ペット同伴で宿泊可能なホテル・旅館の需要は増えている?
みなさんは「ペットツーリズム」という言葉をご存知でしょうか。
ペットツーリズムとは、観光地などにおいてペット同伴で宿泊する旅行のことを指します。最近では、ペットを家族の一員として捉える人が増えており、ペット同伴の宿泊旅行への需要が高まっているのです。
世界中の飼い主が、ペットの同伴を旅の優先事項の一つとして考えています。実際、ペットを連れていけるかどうかによって旅先を選ぶ人も多いようです。
この先、飼い主が大切な家族であるペットと一緒に旅を楽しむ光景が当たり前になるかもしれません。飼い主たちの需要に応えるために、多種多様なペット用の設備が供えられたホテル・旅館が増えていくことでしょう。
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ホテル・旅館がペット同伴で宿泊OKにするメリット
これから先、宿泊施設が生き残っていくためには時代のニーズに合わせていくことが不可欠です。ホテル・旅館がペット同伴で宿泊できる施設にするメリットをチェックしていきましょう。
お客様の満足度が高い
ペットと宿泊できる施設が増加しているとはいえ、その数はまだまだ少ないようです。
飼い主はペット同伴OKの宿を探すことに苦労する人がほとんどです。ペット同伴で宿泊できるとしても、宿泊先の設備などにこだわると宿選びに時間がかかるケースも。
そのため、ペットに配慮した設備などを提供できれば、お客様の満足度も自然と高くなり、ホテルの評判も向上していくでしょう。ペットに対応しているホテル・旅館がまだ少ないからこそ、いまこそ新規のお客様を獲得できるチャンスかもしれません。
リピート率が向上する
宿泊客である飼い主がペットと宿泊できるホテル・旅館を一度利用すると、その宿泊施設をリピートするケースが非常に多いのです。人とペットの両方に居心地の良い空間を提供すると、お客様に「安心」や「癒し」を感じてもらいやすいのかもしれませんね。
ペット同伴OKのホテル・旅館では、ペットも楽しめる人気のアクティビティを用意していることも、リピートの理由に直結するそうです。
SNSで話題になりやすい
最近では宿泊先をSNSで検索する人が増えてきており、SNSが宿検索の入口としての役割も担い始めています。現に、ゲストはSNSに投稿された写真などを見て、自分とペットに合ったホテル・旅館を予約しているようです。
SNSで話題になるには、単に写真を投稿するだけでは効果は現れません。むしろ、なんの戦略もなく投稿するだけでは他社の投稿に埋もれてしまう可能性も考えられます。
ところが、ペット同伴OKのホテル・旅館に関しては、まだまだ成長段階の事業なので競合他社が少なく済み、需要も高いので話題になりやすいのです。
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ホテル・旅館がペットを受け入れる注意点とは?
ホテル・旅館がペットを受け入れるといっても、そう簡単ではありません。
まず、宿泊施設でペット同伴OKにするには、専門のガイドラインの確認が必要になります。それを踏まえ、ホテル・旅館ごとに「どの程度までペットを受け入れられるのか」について考えていく必要があります。
自社のホテル・旅館では「ペットと一緒に客室に宿泊できるのか」「ペットと一緒に食事ができるのか」「ペットと一緒に入浴できるのか」「どんな種類のペットを受け入れられるのか」など、ルールを作りましょう。
また、なかにはマナーがなっていない飼い主を受け入れなくてはならない場合もあります。特にペットの受け入れをすると、たくさんのペットがホテル・旅館に集まることになるので、感染症の予防には気を配らなければなりません。
宿泊時、飼い主には必ず一年以内に接種した予防接種証明書を提示してもらうようにしてくださいね。ですので、宿泊の前段階で、飼い主に電話やメールで宿泊時の注意点を促すなどの工夫をするべきかもしれません。
トラブルを未然に防ぐためには、事前に書面で一筆いただくことも検討してほうが良いでしょう。
ホテル・旅館がペットを受け入れるリスク
ホテル・旅館がペットを受け入れるには、それ相応のリスクを伴います。
場合によっては、いままで贔屓にしていただいた宿泊客を逃してしまうことも考えられます。とりわけ動物嫌いの方やアレルギーを持っている方にとっては、一部の客室のみをペット宿泊可としても遠慮されるかもしれません。
また、ペット同伴で宿泊可とすると、ペットの受け入れに必要な専門家や動物専門の医者の雇用、ペットの宿泊設備などの整備などでコストがかかってしまうリスクもあるのです。
設備面に関しては、せっかくペット用の設備を整えたのに、備品の破損などが増えることも。ペットの粗相や備品の破損は、必ず申告してもらうよう徹底することが求められます。
ペットの幸せはお客様への「おもてなし」につながる
一昔前と比べ、現代ではペットと一緒に生活を共にする人が増えてきました。なかには、わが子のようにペットを可愛がり育てる人もいます。
ペットと生活することでメリットも得られる一方、ペットと暮らし始めてから馴染みの深いホテルや旅館に宿泊できなくなってしまった方もいるそうです。
お客様にとって、ペットがいるからといって、好きなときに旅行を楽しむことができなくなってしまうことは寂しいことですよね。
これからの時代、ペットの幸せを考えることは、お客様の幸せを考えることに直結していくのかもしれません。いま、需要が高まっている「ペット宿泊OK」に参入してこそ、ホテル・旅館の売り上げや、お客様の「癒し」に貢献することが期待できるでしょう。