菓子製造の仕事に役立つ「菓子製造技能士」の資格
菓子製造は資格がなくてもできる仕事ですが、どの程度の知識や技術を持っているかの客観的な証明は難しいものです。
就職・転職の際に技術をアピールしたり、お客様からの信頼を得たりするための材料としては、国家資格の「菓子製造技能士」が役に立つでしょう。
この記事では、菓子製造技師の概要や取得方法、資格のいかし方について解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
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「菓子製造技能士」とはどのような資格なのか
菓子製造技能士は、厚生労働省による「技能検定」のひとつです。
技能検定は働く上で身についたり、必要とされたりする技術の習得レベルを評価する制度です。菓子技術清三技能士の他には、園芸装飾やコンクリートブロック工事作業、高圧洗浄作業など、111の職種が技術認定職種として存在しています。
菓子製造技能士においては、洋菓子製造作業と和菓子製造作業に分類されており、それぞれに2級と1級があります。洋菓子・和菓子や食品衛生法、関連法規などの知識を問う筆記試験の他、実技試験も行われます。
試験の実施は年1回なので、落ちてしまうと次のチャンスは1年後です。しっかりと準備を整えて臨む必要があるでしょう。
参考:
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
菓子製造技能士の資格を取るには
菓子製造技能士には受験資格が設けられています。まずは製菓専門学校に通ったり、実務経験を積んだりして受験資格を得ることが必要ですが、学歴などによって要件が異なります。
2級・1級の受験に必要な資格を見ていきましょう。なお、受験資格についての要件は洋菓子製造技術も和菓子製造技術も同一です。
2級の受験資格
2級の受験資格を得るためには、2年以上の実務経験が必要です。見習いパティシエ・見習い和菓子職人として働きながら、資格取得を目指す方法が一般的ではないでしょうか。
ただし、厚生労働省の認可を受けた製菓専門学校や、大学・短大・高等専門学校で製菓に関する学科を専攻した場合などは、実務経験なしで受験できます。
1級の受験資格
菓子製造技能士の資格は、2級をスキップして1級から受験することも可能ですが、実務経験だけで受験資格を得るためには、7年の歳月が必要です。
ただし、学歴や職業訓練の修了といった要件を満たせば、実務経験に必要な期間を短縮できます。例えば4年制の大学で製菓について学んでいる場合は、4年の実務経験で受験資格を得られます。また、2級に合格している場合は合格後から数えて2年間の実務経験でOK。
これから菓子製造の道を歩み始めるのであれば、まず2級を取得することが近道と言えるでしょう。
参考:菓子製造技能士の受験資格について/日本菓子教育センター
菓子製造技能士の資格のいかし方
菓子製造技能士の資格を取った後は、どのような事に活用できるのでしょうか。資格のいかし方を見ていきましょう。
キャリアアップ
資格を取るということは、知識や技術を証明できるということです。職場によっては資格手当がついて給料が上がったり、昇格試験にチャレンジできるようになったりすることもあるでしょう。
より良い条件の職場への転職を目指す際にも役立ちます。高級ホテルのカフェやレストラン、茶室などですばらしいお菓子を作れるようになるかもしれません。
また、独立開業の足掛かりとしても有効です。菓子製造の道で長く頑張っていくのであれば、菓子製造技能士の資格を取って損はないはずです。
商品開発
菓子製造技能士は、菓子製造に必要な知識・技能を総合的にブラッシュアップできる資格です。また、1級ではお菓子のデザインも試験範囲に含まれるので、自分のセンスでお菓子を作ることに役立つのではないでしょうか。
「オリジナルのお菓子を開発したい」「自分の店に自分が編み出したお菓子を並べたい」という方は、ぜひチャレンジしてくださいね!
菓子製造の講師
菓子製造技能士の資格を持っていると、職業訓練指導員(パン・菓子科)の免許を取得するハードルが下がります。2級合格者は実務試験、1級合格者は実務試験と関連学科が免除されるのでスムーズに免許を取得できるのではないでしょうか。
また、お菓子作り教室を開いたり、講師として就業したりする際にも菓子製造技能士の資格は役に立つのではないでしょうか。「菓子製造を教える立場になりたい」と考えている方にとっても、有益な資格と言えるでしょう。
菓子製造技能士の資格で確かな技術をアピールしよう!
菓子製造技能士の資格を取れば、プロの和菓子職人・パティシエであることが証明できます。キャリアアップや独立開業など、将来の自分にとってプラスに働く資格なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
なお、資格をいかせる仕事を探す際には、おもてなしHRをご活用ください。