ホテルの外国人雇用マニュアル!採用の流れや職種ごとに必要なビザを解説

昨今、外国人の雇用に乗り出すホテルが増えています。しかし、ビザの種類や採用までの流れがわからず、足踏みをしているホテルもあるのではないでしょうか。ホテルが外国人を雇用するための基礎知識や、ホテルでの労働に必要なビザ、求人募集の方法など情報をご紹介しますので、人手不足の解消や多言語対応に向けて知識をつけていきましょう。

ホテルでも外国人の採用・雇用が増えている

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コンビニのレジや飲食店などで外国人労働者を見る機会が増えた、と実感している方も多いのではないでしょうか。実際に、外国人労働者数は右肩上がりで増加しており、全国の外国人労働者は2020年10月には過去最多の約172万人を記録しました。

 

中国、ベトナムなどのアジア圏を中心に、今後も増えていくと予想される外国人労働者ですが、ホテル業界でも活躍が期待されています。

 

高まりを見せたインバウンド需要

2019年の末から今もなお、世界経済に影響を与え続けている新型コロナウイルス。今でこそ外国人の来訪は厳しくなりましたが、感染拡大前までのインバウンド需要は大きなものでした。

 

政府は高まるインバウンド需要を受け、訪日外国人旅行者の目標を2020年までに4000万人、2030年までに6000万人に設定し、目標に向け訪日外国人旅行者の受け入れを強化する動きを取っていました。

 

受け入れ強化の施策は宿泊施設の増加、多言語対応などのハード面のみならず、人材などのソフト面へも寄与するという方針で、人手不足が深刻な介護業・外食業・宿泊業など14業種に適用ができる就業ビザ「特定技能1号」が2019年4月に新設されたことも記憶に新しいはずです。

 

2018年3月時点では、宿泊業に従事する外国人労働者約38,000人を、2030年までにはさらに85,000人を確保したいという考えを示していた、というのがこれまでの状況でした。

 

2021年7月現在、残念ながらこの動きは鈍化していますが、アフターコロナのインバウンド需要増に向け動き出すホテルも少なくありません。苦しい現状から踏み出すためにも、先を見据え、外国人労働者の雇用についての知識を今のうちにつけておくのが得策でしょう。

 

今後、インバウンド需要はどうなる? 宿泊業界の展望について解説

 

参照:「外国人雇用状況」の届出状況 / 厚生労働省

 

参照:外国人就労、拡大に方針転換 / 西日本新聞

ホテルが外国人を雇用するメリット

ホテルで外国人を雇用することには、下記のようなメリットがあると考えられています。

  • ・人手不足の解消
  • ・言語の壁の払拭
  • ・向上心の高い若者から得られる刺激

労働者の確保や幅広い言語対応が可能になるだけでなく、若年層の外国人から刺激を受けられるというのは大きなメリットと言えるでしょう。

 

ホテル・旅館で働いている外国人労働者のうち、約7割は留学生のアルバイトとも言われています。日本への進学、さらにはアルバイトを経験したいという留学生が、モチベーションの高い人材であることは、想像も容易ですよね。

 

日本人従業員とは異なる物事の捉え方ができるため、従業員の意識改革や新しい提案などにも期待が持てるでしょう。

 

ホテルの外国人採用・雇用:必要な知識

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ホテルで外国人を雇用したい!」と思っても、日本人の雇用契約の流れは適用できません。ホテルで外国人を雇用するために覚えておくべき知識をみていきましょう。

ビザ(査証)と在留資格の違い

まずは、混同しがちなビザと在留資格の違いから押さえておきましょう。厳密には下記のような違いがあります。

・ビザ(査証):入国・滞在可能かどうかの証明書

 海外の日本大使館・領事館から発給される日本入国の推薦書・上陸許可書のこと。

 短期滞在・長期滞在・医療滞在の3種類がある。

 有効期限の延長は原則不可能、また必ずしも入国を許可するものではない。

・在留資格:滞在内容に関する許可証

 出入国在留管理庁により発給される、外国人が日本への在留に必要な許可のこと。

 日本の空港・港などでビザに見合った在留資格が付与されることで、入国が許可される。

 法的な効力を持ち、慣用的に「就労ビザ」と呼ばれることが多い。

ホテルで外国人を雇用する際によく話される「ビザが必要」という言葉は、一般的に「在留資格(長期滞在の就労ビザ)」を指すケースが多いようです。

 

外国人の採用~雇用までの流れ

外国人を雇用する際は、応募者が必要な就労ビザ(在留資格)を所持しているかの確認は不可欠です。これは、海外に居住し必要なビザを取得していない、在留中だが必要なビザを取得していない、在留していて必要なビザも取得済、という場合で手続きが大きく異なるためです。

 

今回は、中でも数が多い「在留中だが必要なビザを取得していない」という外国人を雇用するまでの流れをご紹介します。

  • 【在留中/ビザ未取得の外国人雇用】

 

  • ・求人の募集
  • ・書類選考時の必要ビザ取得見込みの調査
  • ・面接
  • ・内定
  • ・雇用契約書の作成
  • ・出入国在留管理庁へ「在留資格変更許可申請」
  • ・必要ビザの給付
  • ・雇用の開始

最も気を付けたいのは、必要となる就労ビザの取得見込み。内定を出したとしても、必要なビザを所持していなければ雇用はできませんので注意してくださいね。

 

また、就労ビザは発給に時間がかかります。「在留資格認定証明書」を提示し、申請内容に問題がなければ申請受理の翌日から5業務日で発給されますが、「在留資格認定証明書」を提示しない場合は、1カ月~3カ月程度の時間がかかることも押さえておくべきです。

 

ビザがなければ法律違反に!

ビザ(査証)の期限が切れた状態で滞在を続ける外国人は、俗に言う「不法滞在」になります。また、必要な在留資格を取得していない場合や、不適切なビザのまま仕事に従事させた場合には、雇用主が「不法就労」をさせていることになってしまいます。

 

勤務できる年数や勤務時間に限りがある在留資格もあるため、知識がないまま外国人を雇用してしまうと、ホテルが不法就労・不法滞在で摘発されるリスクも。知らぬ間に法を犯さないよう、知識をつけ採用に臨みましょう。

 

ホテルの外国人採用・雇用:ビザの種類

外国人を雇用するためには職務に関連したビザが必要であり、専門職や軽作業などの業務内容によって必要なビザは異なります。

 

現在、就労・長期滞在に必要なビザは、下記の7つに分類されます。

  • ・高度専門職ビザ
  • ・就業ビザ
  • ・一般ビザ
  • ・特定ビザ
  • ・起業(スタートアップ)ビザ
  • ・外交ビザ
  • ・公用ビザ

この7分類に分けられるビザは全てで30種類もありますので、雇用の際は自ホテルに必要なビザの知識だけでも身に付けるべきでしょう。次項では、ホテル業の外国人雇用に必要なビザの種類をご紹介します。

 

参照:就労や長期滞在を目的としたビザ / 外務省

 

ホテルの外国人採用・雇用:ホテルに馴染みの深いビザは?

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ホテルが外国人を雇用するために必要となる代表的な就労ビザは、5種類あります。それぞれのビザの特徴をみていきましょう。

 

就業ビザ「特定技能(1号)」

2019年4月に新設された学歴・実務経験不要のビザです。日本語である程度の日常会話ができ、宿泊業に特化した特定技能試験に合格できれば発給されます。特定技能1号のビザがあれば、今までできなかった単純労働も任せることができるようになります。

 

注意点は、在留期間の長さです。建設業や造船・船用工業にのみ適応される在留期限の制限がない特定技能2号に対し、特定技能1号の在留期間は最長5年、更新は不可という制限があるので長期雇用はできません。

 

就業ビザ「技術・人文知識・国際業務」

外国人の正社員雇用で最も多く取得されているビザです。

ホワイトカラーや事務などの専門職を対象としており、大学卒業程度の教育を受けた・日本の専門学校卒業程度などの学歴や、3~10年の実務経験が必要とされる場合もあります。

 

一般ビザ「留学」(資格外活動)

留学生は、「留学」ビザの取得が不可欠ですが、留学ビザは就学を目的に発給されるビザですので、です就業を目的に取得することができる留学ビザですので、留学生がアルバイトを行う際は「資格外活動」という別の許可が必要になります。

 

「資格外活動」では、主たる活動(=勉学)に影響を受けない範囲での就労が義務付けられており、1週間の就労時間は28時間以内までと定められています。ただし、春休みや冬休みなどの長期休業期間中は、1日8時間までの勤務が認められています。

 

一般ビザ「家族滞在」(資格外活動)

家族の転勤などによって配偶者や子どもが日本国内で生活する場合は、「家族滞在」のビザの取得が認められます。

 

「留学」同様、就労が目的のビザではないため、配偶者や子どもが就労する際は「資格外活動」の許可が必要です。留学ビザの資格外活動と同様の就労規定があります。

 

特定ビザ「永住者」「日本人の配偶者等」等

就労・長期滞在の際に必要となるビザの中には、身分系ビザ・身分関係ビザと呼称される特定ビザがあります。具体的には、永住権を持った「永住者」や、日本人と結婚した「日本人の配偶者」などが特定ビザに定められています。

 

「永住者の配偶者等」「定住者」を加えた計4つの特定ビザに関しては、法的にも日本との結び付きが強いと判断されているため、就労の制限はありません。

 

ホテルの外国人採用・雇用:職種別に見る必要ビザ

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ホテルには、フロントやハウスキーピングなどさまざまな職種がありますが、職種ごとに必要となるビザは異なります。ホテルの職種ごとに必要となるビザを確認していきましょう。

 

フロント業務

就業ビザ「技術・人文知識・国際業務」の取得が必要です。外国人の応対が不可欠というホテルでなければ、ビザは許可されづらいので注意しましょう。

 

ハウスキーピング業務(清掃・ベッドメイキング等)

就業ビザ「特定技能(1号)」を取得していれば就労が可能です。

 

レストランでの調理補助・皿洗い・配膳業務

ハウスキーピング同様、単純労働という観点から、就業ビザ「特定技能(1号)」を取得していれば就労が可能です。

 

レストランでの調理業務

「特定技能」ではなく「技能」という就業ビザの取得が必要です。特定の分野で熟練した技能を必要とする業務に対して与えられる在留資格で、自国での10年以上の実務経験が必要となります。

 

バックオフィス業務

就業ビザ「技術・人文知識・国際業務」の取得が必要です。このビザがあれば営業・経理・総務・経営企画などに従事してもらうことができますが、多くの場合、大学や専門学校での選考科目との関連性が重要視される傾向があります。

 

留学生アルバイトの場合

留学生アルバイトは、高度な専門性が必要となる職種を除き、多くの職種で就労が可能です。ただし、前項でご紹介した通り「資格外活動」の許可取得の必要と、1週間28時間以内の就労でなければならないことを覚えておきましょう。

 

この他の在留資格の許可・不許可の具体例は、下記よりご確認ください。

 

参照:ホテル・旅館等での外国人在留資格の明確化 / 法務省

 

ホテルの外国人採用・雇用:求人募集の方法

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「ホテルで外国人を雇用したい!」と思っても、外国人にホテルを知ってもらえなければ雇用はできませんよね。ホテルの外国人雇用におすすめの求人募集方法を3つご紹介します。

 

外国人専門の求人サイトでの募集

まずは、在日外国人に特化した就職情報サイト・求人サイトの利用を検討しましょう。日本語で登録のできる、外国人雇用に特化しているサイトは10以上あるので、他競合での活用実績、自ホテルへの適合性を判断し、利用してみるのはいかがでしょうか。

 

専門学校・大学・大学院からの紹介

新卒採用や留学生の雇用を検討している場合は、専門学校・大学・大学院から紹介をしてもらうのがよいでしょう。特に外国人の受け入れを強化しているような学校では、就労支援にも力を入れている場合が少なくありません。

 

相談先は、就職課・キャリアセンターなどである学校が多いでしょう。

 

SNS・コミュニティサイトでの募集

求人サイトの代替やヘッドハンティングとして、SNSを活用するのもおすすめです。外国語での対応が必要となりますので、社内の人材に翻訳を依頼したり、すでに外国人を雇用をしたりしているホテルは業務を任せるのも良いでしょう。

 

外国人採用・雇用でホテルの人手不足を解消しよう

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外国人の雇用・採用活動については、ハードルの高さを感じるホテルは少なくありません。しかし、必要なビザの種類や必要書類の提出手順を覚えてしまえば、難しくないという意見が目立ちます。

 

ホテル・旅館などの宿泊業はこれからますます人材が必要になる業界。ぜひ前向きに外国人の雇用を検討してみてくださいね。

 

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