湯治場の歴史が残る名湯、下部温泉。働き方や暮らしとは

山梨県南巨摩郡身延町に位置する下部温泉は、戦国武将が傷を癒したことでも知られ、1200年の歴史を誇る温泉郷です。山里の豊かな自然環境のもと、湯治場として古くから続く歴史が今もなお残されています。今回の記事では、下部温泉の概要や歴史、泉質、観光、温泉地での働き方や暮らしについてご紹介します。

目次

    下部(しもべ)温泉とは

    富士山と紅葉

    iStock/thitivong

     

    戦国武将が傷を癒したことでも知られる下部温泉。温泉療法に適している温泉として選ばれ、優れた効能が評価されています。はじめに、下部温泉の概要やアクセス、歴史についてご紹介します。

    下部温泉の概要とアクセス

    下部温泉は、富士川支流の下部川沿いにある山間の静けさが漂う温泉地です。良質な泉質は多くの湯治客から親しまれ、夏は避暑地として賑わいます。
    下部温泉アクセスは、新宿駅から甲府駅で下車し、下部温泉駅まで最短約2時間15分です。また、東京方面から車で高速道路を利用し、約2時間半でアクセスできます。

    下部温泉の歴史と現状

    下部温泉は1200年以上の長い歴史を持つ温泉郷です。下部温泉の開湯に関して、古くから伝わる説では、第12代天皇の時代に発見されたとも言われています。また、戦国武将と多くの兵が、川中島の戦いで受けた傷を癒したことで知られています。

     

    戦国武将のかくし湯の一つとされる下部温泉は、古くからその豊かな効能が伝えられてきました。保養や療養を目的に、多くの湯治客が訪れ賑わいを見せました。また、古くから湯治客が病の治癒祈願などで参拝に訪れる神社があり、下部温泉の湯治の歴史深さを物語っています。

     

    現在、国民保健温泉地に指定され、今も多くの人々が湯治目的で訪れています。また、テレビドラマの舞台としても利用され、著名人も多く訪れているようです。

    下部温泉の泉質と温泉街・観光資源について

    温泉と女性

    iStock/PRImageFactory2

     

    下部温泉の良質な湯は、入浴だけでなく飲泉できることでも注目され、ミネラルウオーターとして販売されています。2011年には博物館の敷地内に、足湯が設置され、弱アルカリ性単純泉を用いた源泉掛け流し湯が楽しめます。下部温泉の泉質や効能、周辺の観光についてご紹介します。

    下部温泉の泉質について

    下部温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明の良質な湯は優れた効能で知られています。慢性関節リュウマチ、慢性筋肉リュウマチ、神経痛、神経炎、冷え性、疲労回復などに適しているとされています。また、飲泉としても知られ、胃弱、便秘性、胃酸過多、胃炎などに効果があるといわれています。

    参照:山梨県下部温泉公式HP/下部温泉郷

    下部温泉周辺の観光スポット

    下部温泉周辺には、砂金採り体験ができる博物館、国指定の貴重文化財・旧家など歴史深いスポットがあります。また、千円札に描かれた富士山の撮影場所としても有名な富士五胡の一つ「本栖湖」では、ウインドサーフィンやヨットなどのアクティビティの他、キャンプも楽しめます。

     

    下部温泉がある身延町は、ホタルの里としても知られており、毎年5月から6月頃にかけて天然のホタルを間近で見ることができます。数多くのホタルが舞う光景は、幻想的な世界を作り上げます。

     

    モデルコースを紹介したマップを提供しているので、散策してみるのもよいですね。

    下部温泉にあるホテル・旅館での働き方&その地での暮らし方紹介

    釣り竿

    iStock/Serhii-Sobolevskyi

     

    下部温泉にあるホテルや旅館での働き方、見延町の暮らしをご紹介します。

    下部温泉の旅館やホテルで働く

    下部温泉は療養温泉でも知られ、湯治目的で訪れる人が多くいます。連泊される常連のお客様も多く、リピーターのお客様ならではのおもてなしが学べることでしょう。

     

    家庭的で昔ながらの風情が感じられる宿も多く、客室数6室の宿から105室備えたホテルまで個性的な宿泊施設が立ち並んでいます。中には、整骨院を併設し、療養をメインとしたところもあります。また、お客様の身体に配慮し、素材や調味料にもこだわった健康志向の会席料理を提供しているホテルもあり、さまざまな趣向を凝らしています。

     

    求人は、フロントや仲居など業務全般の募集があり、寮を完備している宿もあります。

    山間に佇む下部温泉での暮らし

    山梨県南部に位置する身延町は、東京から2時間半ほどの距離にある自然豊かなまちです。天然のホタルの飛来や川でヤマメ釣りなど四季折々の自然が身近にあります。山里の静かでゆったりした雰囲気は、心穏やかな日常が待っていることでしょう。

     

    身延町では子育て支援にも積極的に取り組んでおり、18歳までの子どもの医療費無料化や保育所などにおいて入園支度金、小・中学校の入学支度金の支給や給食費の無料化などを実施しています。また、新たに実用英語技能検定の検定料助成などを導入し、子育て世帯のサポートだけでなく、学校教育の充実を図っています。

    湯治客で賑わう下部温泉

    温泉で休む男性

    iStock/DavorLovincic

     

    戦国武将が傷を癒したことで知られる下部温泉。その高い効能から多くの湯治客が訪れています。リピーターの常連客も多く、またこの宿を選んでもらえるよう、きめ細やかなおもてなしを提供することもやりがいの一つかもしれません。仕事帰りや休みの日などに、下部温泉の良質な湯に浸かり、リフレッシュするのもよいですね。

     

    見延町での暮らしは、川のせせらぎや澄んだ空気に日々心を研ぎ澄まされるでしょう。町では定住促進を目的に、住宅を新築した移住者や、空き家バンク制度を利用して転入した移住者を対象に、祝金を実施しています。移住を決めた際に、活用してみてはいかがでしょうか。

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