接客業では避けて通れない「笑顔」
接客をしている姿というと、自然と笑顔の従業員を思い浮かべる方も多いことでしょう。
接客マナーの基礎にも一つとされている笑顔は、接客業従事者にとって避けて通れない道ですが、「笑顔を作るのが苦手…」という接客業従事者も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
笑顔は、自然と作ることが上手い人と、そうでない人といます。しかし、笑顔の作り方をトレーニングすることで、誰でも自然な笑顔で接客を行うことができるようになるのです。
接客で笑顔を作ることができない原因、接客で自然な笑顔をキープするための具体的なトレーニング方法をご紹介します。
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接客で上手く笑顔が作れない原因
この記事をご覧になっている方は、笑顔を作ることが苦手という方も多いのではないでしょうか。笑顔が苦手という方にも、様々な原因があります。接客で笑顔が上手く作れない4つの原因をみていきましょう。
緊張をしている
接客で上手く笑顔が作れないという方は、もしかすると接客をする際、緊張をしてしまっているかも知れません。
接客をまだ始めたての方や、お客様のクレーム対応を受けた直後などは、無意識で緊張をしてしまい、それが表情にも表れてしまうということがあります。
緊張とともに表情はこわばってしまいますので、ふと鏡を見た時に笑顔が作れていないという方は、リラックスして接客に臨むよう心がけましょう。
自分の笑顔が嫌い
意外と多いのが、「自分の笑顔が嫌い」という理由から笑顔を上手く作れないという方です。顔全体、もしくは歯や頬など、顔のパーツにコンプレックスを抱えている方は、このような感情を抱きやすい傾向にあります。
しかし、他人は自分が思っているより自分のことを見ていないものです。笑顔のクオリティよりも、真顔であるということの方がお客様を不快に感じさせてしまう可能性が高いでしょう。
加えて、「自分の笑顔が気持ち悪い・ブサイクだ」と思っているのは、自分の自己肯定感の低さから生まれるもので、実際には無表情よりも笑顔の方が素敵な方が大半です。
あまり悲観的にならず、接客をするうえでは必要なことと割り切り、笑顔を作れるようになってくださいね。
意識が続かない
接客での笑顔は、お客様と接している意外でも必要となってきます。お客様の目に触れることがある場面では、非接遇時でも常に笑顔を保ち続けなければなりません。
慣れてしまうとどうということはありませんが、特に接客を始めたての方であれば笑顔の意識が続かないと感じている方もいるようです。
接客が楽しくない・怖い
そもそも、接客が楽しくないと感じてしまっていたり、恐怖心を抱いている方は自然な笑顔が作れない傾向にあります。
接客は、不特定多数のお客様と接する機会があるうえ、時には無理難題を強いられることもあることから、一定数ストレスを感じてしまう方もいます。
接客を楽しむ気持ちを持ち仕事にあたれば、自然と笑顔は生まれるものですので、完璧に仕事をこなすというよりはまず接客を楽しむということを心がけて、仕事にあたってみてください。
接客が怖い、と感じている方は下記記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
接客業で笑顔が重要な理由とは?
接客で笑顔が作れない原因をご紹介してきましたが、笑顔が作れないことを克服するとたくさんのメリットがあります。接客業で笑顔が重要とされている理由と、そこから生まれる4つのメリットをご紹介します。
お客様の安心感が強まる
対人関係で笑顔が重要と言われている理由のひとつとしては、相手に安心感を与えることができるということです。
接客で言えば、笑顔をキープし接客にあたることができている従業員は、笑顔がキープできていない従業員に比べて手練れである印象を受けますよね。
笑顔により、お客様は無意識下で安心を覚えます。そして、その安心感は心の距離が短くなることに繋がります。心の距離が縮まったことで、お客様と良い関係を築くことができるということが、笑顔を作るメリットと言えるでしょう。
お客様が話しかけやすくなる
お客様が安心感を覚えたことにより起こるのが、「お客様が話しかけやすくなる」ということです。
無表情で黙々と作業に当たっている従業員と、にこやかな従業員がいた場合、お客様はどちらに話しかけやすいでしょうか。自身がお客様の立場に立てば、答えは明白でしょう。
お客様発信のコミュニケーションが増えるということは、自身を知ってもらう機会が増えることと同義です。特に、販売を行う接客業従事者であれば、自然と自身の売上向上にも繋がることでしょう。
店舗の雰囲気が明るくなる
笑顔の従業員が多ければ、店舗の雰囲気が明るくなります。笑顔は安心感と同様に、相手を笑顔にしたり楽しい気持ちにする作用があります。
テーマパークに行った時、従業員の笑顔を見たことで楽しさやワクワク感が更に増した、という方も少なくはないでしょう。
笑顔の従業員が増えれば増えるだけ、店舗の雰囲気が明るくなり、店舗全体から安心感や高揚感を生むことができます。
売上が上がる・リピーターが増える
お客様が店舗や従業員との心の距離が近くなるということは、自然と売上が上がることに繋がります。似たような商品が売っているのであれば、笑顔で親身になって相談に乗ってくれる店舗を次も利用したい、と思うのがお客様の心理です。
売上が上がったり、リピーターが増えるということは、結果的に自身が楽しく仕事をすることができる環境を作ることへ繋がるでしょう。
逆に、笑顔が無いだけで「接客態度が悪い」と判断されてしまうこともあります。クレームの半数は接客態度に関するものだというデータもあるほどですので、笑顔の持つプラス面と笑顔が無いことによるマイナス面を踏まえ、笑顔をキープできるようになってくださいね。
接客態度について気になる方は、下記記事よりをご覧ください。
接客で自然な笑顔を作るトレーニング
では、どのようにすれば接客で自然な笑顔を作ることができるのでしょうか。笑顔を作るための下準備、自然な笑顔を作るトレーニング、ワンランク上の笑顔を作るトレーニング方法をご紹介します。
表情筋を鍛えるトレーニング
笑顔が得意ではないという方は、表情筋が固まってしまっていることがありますので、表情筋をほぐすということから始めましょう。気になるトレーニングがあれば、ぜひ実践してみてください。
- ・ウイスキー体操
口を広げる、すぼめることを意識しゆっくりと「ウイスキー」と10~20回繰り返します。
「これ以上口が広がらない、すぼまらない」という所まで動かすのがポイントです。
動きとあわせ声を出し、1日1回、毎日続けると効果的が高まります。
- ・割り箸トレーニング
割っていない状態の割り箸を歯で水平に挟みます。
そのまま、口角を割り箸のラインより上に保ち、30~60秒ほどキープ×3セットほど繰り返しましょう。口角の上がった自然な笑顔を、保ち続けやすくなります。
- ・目と舌のトレーニング
おでこにシワが寄らないように両手でおでこを押さえ、目の開閉をするだけでも豊かな笑顔を作ることに繋がります。
舌先で、上の歯を左右にゆっくりと舐めたり、舌を出せるところまで出し引っ込めることを繰り返すことでも、表情筋を鍛えることができます。
日々トレーニングを行い、辛くないと感じるようになれば確実に自然な笑顔に近づいていると実感できることでしょう。
自然な笑顔を作るためのトレーニング
職場で、勤務中でも行うことができるトレーニングです。
- ・口角を上げることを意識する
内側のほほ肉を歯につけるということを意識するだけでも、口角が上がって見えます。
同時に、舌を上あごにつけることをキープすると、舌の筋肉をつけることができ、自然な笑顔を作る土台を作ることに繋がることでしょう。
- ・鏡で笑顔を確認しながら仕事をする
コールセンターなどのデスクワーク中心の接客業であれば、テーブルの上に鏡を置く、対面の接客業であれば手鏡を持つなどして、時折笑顔を確認するのもよいでしょう。
笑顔の意識を保ち続けるのがポイントです。慣れると、意識をせずとも自然と笑顔を作ることができるようになります。
ワンランク上の笑顔を作るトレーニング
ワンランク上の笑顔を作るトレーニングは、日々意識をして接客にあたることが重要となってきます。
- ・上の歯を全て見せる
感情を表現したい時は、上の歯を全て見せるように口を横に大きく開き、笑うことを意識しましょう。口角を高く上げることができるようになれば、口を開くだけで上の歯全てが見える笑顔を作ることができます。
- ・目で笑う
素敵な笑顔を持つ方は、口と合わせて目も一緒に笑うことができます。初めのうちは、目を細めるだけでも「目も笑っている」という印象を与えることができますので試してみましょう。
慣れてきたら、弧を描いたような目の形ができるよう、ほほの筋肉を上げる訓練をしてみてください。
- ・左右対称となる意識を持つ
特に口角は、片方だけを上げてしまうと含みのある笑いに見えてしまいます。普段から噛み癖などがついている方は直すように、またどちらか片方を上げる笑い方に慣れてしまっている方は、笑顔が左右対称に見えるように訓練を行いましょう。
自然に素敵な笑顔を作るのは、一朝一夕にはいきません。日々笑顔を意識しながら仕事に励んでくださいね。
接客で笑顔をキープするためのコツ
接客で笑顔をキープし続けるには、どのようなコツが必要になるのでしょうか。接客で笑顔をキープし続けるための5つのコツをご紹介します。
仕事モードに切り替える
接客業では、気持ちの切り替えはとても重要な作業です。気持ちの切り替えが上手い方は、無駄なストレスを溜め込まない傾向にあります。
玄関を出る時、出社前のお手洗い、バックオフィスに入る時などに自身の中で「よし、仕事だ!」と一息入れ仕事にあたると、メリハリをつけて働くことができますよ。
接客を楽しむ
接客が楽しくないと考えていれば、その気持ちは表情に表れてしまいます。逆に、楽しむ気持ちを持ち働くことで、自然と自分を表現することができます。
数字や完璧な接客態度ばかりを意識していると、接客を楽しんで行うことは難しくなってしまいますので、まずはリラックスをして、接客本来の楽しさに向き合い、仕事に励むことをおすすめします。
お客様に見られている意識を保つ
自分がお客様としてお店に訪れる時と同様、お客様から見られているという意識を保ち続けることも重要です。
しかし、あまり意識しすぎてしまっては、こわばった笑顔となってしまいます。あくまで、お客様の気持ちに立ち「こんな表情の従業員であれば話しかけやすいかな」というような感覚で、笑顔をキープすることを意識してくださいね。
他の従業員の笑顔を見る
笑顔は人を笑顔にする効果もあります。笑顔を作ることが苦手だと考えている人は、時折他の従業員の笑顔を目にすることを意識しましょう。
他の方の笑顔を見ることで、自身も笑顔を作らなくてはと気持ちを入れ替えることができるのと同時に、自身も楽しい気持ちになり、自然と笑顔が生まれるはずです。
従業員に指摘をしてもらうよう依頼する
笑顔を作るのが人一倍苦手で、笑顔の意識が続かない、という方であれば、年齢の近い従業員もしくは先輩に「笑顔が出来ていなかったら指摘をしてください」と頼んでみてはいかがでしょうか。
すれ違い様に触れてもらう、目くばせをしてもらうなど決めることによって、笑顔を意識し直すことができます。慣れてくると、ゲーム感覚になり接客をより楽しむことができるかも知れませんよ。
ホテル・旅館でも笑顔の接客は必須!
ホテル・旅館などの宿泊業界は、接客のプロが集う業界ですので、自然な笑顔を作ることが上手い従業員もたくさんいることでしょう。そんな中で、笑顔が苦手ということであれば他業界に比べても一層悪目立ちしてしまうものです。
宿泊業界で接客に従事していて、笑顔が苦手と感じる方であれば見えない所でトレーニングを行うのが大切になってきます。
前項まででご紹介したトレーニングや、先輩から指摘をもらえるように依頼をするなど、自然な笑顔を作ることができる努力を行ってみてください。
笑顔で接客をするには接客を楽しむ気持ちが大切!
笑顔に自信はあるが意識が続かない方、そもそも笑顔に自信が無い方など、接客業従事者にも様々な方がいらっしゃるはずですが、どんな方も、自然な笑顔で接客を行えるようになるまでには慣れが必要だということを覚えておきましょう。
そして、慣れるまではとにかく接客を楽しむということを意識してください。楽しむ気持ちがあれば、自然と素敵な笑顔をキープできることに繋がるでしょう。
また、笑顔への意識を続けることが苦手という方は、自然な笑顔を目にする機会が多いホテル・旅館などの宿泊業に就職・転職するのもよいかも知れません。
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