接客を良くするために大切なこととは
接客を良くするために、何か身につけるべきスキルや知識はあるのでしょうか?
「良い接客をしよう」と口で言うのは簡単です。しかし、サービスを提供する側の独りよがりにならない、本当の意味で良い接客をするのは簡単なことではありません。
何をもって良い接客とするのかは人それぞれです。「これが正解」とは言えないものですが、多くの人に心地良く感じてもらえる接客において、大切なことを考えてみましょう。
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接客を良くするために大切なこと:取るべき行動5選
レストランやホテルなどを利用した際、「丁寧で親切な接客が嬉しい」と思う方は多いはずです。
では、どのような振る舞いが丁寧で親切と感じられるのでしょうか?接客を良くするために大切な、5つのやるべきことを紹介します。
アイコンタクトをとる
お店に入ったとき、そっぽを向いたままの店員に「いらっしゃいませ」と言われても、歓迎されている気持ちにはなれませんよね。
目を合わせることは「あなたのことをきちんと認識しています」というサインです。
目は口ほどにものを言うといった言葉がある通り、気持ちを表すことにおいてアイコンタクトは大切な接客スキル。
接客に限らず、円滑なコミュニケーションのための第一歩でもあります。ただし、じっと目を合わせることに抵抗を感じるお客様も少なくありません。
顔はしっかりとお客様に向けつつも、まじまじと見つめすぎないことがアイコンタクトのコツです。
笑顔を意識する
サービス業界では、「接客は笑顔が第一」「笑顔の接客をしましょう」といった意味合いの言葉をよく耳にします。
長い間言われてきたことなので、すでに十分理解している方もいるかもしれませんが、それぐらい重要なポイントなのです。
笑顔は相手に敵意がないことを示す表情でもあります。笑顔を向けられたときには、安心感を得られる方も多いのではないでしょうか。
お店やスタッフに安心感がなければ、お客様の購入意欲を削いでしまうかもしれません。
利益を得るためにも、笑顔の接客は必要不可欠です。クレーム対応のような場面でない限り、お客様の前では常に柔らかく明るい表情を心がけましょう。
傾聴姿勢をとる
接客業に対して、話す仕事というイメージを持つ方は少なくありません。
たしかに、サービスについて説明したり商品を紹介したりと話す機会は多いですが、それ以上に「お客様の話を最後まで聞く傾聴スキル」が大切です。
接客の経験を積んでいくと「このパターンはこうだろう」という先入観を持ち、お客様が言い終わらないうちに説明を始めてしまう失敗もあるのだとか。
たとえ、その読みが合っていたとしても、人の話を遮るのは失礼にあたります。いかなるときも傾聴の姿勢を忘れずに応対しましょう。
所作を素早く丁寧に
接客業は、季節や時間帯によって繁閑の差が大きいです。
暇なときにだらだらと動いたり、多忙なときは雑になってしまったりと、忙しさのレベルは仕事中の所作に影響します。
時間の有無にかかわらず、サービスに対するお客様の期待値は変わりません。あまり気を抜かず、素早く丁寧な所作を徹底しましょう。
正しい言葉を使う
人と関わる仕事において、言葉遣いは重要なスキルです。
丁寧に伝えようと話した敬語が間違っていたり、お客様の前で緊張して変な言葉が出てしまったりすることは珍しい話ではありません。
言葉遣いの間違いは、聞く側からすると違和感を覚えてしまうもの。ミスの仕方によってはクレームに発展してしまうこともあり得ます。
詳しい方に教えてもらったり、本を読んだりして正しい使い方を学びましょう。
ちなみに、慣れないうちから無理に難しい敬語を使おうとするよりも、正しい丁寧語で話したほうが無難なようです。焦らずに勉強してくださいね。
▼正しい接客用語とは?覚えておきたい言葉遣いはこちら
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
接客を良くするために大切なこと:避けるべき行動3選
良い接客のために尽力していきたいこともあれば、やるべきではないこともあります。
NG行動を紹介しますので、より良い接客のためにも確認していきましょう。
会話をストップワードで終わらせる
ストップワードとは、
- ・できません
- ・分かりません
- ・違います
- ・ありません
といった続きが発展しない言葉のことを指します。
ときにはきっぱり言うことが大切な場面もありますが、相手に寄り添う気持ちが感じられないため、良い印象を与えません。
接客時は、提供できないサービスを求められたり売り切れで商品が販売できなかったりすることが多々あります。
そのようなときに、できるだけお客様の希望に沿った別の提案を出すなど、ストップワードで終わらせず要望に応える姿勢を見せるようにしましょう。
自分の業務を優先させる
接客の合間には品出しや予約リストの確認など、さまざまな業務が発生します。何時までに終わらせなければならないといった、時間に追われることもあるでしょう。
しかし、そのような状況下でも、お客様を放置することがないように気をつけてください。
待たされているお客様は「自分よりも重要な作業なの?」と、徐々に不満を募らせてしまうかもしれません。
作業をしながらお客様の様子に注意を向けるのは、慣れないうちは大変ですが、数分に一度は顔を上げるようにして、来客スペースを確認する習慣をつけると良いでしょう。
お客様の反応を見ない
サービスカウンターやホテルのフロントなど、お客様に説明をする業務を担う役職でありがちなのが、相手の反応を見ずに案内を進めてしまう失敗です。
案内の仕事は話す内容がだいたい同じなので、つい流れ作業のような応対になってしまいます。しかし、お客様の中には初めて利用する方もいるということを忘れないようにしましょう。
加えて、年齢によってお客様の理解度も異なります。
説明がのみ込めていない、戸惑っているという様子が見受けられる中で案内を先に進めてしまうのはNG。
「ここまでご不明な点はございませんか?」といった確認を挟みながら案内を進めると親切です。
ホテル・旅館における「良い接客」を見てみよう
最高峰のサービスを提供しているホテル・旅館では、今回解説した「接客における大切なこと」が守られているはず。接客のプロとして数々の「良い接客」を作り出しているのです。
下記は、その事例です。参考にしてくださいね。
ある外資系高級ホテルのコンシェルジュは、お客様に決して「NO」を言わないということで伝説になっています。
お客様が空を眺めながら「あの飛行機を買いたいのだけど……」と持ちかけたところ、コンシェルジュはその飛行機の航空会社を調べ始めました。
その後、飛行機のメーカーに連絡を取り、最後にはお客様とメーカーの担当者を引き合わせるところまでセッティングしたようです。
普通であれば「ホテルで飛行機は買えません」と言いたくなる場面です。
しかし、ストップワードで終わらせず、できる範囲でサポートした姿勢は、お客様からするととても感銘を受けた対応だったのではないでしょうか。
ほかにも、常連のお客様の食べ物やワインの好みを知るだけでなく、使ったいすの背もたれの角度まで把握するようにしているホテルもあるようです。
もちろん、ホテル・旅館の方針や規模によって提供できるサービスの範囲は異なります。
「できる限り気分良く過ごしてもらいたい」という気持ちを持って接客することが重要です。
接客における大切なことは宿泊業界で身につけるのもおすすめ!
接客を良くするために大切なことを解説してきました。多種多様な接客業がありますが、深いおもてなしを提供することに魅力を感じている方は、ホテルや旅館の仕事に向いているかもしれません。
今回の記事を読んで興味を持った方はぜひ、宿泊業界への就職・転職を検討してみてはいかがでしょうか。その際は、無料で求職活動のサポートが受けられる当サイト「おもてなしHR」をご活用ください!