旅館に休館日を設ける時期に決まりはある?
中には休館日を設けている旅館もあるそうですが、その時期はまちまちです。連休や閑散期に設けたり、定期的に休館にするなど、旅館の判断によって変わるようですね。
その旅館にとってベストだと思われる時期に休館にすれば、宿を閉めたことによる損失もそこまで大きなものにはならないはず。
上手に休みを織り交ぜることができれば、社員とお客様両方の満足度アップに繋がります。では、どのような目的で休館日が設けられるケースが多いのでしょうか。
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旅館を休館にする目的
旅館を休館にする目的として、挙げられることの多い項目をまとめました。
館内のメンテナンスが十分にできる
お客様が一人もいない状況でないとメンテナンスできない部分が、どのような旅館にもあるのではないでしょうか。
隙を見ながら小分けにしてメンテナンスをするよりも、休館にして大掛かりな作業をする方が、整備の手間がかなり省けます。
館内の設備の不備を可能な限り減らすことができれば、顧客満足度もかなり高まるのではないでしょうか。
社員のモチベーションアップに繋がる
いくらやりがいのある仕事でも、休みが少なければ徐々に体力も気力も落ち込んでしまいます。
裏を返せば、社員に十分な休息を与え、休み中に存分にリフレッシュをしてもらうことで、長く働いても大丈夫そうだという安心感を抱いてもらうこともできるということ。
仕事が好きな人にとっても、休みはモチベーションに繋がることが非常に多いです。生活を犠牲にさせてしまわないためにも、やはり休館日を設けることは必要だと考えられますよ。
経費の削減になる
お客様の人数に関わらず、電気代や水道代などの光熱費は発生してしまいますよね。
また、社員にかかる人件費が売上げと釣り合わず、頭を悩ませてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、お客様が少ない時期を思い切って休館日にしてしまえば、大胆な経費削減をすることもできるはず。余計な経費を削減することで、利益がアップしたケースもあるようですよ。
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旅館を休館にするリスクも
旅館を休館にすることには、メリットだけでなくリスクもあります。休むタイミングを間違えてしまわないよう、十分に考慮することが大切ですよ。
売り上げの減少が心配
休館日の適切なタイミングが分からず、売り上げが落ちてしまわないか心配だという声もあります。
闇雲にただ休んでしまえば、売り上げがダウンしてしまうことは必至でしょう。休みを設けるのは悪いことではありませんが、短絡的に決めてしまうことは避けなければなりません。
長期宿泊の利用者に対応できない可能性も
長期宿泊のお客様が多い旅館では、休館日を作ることに踏み切れない思いがより強くなってしまうのだとか。
ですが、長期の予約が増える時期にもある程度の法則性があるはず。旅館にとって最も損失の少ない時期を割り出し、そこを休館日に宛がうよう対応することが必要ですよ。
旅館を休館にすると売り上げが落ちる?
旅館を休館にすることで一番心配なのは、やはり売り上げの減少に繋がるのではないかという懸念点があることですよね。ですが、一概に売り上げが落ちると言い切ることはできません。
例えば、従業員の十分な休みを確保し、設備のメンテナンスに力を入れたことで、結果的に顧客満足度の向上に繋がったケースもあるようです。
重要なのは、長い目で見た場合の利益アップですよね。
ただ漠然と休むのではなく、明確な目的があった上で休館にすることを怠らないようにすれば、目に見えて売り上げが落ちてしまうケースはかなり減ると考えられますよ。
定期的な休館が旅館の人材不足を解消するカギになるかも
宿泊業には、どうしても休みと給料が少ない傾向があります。
社員の生活を圧迫する業務スケジュールに、給料も高くないと来れば、いくらやりがいがあっても人が離れて行くのは不思議ではありませんよね。
社員のライフスタイルを尊重しつつ、やりがいも十分に感じられるような業務形態になれば、深刻な人材不足も改善の兆しを見せ始めるかもしれません。
そのためにも、旅館は休館日の設定を検討してみる必要があるのではないでしょうか。