自治体が「地方移住支援」に取り組む背景
国や自治体が地方移住支援に取り組む背景には、東京一極収集を避け、地方の人口減少を食いとめたいという理由があります。
それぞれの自治体で住みやすい環境を整え、地方への移住をバックアップするために地方移住支援が用意されているのです。
各自治体によってさまざまな制度が設けられており、移住地で住まいや仕事、結婚・子育てなどに困らないような取組みがなされています。地方移住支援の例を見てみましょう。
【住まい】
定住促進奨励金や住宅建築補助、空き家バンク、リフォーム支援など
【仕事】
就業支援研修や地域おこし協力隊、農業体験など
【結婚・子育て】
結婚祝金、子ども医療費無料、入学支度金、奨学金、給食費無料、修学旅行補助など
【交通】
バス利用時の回数券補助や終身無料券、自動車運転支援補助金、移住検討時に訪れた際の交通費補助など
【体験】
暮らし体験、仕事体験、就農体験、宿泊費・レンタカー代補助など
支援制度の内容は、「少子高齢化」「過疎化」「産業の後継者不足」といったそれぞれの自治体が抱える悩みに基づいています。そうした地方の悩みを解決するために移住を促し、国と自治体は地方の創生を目指しているようです。
地方移住支援は、人口減少という課題を持つ地方自治体と、地方ならではの穏やかな暮らしを求める移住希望者との間をつなぐ架け橋であり、お互いの最適な解決策なのかもしれませんね。
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地方移住支援を活用するメリットとデメリット
地方移住支援はメリットだらけだと思われがちですが、デメリットもあります。
メリットだけを見ていると移住してから後悔することにつながるのです。どんなメリットやデメリットがあるのか、しっかりとチェックしていきましょう。
メリット
地方移住支援制度を活用するメリットは、予算を抑えて理想の地への移住が叶うことです。
実際に移住した先輩によると、お得に、そして良い条件で地方へ移住できるということは、移住への決心がつきやすくなるのだそうです。
自分に合った地方移住支援があることで、移住にストップをかけていた理由が少なくなるので、思い切りが良くなり新たな一歩に踏み出すことにつながります。
自治体が地方移住支援を通して自分の理想とするライフスタイルを応援してくれることは、とても心強いはずです。
デメリット
一度でも地方移住支援を活用すると、その移住した土地から引っ越しにくくなります。「思っていた地域の雰囲気と違った……」と感じても、移住支援を活用している手前、気軽に引っ越しできないことは頭に入れておきましょう。
特に気を付けていただきたいのは、住まいや仕事に関する支援制度です。
たとえば、ある自治体では、定住促進の一環として20年間の賃貸後に土地と住まいの所有権を移住者に譲渡する制度を設けていました。
このような支援の場合、20年は絶対に住まなければならないので、地方への暮らしに慣れずに引っ越しを考えたとしても簡単に行動に移すことはできないリスクがあります。
また、地方移住支援には条件や期限が設けられているものが多く、そもそもそれらをクリアしなければ利用することができません。制度を活用する際は入念に確認しておくことが大切です。
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自分に合った地方移住支援を選ぶにはどうすればいい?
自分に合った移住支援制度は、人によってそれぞれ異なります。
地方移住支援を選ぶときは、以下のように「なぜ地方に移住したいのか」という目的を振り返り、必要な移住支援を考えてみることが重要です。
「自然豊かな一軒家に住みたい」
→ 住まい
「愛着のある地元でパートナーと幸せに暮らしたい」
→ 結婚・子育て
「地方だからこそできる仕事がしたい」
→ 仕事
これらは移住の目的に沿って一つずつ考えていますが、複数の支援制度を利用できる可能性もあるので、各自治体に問い合わせてみましょう。
また、「地方でのんびり過ごしたい」「ご近所や土地柄の雰囲気が良い場所に住みたい」という方は、移住先をある程度絞り込んでから地方移住支援の活用を考えることをおすすめします。
地方移住支援をうまく活用するには移住する目的を具体化し、移住した後のライフスタイルをイメージしておくことが重要ですよ。
地方移住支援の情報はこまめにチェックしよう!
地方移住支援は「地方に移住したい人」と「悩みを抱える地方自治体」の課題を解決へと導くものです。自分に合った支援を利用すれば理想のライフスタイルを実現することも夢ではありません。
ただし、地方移住支援は条件や期限付きのものが多いので、情報収集は欠かさないようにしましょう。
各自治体の地方移住支援は下記のリンクにまとめられていますので、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。