レストランのキャンセル料、何日前からかかる?予約前に知っておきたいルールと注意点

レストランの予約をしたものの、予定変更で行けなくなることもあるでしょう。気になるのは、何日前からキャンセル料がかかるのかという点です。実は、多くのレストランでは前日から当日のキャンセルで、50~100%のキャンセル料が発生することも珍しくありません。さらに予約内容や人数によってルールが変わることもあります。この記事では、キャンセル料の目安やよくある誤解、トラブルを防ぐ対応法を解説します。

目次

レストランのキャンセル料は何日前から?3日前・前日・当日の違いと相場を解説

レストランを予約したものの、急な予定変更や体調不良で行けないとなったとき、気になるのが「キャンセル料はいつから、いくらかかるのか」という点です。

一般的には以下のような目安が多く見られます。

キャンセルのタイミング キャンセル料の相場
 3日前まで  無料~30%
 前日  30~50%
 当日  50~100%
 無断キャンセル(ノーショー)  100%(全額)

一方で、キャンセル料の有無や発生するタイミングはお店ごとに異なり、なかでもコース料理や完全予約制のお店では、早めに発生するケースが多いため注意が必要です。

予約前には、必ずキャンセルポリシーを確認しておくと安心でしょう。

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レストランで特に注意すべきキャンセル料のかかる予約タイプ3選

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キャンセル料がいつから発生するかはお店によって異なりますが、なかでも特にキャンセル料が発生しやすい予約タイプがあります。

「まだ無料だと思っていたのに、実はもうかかっていた」とならないよう、次の3つの予約パターンには特に注意が必要です。

コース料理の予約は特に要注意

コース料理は、予約時点でその人のためだけの献立・工程が組まれることが一般的です。

特別な食材の発注や、コース全体の流れを考えた仕込みが進んでいるため、キャンセルは営業の設計そのものに影響を及ぼすことになります。

たとえば、「3日前で50%、前日で80%、当日は100%」といったキャンセルポリシーがよく見られます。

特に、高級店や少人数制のコース専門店、完全予約制のレストランでは、料理が予約者のためだけに用意されていることも多く、直前のキャンセルは損害に直結します。

そのため、「直前だけど大丈夫かな」と迷ったときこそ、お店の予約ページや確認メールでキャンセル規定をチェックするようにしましょう。

団体予約や貸切は損害が大きくなりやすい

複数人での団体予約や貸切利用の場合、広い席を確保したり、ほかの予約を断っていたりすることが多く、キャンセルによる損害は非常に大きくなります

そのため、こうした予約では、早めからキャンセル料が発生するケースや、高めに設定されているケースが少なくありません。

たとえば「5名以上の予約は3日前から50%、当日は100%」といったルールが設けられているお店もあります。

また、人数変更であっても、料理や座席が用意されていた場合は一部キャンセル料が発生することがあるため注意が必要です。

特に週末や繁忙期は予約が集中しやすく、団体の枠が埋まることでほかのお客様を受け入れられないこともあります。

グループでの食事や宴会を予定している場合は、キャンセルや人数変更の期限について必ず事前に確認しておきましょう。

記念日や特別プランのキャンセルには要確認

誕生日や結婚記念日、プロポーズディナーなどの特別なシーンで予約されるプランでは、キャンセル時の扱いがより厳格になっていることがあります

特別コースのほかに、メッセージ入りのデザートや花束、写真撮影、演出などがセットになっているプランでは、準備に手間とコストがかかるため、当日キャンセル=全額請求というケースも珍しくありません。

また、クリスマス・バレンタイン・年末年始など、期間限定イベントプランは「キャンセル不可」や「前払い制」になっている場合もあるため要注意です。

特別な日だからこそ、万が一に備えて確認しておくという意識を大切に、予約前にプラン詳細ページでキャンセル規定を必ず確認しておきましょう。

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レストランのキャンセル料が発生する理由とは

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実際、レストランではお客様が来店する前から、すでにさまざまな準備が始まっています。

キャンセル料は、その準備にかかったコストや手間、売上の損失をカバーするためのルールとして設定されているのが特徴です。

ここでは、キャンセル料がなぜ発生するのか、その背景と飲食業ならではの事情について見ていきましょう。

キャンセル料は「予約=約束」として成り立っているから

レストランの予約は、「空いている時間に来店できる権利」を押さえているだけではありません。

お店にとっては、予約そのものが、時間・席・人員・料理の準備などを「その人のために確保する」という約束行為にあたります

特に人気店や予約制の店舗では、ひとつの予約が入ることでほかのお客様を断っていることもあるため、キャンセルは単なるドタキャンではなく、損害を伴う行為になり得ます。

このように、予約=お互いの信頼で成り立つ約束という考え方が前提となっており、それが破られた場合に備えて、事前にルールとしてキャンセル料を設けるのは自然な仕組みだといえるでしょう。

来店しなくても発生する「見えない損失」とは?

お客様が姿を見せなくても、その日の営業の流れはすでに予約ありきで動いています。

テーブル配置、調理順、スタッフの配置まで、予約に合わせて現場全体が動いている状態のため、直前の空席は全体に波及する損失になります。

こうした実際に提供していなくても発生している損失は、経営にとって無視できない負担となるため、キャンセル料という形でカバーしているのです。

飲食店がキャンセルルールを設ける理由とは

キャンセル料は、単なる損失補填ではなく、飲食店が営業を安定させるための備えです。

飲食店はその日ごとの売上に依存しているため、直前のキャンセルが数件続くだけで、1日の収支が大きく崩れることもあります。

予約状況によって、食材や人員の準備、席の配置まで調整しているため、キャンセルの影響は営業全体に及びます。

そのため、あらかじめルールを設けておくことで、トラブルを減らしつつ、お客様にも安心して利用してもらえる仕組みが成り立っているのです。

レストランのキャンセル料って法律的にOK?知らないと損する2つのルール

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レストランがキャンセル料を設ける理由や、飲食店ならではの事情はすでに見てきました。しかしそのキャンセル料を請求されることは、法律的に正当なのでしょうか。

さらに、「金額が高すぎる」と感じた場合に、無効になる可能性はあるのでしょうか。ここでは、知っておきたい2つの法律的なルールについてわかりやすく解説します。

予約は“契約”とみなされる?キャンセル料の法的根拠とは

レストランの予約は、たとえ口約束やネット予約であっても、内容によっては「契約」とみなされる場合があります。

民法第415条では、契約を履行しなかったことで損害が出た場合、損害賠償(=キャンセル料)の請求が可能とされています。

さらに、無断キャンセルのような悪質なケースでは、不法行為として民法709条が適用されることもあります。

必ずしもすべての予約に法的効力があるとは限りませんが、「予約=約束」として店舗側が準備を進めていたなら、キャンセル料の請求には一定の根拠があると理解しておきましょう。

キャンセル料が高すぎると無効になる?消費者を守る法律の仕組み

キャンセル料が発生する場合でも、お店が自由に金額を決められるわけではありません。

消費者契約法の第9条では、平均的な損害額を超えるキャンセル料は無効と定められています。

つまり、実際の損害に見合わない高額な請求は、法律で否定される可能性があるということです。

「金額が不自然に高い」と感じた場合は、内容をよく確認し、冷静に相談や確認をすることが大切です。

一方で、事前にキャンセルポリシーが提示されている場合、その範囲内であれば有効と見なされるケースが多いため、予約前にしっかり確認しておくことが何よりの対策になります。

レストランの予約をキャンセルしたいときの正しい対処法

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やむを得ず予約をキャンセルしなければならなくなった場合、トラブルを避け、キャンセル料の請求を最小限に抑えるためには伝え方やタイミングがとても重要です。

ここでは、実際にキャンセルしたいときに取るべき行動を解説します。

できるだけ早く・誠実に連絡する

何よりも大切なのは、できるだけ早くお店に連絡することです。

キャンセルのタイミングが早ければ早いほど、お店側は準備の調整がしやすく、キャンセル料が軽減されたり、無料で済んだりする可能性が高まります

また、「申し訳ない」という気持ちを一言添えるだけでも、誠意が伝わり、お店の対応が柔らかくなることもあります。

電話・メール・予約サイトなどの連絡手段

連絡手段は、予約した方法に応じて使い分けましょう。

  • 電話予約 → 電話で直接連絡
  • 予約サイト → キャンセル手続き画面から
  • SNSやメールでのやり取り → 同じ方法で早めに連絡

当日や直前で急ぎの場合は、電話が最も確実です。

連絡がつかない時間帯もあるため、営業時間中を狙って伝えることも大切です。

コース準備済みなら一部支払いの申し出も誠意ある対応

もし、すでにコース料理の仕込みが始まっていることを知っている場合や、当日の直前キャンセルになってしまった場合は、「準備費用の一部だけでもお支払いします」と申し出ることも、トラブル回避の有効な手段です。

法律上の義務はなくても、誠意ある対応を見せることで、お店との関係がこじれずに済むことがほとんどです。

特にリピーターとして今後もそのお店を利用したいと考えている場合は、お互いに気持ちよく終えられるような配慮が望ましいでしょう。

レストラン予約でキャンセル料のトラブルを避けるためにできること

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キャンセル料をめぐるトラブルの多くは、「知らなかった」「見落としていた」ことが原因です。

事前にルールを確認し、タイミングや内容を把握しておけば、不要なキャンセル料の支払いやお店との行き違いを防ぐことができます。

ここでは、トラブルを避けるために予約前からできる3つの対策を紹介します。

キャンセルポリシーを予約前に必ずチェック

レストランのキャンセルルールは店舗によって異なるため、予約前に必ずキャンセルポリシーを確認する習慣をつけましょう

特に注意したいのは、以下のような表記です。

  • 「◯日前から◯%のキャンセル料が発生します」
  • 「コース予約は当日キャンセル100%」
  • 「連絡のないキャンセルは全額ご請求します」

ネット予約であればページ内に記載されていることが多く、電話予約でも「キャンセル料はありますか?」と一言確認するだけでトラブル防止につながります。

サイト・確認メール・口頭で確認すべきポイント

予約したあとも、内容を見直すタイミングを設けることが大切です。

  • 予約サイト:予約確認ページやマイページでポリシーを再確認
  • 確認メール:キャンセル規定が明記されていることが多い
  • 電話予約:口頭で確認した内容をメモに残しておく

これらをチェックしておくことで、「確認していなかった」「聞いていない」という思い込みによるトラブルを未然に防げます

「何日前までなら無料か」を把握する習慣をつける

最も重要なのは、無料でキャンセルできる期限を把握しておくことです。

たとえば「3日前までは無料、それ以降は50%」といったように、日数で区切られているケースが多く、それらを把握していれば判断がしやすくなります。

  • カレンダーにメモする
  • スマホでリマインダーを設定する
  • 同行者と情報を共有しておく

自分なりの方法で覚えておくことが、無駄な出費を防ぐための小さな工夫になります。

レストランの無断キャンセル(ノーショー)はどうなる?

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予約をしたのに、連絡を入れずに来店しない「無断キャンセル(ノーショー)」は、通常のキャンセル以上に深刻な問題です。

お店に損害を与えるだけでなく、場合によっては法的措置や今後の利用を断られるリスクもあります。

ここでは、無断キャンセルによる影響と、その後起こり得る対応について見ていきましょう。

無断キャンセルが与える深刻な影響とは

コース予約や団体利用であっても、事前にキャンセルの連絡があれば、仕入れや準備の調整ができる可能性があります。

ところが、無断キャンセルではそれすらできず、料理や人手、空けていた席がすべて無駄になってしまいます。

さらに、当日はお店側が「いつ来るのか」「遅れているだけか」などを判断できず、ほかのお客様を案内できなかったり、スタッフが対応に追われたりと営業全体に悪影響が出ることも。

つまり、無断キャンセルは単に来ないことよりも、連絡なしに来ないことが問題なのです。

無断キャンセルが「予約できない人」になるきっかけに

最近では、無断キャンセルが複数回確認された場合、ネット予約サービスの利用自体が制限されるケースもあります。

実際に、一部の予約サイトでは「連絡なしのキャンセルがあるため、ネット予約をご利用いただけません」といった警告が表示され、無期限で予約ができなくなる措置が取られることも。

こうした対応は、サービス側が店舗の信頼を守るために導入している仕組みのひとつであり、一度でも悪質な行動とみなされると、他店の予約機会にも影響が及ぶおそれがあることを知っておきましょう。

レストランのキャンセルマナーを守って気持ちのよい食事を

レストランの予約は、ただの席の確保ではなく、お店とお客様の信頼関係で成り立つ「約束」です。

準備をしてくれているお店のことを思えば、急なキャンセルや無断キャンセルは、想像以上の影響を与えてしまうこともあります。

もちろん、体調不良や急な予定変更など、やむを得ずキャンセルせざるを得ない場面もあるでしょう。

そんなときこそ、早めの連絡や誠実な対応を心がけるだけで、お店との信頼関係は守られます。

キャンセルポリシーの確認や、事前のリマインダー設定など、ちょっとした気配りがトラブルを防ぎ、お互いにとって気持ちのよい時間につながります。

おいしい食事と心地よいサービスを、これからも安心して楽しむためにも、キャンセルマナーを意識した予約行動を、ぜひ習慣にしていきましょう。

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