日本一人口の多い村「読谷村」

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沖縄県の沖縄本島中部、中頭郡に属する「読谷村(よみたんそん)」は沖縄本島中部、西海岸に位置している村で、人口は4.2万人程(2023年7月時点)です。日本国内にある村の中では1番人口が多いという調査結果もあります。那覇市からは車で1時間程度の距離にあり、多くの人がイメージする沖縄らしい自然豊かな景色が広がる村です。
読谷村の伝統工芸

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沖縄県から伝統工芸品の指定を受ける「読谷山花織」「読谷山ミンサー」や、県内有数の焼き物(やちむん)の産地など、読谷村は伝統工芸を通して沖縄の歴史を感じられる土地です。
読谷山花織
読谷村で作られている織物に読谷山花織(ゆんたんざはなうぃ)があります。600年余の歴史をもち、現在では沖縄県指定無形文化財・経済産業大臣指定伝統的工芸品として、全国に多く知られるようになりました。
錦糸や綿糸を使い、花のように細やかな幾何学模様を織り込み、琉球藍や福木(ふくぎ)、すおうなどの自然材料を用いて染められます。読谷山花織は1つひとつが手織りです。織り込まれる花模様は3種類あり、それぞれに異なった意味や願いが込められています。
- ・お金に似せた花模様で、裕福になるように願いが込められた「ジンバナ(銭花)」
- ・末広がりの扇形の模様で子孫繁栄の願いが込められた「オージバナ(扇花)」
- ・97歳に風車を配る沖縄の風習に習い、長寿への願いが込めた「カジマヤーバナ(風車花)」
琉球王朝時代には王族以外と読谷村の庶民以外は着ることが許されない、大変貴重な織物でした。現在では、この伝統文化を残し続けるため、文化遺産後継者の育成(後継者育成事業)にも努めています。
読谷山焼
沖縄初の人間国宝(重要無形文化財保持者)と認定された陶芸家・金城次郎が、1972年に読谷へ工房を移しことをきっかけに、読谷村には数多くの工房が集まり「やちむん(焼き物)の里」として親しまれています。
1980年には県内出身の陶芸家4名が北窯という共同登窯をつくり、この窯で創りだされる焼き物が読谷山焼きと呼ばれています。北窯が火入れされるのは年5回で、登り窯と言われる伝統的なスタイルで焼かれる読谷山焼は、美しく力強い色使いが特徴です。
移住先として注目を浴びる読谷村

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読谷村は移住先として人気があります。日本国内からの移住者だけでなく、海外からの移住者も多くいます。特に貸別荘が立ち並ぶ長浜地区は「読谷村のビバリーヒルズ」と呼ばれています。
子育て環境の充実
読谷村は人口の多い村として有名です。保育所・幼稚園、小中学校の数は小さな村でありながら充実しています。
読谷村に住所がある0歳から中学3年生(15歳になった最初の3月31日まで)の通院・入院にかかる医療費がかからなかったり、条件に該当すれば「出産・子育て給付金」として合計10万円が支給されたりと、子育てにおける経済的な支援が手厚いのも魅力です。
移住を決めた人の中には、自然志向の若者も多く、自然豊かな環境でのびのびと子育てをしたいと考える人も少なくありません。特に、3歳から5歳までの幼児の学校と小学校がある「よみたん自然学校」というフリースクールは人気があり、子どもを入学させたいという理由で移住を検討する人もいるほどです。
スーパーや商店の充実
村内にはスーパーマーケットや商店、薬局なども充実しており、日常の買い物に困るようなことはありません。新鮮な農産物を手に入れることができる直売所もあれば、国際色豊かな飲食店も点在しています。
2020年5月には日常に便利な専門店がそろう「イオンタウン読谷座喜味」がオープンし、読谷村での暮らしはさらに便利になったのではないでしょうか。
コンパクトで田舎過ぎない
村での生活というと多少の不便は仕方ないという印象もありますが、読谷村での生活は適度に都会的な部分もあり、田舎暮らしとは少し違った村生活になりそうです。
バスの本数も多く、村独自のコミュニティバスもあるため交通の便も悪くありません。これも、日本一人口の多い村だからかもしれませんね。
読谷村への移住支援

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読谷村への移住時に、支援金が助成されるなどの特別な支援はありませんが、移住の受け入れには積極的です。その取り組みの1つとも言える「読谷村ゆたさむら推進計画(読谷村まち・ひと・しごと創生推進計画)」についてご紹介します。
読谷村ゆたさむら推進計画(読谷村まち・ひと・しごと創生推進計画)
平成26年12月に国は、東京一極集中に歯止めをかけることを目的とした、地域課題の解決と地方の創生を目指すための施策「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。
読谷村でも、この国の方針を踏まえて、人口減少問題解決のための「読谷村ゆたさむら推進計画(読谷村まち・ひと・しごと創生総合戦略)」を策定しました。
伝統文化・産業の継承、読谷村を支える産業の連携と魅力ある雇用の創出、結婚・出産・子育て支援の充実など、多くの施策が盛り込まれ、村民と移住者の多様な働き方・暮らし方の実現と、定住環境の整備が目指されています。
村全体で人口減少への歯止めを意識し、人口の将来展望に対する明確なビジョンを持つことで、日本一人口の多い村「読谷村」を守り続けています。
読谷村の魅力は自然の豊かさと利便性のバランス

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読谷村への移住の魅力は、豊かな自然やゆったりした時間の流れのようなまさに沖縄らしさを感じる環境と、適度に利便性を感じられる環境、そのどちらも享受できるところにあるのではないでしょうか。
少し車を走らせると、美しい海を眺められるビーチがあり、一方には生活に便利な施設がある。自然と暮らしのバランスの良さが読谷村の一番の魅力です。移住後の暮らしをイメージしやすいという点も、読谷村が移住先に選ばれる理由かもしれません。
なお、読谷村への移住を検討している方の中に、宿泊業界で働きたい!とお考えの方がいましたら当社サービスおもてなしHRをご活用ください。