面接官の役割とはそもそもなに?
面接官としてのスキルを身につける前に、選考における面接官の役割について理解する必要があります。面接官として意識したい役割とはなんなのでしょうか。
応募者を見極める
まず、応募者が自社に合った人材がどうかを見極めなくてはなりません。応募書類はいわば応募者の一つのデータに過ぎないのです。ですので、書類上では分からない応募者の本質を引き出す必要があります。
応募書類はいくらでも好きなことが記入できますが、面接で応募者と会話をすると、応募書類に書いてあることが実際の応募者の印象と合わないということもあります。
面接官は、応募者と直接対話しなければ得られない情報を、うまく引き出すスキルが問われるのです。
自社の魅力を説明する
たとえ優秀な人材を発見しても、その人材が自社に入社してくれるかは分かりません。ですので、面接官は応募者に対して、会社のことや仕事、待遇面について魅力を分かりやすく適切に説明する必要があります。
面接の段階で面接官からの以上のような説明を省いてしまうと、せっかく優秀な人材が入社したのに、入社後にトラブルなどが発生してしまうのです。
入社後のトラブルや応募者の早期退職などを防ぐためにも、面接官が自社の魅力を伝える説明スキルを持っているかどうかで、魅力的な人材が入社する確率が大きく上がるでしょう。
会社の顔
面接官は、応募者にも面接されていることを忘れないでください。応募者にとって面接官は、志望企業の内実を確認できる貴重な機会となります。ですので、必然的に面接官は「会社の顔」としての立ち振る舞いが必要になります。
今の時代、応募者からみて面接官の立ち振る舞いに不満があった場合は、即座にSNSに書き込まれてしまいます。そうすると、会社のイメージにも影響がでることは必須ですので、今後のビジネスにも影響がでてしまうかもしれません。
そのため、面接官は自分が「ホテル・旅館を背負っている」と意識することも重要なポイントといえます。
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面接官のスキルを持った人材が面接しているのか?
優秀な人材に多く入社してもらうには、たしかな面接スキルを持った面接官の存在が不可欠です。応募者は複数の企業を面接を受けています。そういった状況で、自社と他の企業を比べ、どういう会社なのか判断しているのです。
ですので、応募者の入社意欲を高いものとするためには、「会社の顔」である面接官に好印象を持ってもらうことが必要でしょう。担当した面接官が好印象であれば、魅力にあふれた人材が会社に自然と集まるようになります。
また、面接官の適切な質問スキルなどを向上させることで「応募者がどのような人物で、どのような想いがあるのか」ということを、決められた時間の中でしっかりと判断しなければなりません。適切な面接スキルを持ち合わせていなければ「優秀な人材に内定を辞退されてしまう」「内定者のモチベーションが低い」など、企業と応募者にミスマッチが生じます。
そうならないためにも「会社の顔」として活躍できるような、面接スキルを使いこなせる面接官が必要なのです。ですので、採用活動が難航していたり、人材確保に課題を感じているのであれば、面接の担当者の見直しや面接官の研修やトレーニングを実施することも視野に入れたほうが良いでしょう。
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「流れ」や「空気」を作るのも面接官の重要なスキル!
面接をするにあたって、いい流れを作ることも面接官のスキルとして見逃せません。面接の成功を大きく左右する、理想的な面接の流れを確認していきましょう。
アイスブレイク
アイスブレイクとは初めて会った人同士が緊張をほぐし、出席者一人ひとりが積極的にコミュニケーションを図れるようにすることです。面接を受けに来た応募者は、緊張している人が多いでしょう。必要以上の緊張をすると、本来の力を発揮できないことがほとんどです。
応募者をしっかりと見極めるためにも、面接官としては応募者にリラックスして面接をしてもらうようなスキルが必要です。たとえば、天気や出身地、交通手段など、応募者が答えやすい内容を含めた会話をしてみても良いかもしれませんね。
会社説明
アイスブレイク後、すぐに質問をしないように注意しましょう。質問を始める前に自社について説明する時間を設けると、応募者には「親切な会社」として好印象を持ち、志望度も上げてもらえることにつながります。
どんな会社かを説明することで、応募者に会社や事業について正しく理解してもらえるようにもなるのです。
応募書類を見ながらの質問
会社説明が終了した後は、いよいよ応募者への質問にうつります。応募者を見極めるうえで、この時間が最も重要であり、面接官のスキルが問われることになるでしょう。
応募者へ質問するときは、面接官側から一問一答のように一方的に質問するのではなく、応募者と会話するような意識で臨むことが鍵をにぎります。また、質問しながら応募書類もよく確認すると良いでしょう。字には人柄が表れますし、書類の書き方のマナーなども含め、総合的に応募者を見極めるようにすることが面接官のスキルとして求められます。
応募者からの質問
応募者への質問が終了したら、応募者から会社に対しての質問がないかを聞いてください。応募者からの質問で見極められるポイントは、応募者が抱いている会社への意欲や、重視している価値観です。
ここで言えることは、応募者からの質問も決して軽視せずにしっかりと耳を傾けるのも、スキルがある面接官の特徴だということです。
また、応募者が会社に対して不安に思っていることや、内定されるまで知っておきたいことなどについて質問があった場合は、その不安や疑問に丁寧に向き合い、解消していくことが重要です。そのことが、結果として会社のイメージも上げることもできるのです。
面接後についての確認
応募者の質問が解消されたら、最後に面接が終了したあとの段取りなどについて確認しましょう。事務的な確認を怠ると応募者に不安やストレスを与えてしまうので、できるだけ明確に伝えるようにする必要があります。
合否が判明するまでにかかる予定日数や連絡方法をはじめ、会社として最後に応募者に伝えておきたい事項があれば、確実に伝えるようにしましょう。
面接官に必要なスキルとは?
やはり一番気になるのは、面接官としてどのようなスキルを身に着けるべきかという点ではないしょうか。面接官として必須のスキルを確認していきましょう。
質問するスキル
まず重視すべきは、応募者に適切な質問をするスキルです。面接では限られた時間の中で、自社にふさわしい人材を見極めらければなりません。ですので、採用に向けて「応募者のなにを重視するか」ということを決めておく必要があります。
また、応募者はある程度、面接の対策を行っています。応募者の本質を見抜くには、応募者の素をみられるように様々な質問パターンを用意しておくと良いでしょう。応募者が事前に用意していない答えを引き出し掘り下げることで、咄嗟の対応力や、応募者の価値観や考え方が分かるのです。
たとえば、応募者の人間力や性格を重視するのであれば、「これまでの人生で挫折したことはあるか?そのときはどのように対処したのか」や「仕事以外で学んでることはあるか」などを質問事事項として入れることをおすすめします。このような質問をすると、社風や従業員とマッチするのかということが分かります。経歴や面接の受け答えに問題はなくとも、少しでも違和感をもった人材がいた場合は注意しましょう。
そのほかにも「応募者のなにを重視するか」で面接官がすべき質問が変わってきますので、自社でよく検討し、応募者の本質を判断できるような質問を用意してくださいね。
共感するスキル
面接官における共感するスキルとは、「相手のペースに合わせるスキル」ということです。このスキルは、話すスピードを調節して相手の目を見て話し、話を聞くときは応募者の話に耳を傾けることなのです。
共感するスキルを徹底することによって、応募者だけでなく、面接官自身もお互いに会話を順調に進めることができます。
面接では、ほとんどの応募者が緊張しています。当然、面接官が早口になってしまうと、応募者はより緊張してしまい、本来の能力を発揮できずに面接が終了してしまう可能性もあるでしょう。応募者の本質にせまるには、面接官がゆっくり話し、リラックスした雰囲気を作り出すことが大切なのです。
また、応募者が話しているときは相槌などをうつと、応募者の話すリズムを作り出すことにつながるので「話しやすい」といった印象を与えることができます。
さらに、応募者の本質をより引き出すために、余裕があれば面白いことや楽しいことなど、ポジティブな話題に共感し話を広げてみてください。
共感スキルをトレーニングするには、様々なタイプの人と会話し、相手を観察することで鍛えることができますので、共感スキルを磨きたい方はチャレンジしてみましょう。
表現するスキル
面接官の役割のひとつとして「会社の顔」であるということを挙げました。面接では応募者を見極めるのと同時に、自社の魅力もアピールしなければなりません。
しかしながら、面接の時間は限られています。面接では応募者により多くの情報を話してもらうことが重要になるので、面接官に用意されている時間はそれほど多くはありません。
そのなかで自社の魅力を応募者に最大限知ってもらうためには、シンプルな言葉で分かりやすく伝える必要があります。
特に、普段なにげなく使っている業界用語や専門用語は、応募者には全く通じないものと認識しておきましょう。
ですので、だれにでも話が通じるように分かりやすい表現を日々考え、相手に内容をコンパクトに伝える努力をしておくと、おのずと面接官としての表現スキルも身につきます。
タブーや常識の理解
面接官には応募者にしてはいけない質問や、やってはいけない行動があります。それを知り、意識することも面接官には必要不可欠なスキルとなります。
まず、当たり前ですが、面接の準備不足は応募者に見抜かれてしまいますので、決して気を抜かないようにしましょう。
そのため、自社で「応募者のなにを重視するのか」の洗い出しや質問事項の精査、円滑なコミュニケーションを行うということを欠かしてはならないのです。
また、応募者に入社後のイメージを伝えることができずに面接が終了してしまうことも問題です。こうなってしまっては、なかなか優秀な人材が集まらないという悩みを作ることにもつながってしまうので注意してください。
加えて、応募者にしてはならない質問もあります。
「恋人はいるか」や「結婚や出産の予定はあるか」などは、応募者にセクハラと受け取られる可能性があります。さらに、応募者が支持している政党や所属している宗教についても質問してはいけません。
また、応募者の身体になんらかの影響がある場合、先天性の病気やケガなどを考慮せずに、偏見をもった内容を発言することは非常に危険です。
たとえば、応募者の自然な髪色が茶色であるにもかかわらず「髪を染めている」などの決めつけた発言も控えるようにしましょう。
仕事内容や選考に関係ない質問や、応募者の回答で合否を判断できない質問は、不適切な質問として会社の評判を落としかねないのです。
面接官は応募者本人の自由と環境を尊重し、「会社の顔」であるという自覚をもって面接に臨んでください。
面接官はスキルだけでなくマナーも重要
面接官として応募者へのマナーが悪いと、ホテル・旅館に悪いイメージが定着してしまい、理想的な人材が集まりにくくなってしまいます。また、悪い噂が広がってしまうと客足が衰える可能性もあるのです。
マナーの悪さでせっかく培った面接スキルを打ち消してしまわないよう、面接官に必要なマナーをご紹介します。
身だしなみを整える
面接官は、応募者にとって会社の雰囲気などをイメージする貴重なデータになります。
ホテル・旅館にとっては当然のことですが、会社の雰囲気やお客様への対応の仕方などを感じ取ってもらえるよう、服装や髪型などの身だしなみには気を付けるようにしましょう。身だしなみを整えると、面接官自身だけでなく会社に対しても良いイメージを与えられるようになるのです。
モラルを守る
面接中に必要のない質問内容は、時として応募者自身を深く傷つけてしまう可能性があります。
恋人の有無や家族構成、身体的特徴などは、とてもデリケートな話題です。面接官に悪気はなくとも、応募者が回答に困る話題があることを忘れないでください。
ですので、面接では適切で的を得た内容のみを質問するようにしましょう。
質問をわかりやすくする
「当社はどうですか?」というような、抽象的な質問で応募者が回答に困らないよう、質問を具体的にする必要があります。
応募者が「何を問われているのか」を理解できるように、質問事項も精査するべきでしょう。
応募者の長所を見つける
面接では応募者を不採用にする理由を探すのではなく「自社に合った人材を見つける」という視点で行いましょう。
「なぜ採用活動するに至ったのか」という面接本来の目的に立ち返り、それぞれの会社が抱える問題を解決しなければなりません。
ですので、応募者一人ひとりの長所を発見し、どのような仕事を任せたら活躍するのかといった観点で面接を行うことが重要なのです。
面接官としてスキルアップがより良い採用活動につながる
面接官のスキルアップが実現すると、ホテル・旅館に優秀な人材がたくさん集まります。さらには会社の評判も上がるので、採用活動が充実するようになるでしょう。
この機会に、面接官のスキルを磨くために、研修やトレーニングの実施を検討してみてはいかかでしょう。優秀な人材に入社してもらうことも、ホテル・旅館の印象を高くすることも、面接官次第なのです。
ただし、面接選考を含め、採用活動はそう簡単ではありませんよね。
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