退職者が出たらハローワークに離職証明書を提出しよう
従業員の退職時には、企業にさまざまな処理や手続きが発生します。ハローワークに離職証明書、正式には雇用保険被保険者離職証明書を提出することもそのひとつ。
離職証明書に関する手続きは、退職者の新しい生活を左右する重要事項です。企業の人事担当者なら離職証明書とはどのようなもので、何のためにハローワークに提出するのかを把握しておきたいところですよね。
離職証明書の概要と、ハローワークへの提出フローを見ていきましょう。
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離職証明書は何のためのもの?
まずは、離職証明書とは何のためのものであるかを解説します。
離職証明書は、退職者の離職票を発行するために、企業がハローワークへ提出するものです。
離職票は退職者が失業給付金の申請をする際に必要な書類です。また、次に入社する企業に退職した事実を証明するために、提出を求められるケースもあります。
失業給付金の申請や、退職の証明が不要であれば、離職証明書は要りません。そのため退職者本人からの希望があれば対応する企業が多いのです。
ただし、退職者の年齢が59歳以上の場合は提出必須です。その背景には「高年齢雇用継続給付金」があります。59歳で退職し、再就職した場合には間もなく60歳を迎えますよね。
高年齢者雇用安定法によって60歳以上65歳未満の人を雇用した企業は、国から高年齢雇用継続給付金を受け取ることができます。
給付金の申請手続きでは、60歳以後の賃金が60歳時点の賃金の75%未満であることを証明しなければなりません。その際、3枚つづりの離職証明書の3枚目である「離職票−2」が必要となるためです。
退職者からの希望があった場合、退職者が59歳以上の場合には、速やかにハローワークへ離職証明書を提出しましょう。
従業員の退職日の翌々日から10日以内に提出が義務付けられている「雇用保険被保険者資格喪失届」と同時に提出することが一般的です。
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離職証明書の提出から退職者に離職票が届くまで
離職証明書をハローワークに提出するところから、退職者に離職票が届くまでの一連の流れを解説します。この流れを把握しておけば、退職者から「離職票が手元に届くのはいつごろでしょうか?」といった質問を受けた際、おおよその目安を案内できるでしょう。
1.離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を作成
離職証明書が必要な場合は、雇用保険被保険者資格喪失届と併せてハローワークに提出できるように2枚併せて作成します。
提出期限に間に合うように、退職日が決定したらなるべく早く作成に取り掛かりましょう。
2.退職予定者に離職証明書の内容を確認してもらう
企業側で離職証明書に必要事項を記入したら、退職予定者にいったん渡して内容を見てもらいます。離職証明書には賃金や退職理由などを記載するため、間違いが無いかを確認するのですね。
内容に不備が無ければ、署名・捺印をもらって回収します。
3.ハローワークに提出
退職日を迎えたら、翌々日から10日以内の間に、事業所の所在地を管轄するハローワークに離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届を併せて提出します。
提出時には以下の書類も必要なので忘れず持参しましょう。
- 労働者名簿
- 出勤簿(タイムカード)
- 賃金台帳
- 退職理由が確認できる書類(退職願・就業規則・役員会議事録など)
4.ハローワークから企業に離職票が届き、企業から退職者に渡す
提出物に問題が無ければ、数日後にハローワークから企業宛てに離職票‐1と離職票‐2が郵送されてきます。
企業用の控えも同封されているため、間違いが無いようによく確かめて、離職票‐1と離職票‐2を退職者に渡しましょう。当然ながらすでに退職した後なので、郵送することが一般的です。
離職証明書の提出は滞りなく!
離職証明書の提出が遅れると、退職者の失業給付金の受給開始も遅くなります。
失業給付金は退職の翌日から1年と限られており、受給開始の時期によっては本来受け取れるはずだった給付金が貰えなくなるリスクがあるのです。
また、期限内に提出しなかった場合、企業側にも刑事罰が科せられる場合があります。
退職の理由はどうあれ、お互い不利益を被ることが無いよう、離職証明書と雇用保険被保険者資格喪失届は速やかに提出してくださいね。
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