易で安価であると言われています。そのため、多くの企業・ホテルが導入しているのです。
せっかく配信するのですから、数多く届くメルマガの中に埋もれることなく、読みたいと思ってもらえる、ファンの多いメルマガの配信を目指したいものです。
メルマガは広告の手段のひとつです。一方で、お客様に対してダイレクトにお届けできるという特徴を持っています。
ホテルの場合は特に、また泊まりに行きたいと思ってもらうための、関係を継続するための手段でもあります。販売業などどは違い、売上や集客に繋げるまでには比較的時間もかかります。
メルマガを配信する際には、お客様との信頼関係を築くために、読み手の気持ちに寄り添えるコミュケーションツールのつもりで配信すると良いかもしれません。
そういった意味では、ホテルのメルマガはお客様に向けたお手紙とも言えるかも知れませんね。