ホテルのフローリストとはどんな仕事？

malkovkosta – stock.adobe.com

フローリストとは本来、園芸愛好者を指す言葉ですが、お花を扱う職業の人という意味で使われることが一般的です。具体的にはお花屋さんや、ブーケ・アレンジメントを作成するフラワーデザイナー、お花の栽培をする人などがフローリストとされています。

ホテル業界でのフローリストと言えば、フロントやレストランをお花のディスプレイを飾ったり、結婚式・披露宴の会場をフラワーアレンジメントで装飾する仕事をしている人を指します。

そんなホテルのフローリストになる方法、仕事のやりがいや大変なことについて解説します。

ホテルのフローリストになるには

One- stock.adobe.com

ホテルのフローリストは、ホテルで直接雇っているのではなく、外部委託が一般的です。お花屋さんと契約していたり、個人のアトリエに依頼をしているのですね。

ホテルでフローリストの仕事をしたいのであれば、ホテルと取引のあるお花屋さんやアトリエを就職先として選ぶことが近道です。就職にあたっては以下のような方法があります。

フローリストの専門学校を出る

フローリストの専門学校では、在学中にお花に関する以下のような資格を取得することができます。フローリストは資格必須の職業ではありませんが、やはり自分の実力を証明するためのものとして、取得するのに越したことはないでしょう。

• ・フラワー装飾技能士
• ・フラワーデザイナー検定
• ・グリーンアドバイザー資格
• ・色彩能力検定
• ・グリーンアドバイザー資格

社会人経験を重ねてからフローリストを目指す人も多く、生徒の年齢層が幅広いのがフローリストの専門学校の特色です。実務経験が無くても、ある程度の知識や技術を得ることができるので、花屋さんへの就職が有利になるでしょう。

実務経験を重ねる

お花屋さんで働きながらフローリストの勉強をする手段もあります。お花屋さんは比較的、採用の間口が広く、未経験でも採用されるチャンスは大いにあるでしょう。

パートやアルバイトでの入社でも、資格取得のための支援や、資格保持者には手当を支給する制度を設けているところもあります。

通信講座や独学で目指す

簡単なことではありませんが、通信講座や独学でフローリストの仕事のための資格を取得するということも可能です。

この方法のメリットは、別の勉強や仕事をしながらでも取り組めることですね。資格取得後に、良い条件で花屋さんに就職したり、アトリエを開くことを目指せます。

ホテルのフローリストのやりがい

Mitch-Shark-1 – stock.adobe.com

ホテルのフローリストは、憧れを抱く人が多い人気の職業です。実際にホテルのフローリストとして働く人は、どのようなやりがいを持っているのか見ていきましょう。

結婚式・披露宴に花を添える

ホテルのフローリストの業務の中心は、結婚式・披露宴の飾りつけです。一生に一度の思い出に、文字通り花を沿えるのですね。

カップの雰囲気に似合うアレンジを考え、喜んで貰えた時の達成感は、ホテルのフローリストならではの喜びでしょう。

お花の魅力を日々探求できる

もともとお花が大好きな人にとって、日々お花の魅力を探求できることは大きなやりがいになるはずです。同じお花でも、組み合わせや角度によって表情が全く違って見えますよね。

お花の魅力を最大限に高めることは、心底お花を愛している人でなければできないはず。自分の手によって、お花が最も輝く表情を引き出すことに、フローリストはやりがいを感じるのです。

実力で勝負できる世界

フローリストの世界は実力が全てです。本物の実力を身に付ければ独立し、有名なフラワーデザイナーになれるチャンスがあります。

都内の高級ホテルの結婚式場では、複有名フローリストを起用していることを大々的にアピールしています。フローリストはホテルの看板を背負って立つほどに、重要な存在なのですね。

ホテルのフローリストの仕事で苦労に思うこと

Laura-Stone- stock.adobe.com

ホテルのフローリストは大きなやりがいがある分、大変な思いをすることも多い仕事です。現役のフローリストたちは、どんなところが苦労だと感じているのでしょうか。

体力を使う

お花の繊細な美しさとは裏腹に、フローリストの仕事は体力勝負です。特にホテルのフローリストは、広い会場を飾り付けるために、一日に何度も思いフラワーベースを運んだり、冷たい水に触れたりしています。

また、剣山やワイヤーを使うアレンジで手に傷を作ることも日常茶飯事で、ネイルアートなどの指先のおしゃれはできません。

作業場の環境が過酷なことが多い

フローリストが最優先に考えなければならないのは、お花の鮮度を保つことです。どんなに完璧なアレンジでも、お花が萎れては台無しですよね。お花をしおれさせないために、冬でも作業スペースに暖房を入れないことは珍しくありません。

また、ホテルの作業スペースが窓の無い地下室であったり、充分なスペースが使えないといったこともしばしばあります。

人の幸せを祝い続ける

ホテルのフローリストのメインの仕事は、結婚式の飾りつけでしたよね。日々、延々と人の幸せを目の当たりにし続けるのは、場合によっては辛いことかもしれません。

フローリストは接客の要素もある仕事です。ただお花を飾れば良いというものではなく、お客様の気分を良くすることも大事ですよね。

自分が置かれている状況によっては、幸せなカップルをうらやましく思うこともあるでしょう。しかし、笑顔で心底祝っているフリをし続けるのがプロというものなのです。

チームワークが必要

メインのアレンジを作る人・テーブルの花を担当する人・花嫁さんの髪を飾る人・フラワーシャワーの準備をする人など、フローリストはチームで動きます。

滞りなく会場の準備を進めるには、チームワークが必要不可欠ですよね。ブライダルが多い時期は、披露宴がひとつ終わったらすぐに次の披露宴の準備に入ることもあり、息を合わせて動かなければなりません。

フローリストの仕事はひとりで黙々とアレンジを作るだけではありません。円滑な人間関係を築くコミュニケーション能力も重要です。

ホテルのフローリストは憧れだけではできない仕事

HanaPhoto- stock.adobe.com

ホテルのフローリストには、お花に囲まれてキラキラした仕事というイメージを抱く人は多いです。しかし実際には、力仕事や地味な作業、人間関係の気疲れといった苦労が多く、憧れて飛び込んでも続かない人が少なくありません。

それでも本当にお花が好き・お花の力で人を幸せにしたいという強い思いを持っていれば、フローリストの世界で身を立てていけることでしょう。

ホテルのフローリストは過酷なことがある分、良い経験になるはずです。ホテルで経験を積んでアトリエをもち、ブーケのみのオーダーを受けたり、小規模なブライダルを担当するという道もあります。

興味のある人はぜひ、フローリストの求人情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。