豊富温泉とは
豊富温泉は、日本最北端の温泉地とも言われている場所です。大正15年に開湯され、地元の人たちが小さな小屋を建てて使っていました。
瞬く間にその噂は広がり、今では日本各地からお客さんが来る名湯になりました。ここでは、豊富温泉アクセス、歴史などについて焦点をあてていきます。
豊富温泉のアクセス
豊富温泉は北海道の北部に位置する温泉で、稚内空港からタクシーでJR南稚内駅に行きます。JR南稚内駅から電車でJR豊富駅まで行き、沿岸バスにのり豊富温泉までいけます。
公共交通機関だと時間がかかるため、自家用車やレンタカーで行くと便利です。
豊富温泉の歴史と現状
豊富温泉は大正時代に開湯された温泉です。大正14年に北海道では石油の試掘を行なっていました。豊富でも大正15年に試掘したところ、高圧の天然ガスとともに43℃の温泉が噴出しました。これが豊富温泉の始まりです。
はじめは温泉地としては知られておらず、小屋を建て地元の人が使用するものとして使われていました。ですが、次第に湧き出る温泉近くに旅館などの宿泊施設ができ始め、温泉地として全国に広まりました。
その後、1992年に北海道では乾癬(かんせん)という病気が流行り始めました。乾癬は何らかの原因で免疫機能が異常を起こし、皮膚に炎症を起こす症状のことです。人によって症状や炎症を起こす場所は違い、治っても繰り返し再発してしまうケースも多く、現在の医療技術でも完治は難しいとされています。
乾癬は、精神的にも患者を追い込んでいくといわれます。患者の気持ちを前向きにできないかと、北海道で患者会が開かれました。この患者会で豊富温泉の評判が広まり、それを聞いた医師が偵察隊を豊富温泉に送り、効能を調べ、乾癬患者の温泉ツアー受け入れを豊富町役場にお願いしました。そして1993年9月に「第1回豊富温泉湯治ツアー」が開催されました。今では日本各地から、多くの人々が湯治のために豊富町やってきます。
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豊富温泉の泉質と温泉街・観光資源について
ここでは、豊富温泉の泉質や周辺の観光地について紹介していきます。
豊富温泉の湯量と泉質について
豊富温泉は油分を含んだ温泉です。
泉質は含よう素-ナトリウム-塩化物温泉(弱アルカリ性高張性温泉)と含よう素-ナトリウム-塩化物・炭酸塩素塩冷鉱泉(弱アルカリ性高張性冷鉱泉)の2種類があります。いずれも黄濁し、井戸からは天然のガスや石油が温泉とともに湧き出ています。そのため温泉にも石油のにおいが感じられます。
弱アルカリ性で高張性の温泉は肌に優しく、温泉成分が肌に浸透しやすいと言われています。そして、豊富温泉の最大の特徴は油分を含んだ保湿性の高さです。油分が含むタールが、肌の抗炎症作用を発揮するといわれています。
また、成分に多く含まれている重曹・ホウ素は肌をきれいにする・殺菌効果が高いという特徴があります。
豊富温泉の温泉街や周辺観光地について
豊富温泉は北海道の天塩郡豊富町にある温泉地です。豊富町には日本有数の規模を誇る牧場があります。夏には見渡す限りに草の絨毯が広がっていて、冬になると除雪がされないため真っ白な雪景色を見ることができます。
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豊富温泉にあるホテルや旅館での働き方と暮らし
ここでは、豊富温泉のホテルや旅館での働き方や暮らしについて触れていきます。
豊富温泉の旅館やホテルで働く
豊富温泉の施設には、21件のホテルや旅館、共同自炊施設が13箇所存在しています。求人には事務や受付、フロント、調理系などの業種が多いです。
GW、7月、8月は気候も良く多くの観光客が訪れます。冬に雪が多く降る地域のため、繁忙期である夏に求人募集をしている場所もあります。寮を完備している場所が多く、食事や光熱費は無料で交通費も支給されます。
豊富温泉の暮らし
豊富町は駅を中心に住宅地が広がっています。コンビニやスーパーなども多くあり、中学校と高校があります。アパートなども多く、1LDKで4.5万円前後といわれています。
患者の病状とこころを癒す温泉郷、豊富温泉
豊富温泉で湯治する方のほとんどが、2週間から2ヶ月どの長期間にわたって宿泊しながら過ごしています。皮膚炎には症状に波があり、湯治をすることで一時的に悪化することも起こりえます。そのため、入浴施設には医療関係のスタッフがいるため、何かあったときや聞きたいことがあるときは気軽に聞くことができます。
油分を含んだ温泉は世界的にとても珍しいため、日本の豊富町でしか味わえない名湯に足を運んでみるのはいかがでしょうか。