地方創生の実現に必要な「関係人口」
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「地方創生」と聞くと地域に移住者を増やす、地域産業を盛り上げる、多くの観光客を呼び込む、といったことを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それらも地方創生に欠かせない努力ですが、もう1つ重要なものとして「関係人口」を増やすことが挙げられます。
この記事では、関係人口の概要やどのような人が関係人口に数えられるのか、そして関係人口を増やすことによるメリットについて解説します。地方創生実現のための参考に役立ててくださいね。
なお、関係人口がもたらすメリットや取り組み事例については以下の記事でも解説しています。併せてご参照ください。
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関係人口とはどのような人なのか
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総務省によると、関係人口とは移住してきた「定住人口」でもなく観光旅行に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々のこと。一過性の関わりではなく、継続して地域と関わり続けることが望まれています。
それでは具体的に、どのような人々が「関係人口」とされるのでしょうか。例を見てみましょう。
繰り返し地域を訪れているリピーター
観光客（交流人口）と観光客は別物ですが、その地域を気に入って繰り返し訪れている場合は関係人口に数えられます。ただし、何度目のリピートから関係人口とするかは自治体によってさまざま。
「関係人口〇〇人の到達を目指す！」といった目標を掲げても定義があいまいなため、結果を追いにくいというウィークポイントがあります。
地域に縁のある人
「関係人口」の「関係」とは「関係が強い人」という意味です。地域の出身者や地域内の学校に通った人、地域に家族や親戚が居る人など、何かしらの強い縁を持つ人も関係人口。
また、仕事などの都合で継続的に訪れている人や、過去に住んでいた人などもカウントされます。
地域のファンクラブ・応援団の加入者
地方創生に力を入れている自治体の中にはファンクラブや応援団を作っているところがあり、その加入者は関係人口です。
ファンクラブや応援団加入する人の中には、現段階では地域を訪れる機会がなくても強い興味・関心を持っている人も居るでしょう。たとえば訪れたことがなくてもご当地キャラが好き、移住先候補に入れている、1度観光で訪れてファンになった人などです。
あるきっかけで芽生えた地域への興味・関心を持続してもらうために、ファンクラブや応援団を設立するのですね。自治体によっては会員費を設定して地域の収益にしているところもあります。
果樹や田畑などのオーナー
農業が盛んな地域では、果樹や田畑のオーナーを募集しています。
たとえばワイナリーのブドウの樹です。オーナーになると、年会費を払う代わりに毎年その年の出来に応じた本数のワインが進呈されます。また、1シーズン区切りで田んぼのオーナーとなり、生産者からそのシーズンに収穫したお米やアイガモ肉が贈られるという制度も。
こうした果樹・田畑のオーナーも関係人口に数えられます。
ふるさと納税などの寄付者
お得な返礼品などで話題にのぼるふるさと納税。ふるさと納税制度によって地域に寄付を行った人も、関係人口です。
お互いに寄付金・返礼品をもらったら終わりという関係ではなく、ふるさと納税をきっかけに関心・交流を持ち続けることが望ましいでしょう。返礼品をモノではなく、地域の体験型ツアーで使えるクーポンにするなど工夫している自治体もあります。
どのようにして関係を持続させるのかが、今後の課題ではないでしょうか。
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関係人口を増やすメリットとは？
関係人口を増やすことで、地域にはさまざまなメリットがもたらされます。どのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
地域の活性化
関係人口が増加すると、他の地域の人・若い世代の人が頻繁に地域に出入りするようになるでしょう。
それによって地元企業や地域住民の「地域を盛り上げたい、良いところを自慢したい」という意欲の高まりが期待できます。また、文化の違う人々の交流から新たな産業や名物が生まれるかもしれません。
移住者の確保よりもハードルが低い
各自治体で移住・定住の促進に力が入れられていますが、地方移住はそう簡単に実行できるものではありませんよね。住居・仕事・地域コミュニティなどさまざまな心配事をクリアにしなければ実現は難しいでしょう。
その点、関係人口は生活の拠点やスタイルを一切変えず、興味のある地域の活動に参加できます。関係人口というステップを経てから移住を考えるという人も居るのではないでしょうか。
人口減少に悩んでいる自治体は、まず関係人口を増やす工夫を始めてみましょう。
人口の奪い合いを回避できる
人口減少が進む日本において、移住者の確保は人口の奪い合いになりがちではないでしょうか。
地域に移住者がやってくるのは、地方創生につながる喜ばしいことですが、その背景には移住者を確保できなかった地域や、転出によってさらに人口が減少した地域の存在があるのです。
しかし、関係人口であれば1人でいくつもの自治体と関わることができるので、人口の奪い合いにはなりません。母数による制限がないことは、素晴らしい美点です。
地域経済が潤う
関係人口は、地域経済を潤す存在です。何度も旅行に来てくれるリピーターや、ふるさと納税の寄付、ファンクラブの会員費などは重要な財源。
関係人口が継続してお金を使ってくれるように、より魅力的な地域を目指しましょう。自治体によってはファンクラブの会員にちょっとした特典のプレゼントや、豪華景品が当たる懸賞などのお楽しみ要素があるようです。関係を持続させるには、関係人口にとってのメリットも重要ではないでしょうか。
関係人口を増やして地域を盛り上げよう
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今はSNSなどを活用すれば、お金をかけずに関係人口を増やせる時代。ユニークな投稿が話題になれば、知名度が上がって関係人口が一気に増え、地方創生の実現につながる可能性もあります。
人口減少や財政難で悩んでいる地域は、できることから始めましょう！
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