ホテルのシフト管理ができていないと離職率が上がる
シフト制とは、変形労働時間制のことです。24時間体制のホテルが多いことから、円滑にホテル業務を進めるためにうまく使いこなすことが求められます。
ホテル業界では珍しくない「中抜けシフト」にネガティブなイメージを抱くスタッフもおり、離職の原因になってしまうこともあります。
中抜けシフトは拘束時間が長く、「中抜けシフトの休憩中はゆっくり休めない」「常に仕事に追われている気がする」などスタッフの不満も高いことも事実。
スタッフの意見や現場の実態などが反映されないシフトを作成してしまうと、ホテルの離職率に直結してしまうことが多いので、シフト管理は非常に重要な役割を担っているのです。
また、残業や長時間労働が多い現場などは、特にシフト管理によるスタッフへの配慮が必要です。
ですが、シフトを作成する時点でそれらを改善しようとしても、特定のスタッフに負担がかかってしまうリスクもあります。
シフト作成を見直せば、業務を効率化できる場合もあるので、一人ひとりの生産性も向上するはずです。
スタッフがよりよい職場環境で働けるよう、シフト作成を甘く見ず一緒に考えていきましょう。
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ホテルのシフトを作成するときの注意点
実際にシフトの作成を解説していく前に、シフト作成時の注意点について確認していきましょう。
とりわけ、ホテルのフロントはいつでもお客様対応ができるように、24時間体制で人員を配置する必要がありますが、スタッフの休日を調整することも課題となっていることでしょう。
この場合、シフトを作成する際は、あらかじめ休日があることを前提としてシフトを組まなければなりません。
また、大型連休や土日は忙しくなるホテルも多いですよね。
タイミングを加味して人員を揃えなければ、一人ひとりにかかる業務負担が多くなり、ミスを引き起こす原因となってしまう場合もあるので気を付けましょう。
24時間体制の職場だからこそ、早番・中番・遅番といったパターンを設定し、徹底してそれを守る必要があります。
さらに、繁忙期には長時間勤務、閑散期には短時間勤務を実施することも視野に入れましょう。
その際は、スタッフの過重労働を防ぎ、働きやすい職場環境を整えるために、スタッフの要望を取り入れることを忘れないでください。
シフト制では経験の浅いスタッフばかりになると、その時間帯を任せられた本人たちも不安に陥ってしまうので、経験豊富なスタッフも配置することも重要ですよ。
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ホテルのシフトを作成する前に
ホテルのシフトを作成する前に準備したほうが良いことをご説明します。これらを行っておくと、よりスムーズにシフトを組むことができますよ。
労働時間の明確化
シフトを作成する前にスタッフの労働時間を明確にしておきましょう。
勤務時間や中抜けの休憩時間などを曖昧にしておくと、長時間労働や残業が当たり前の職場になってしまいます。
スタッフの出社時間・退社時間・休憩時間を管理するような仕組みを作っておくことが大切です。
現場における実態の共有
明確にした労働時間を把握したら、それぞれの部門の責任者にフィードバックしましょう。
責任者に伝えることで、労働時間の実態を意識してもらうことができます。
そのうえで、現場で改善するにはどのような工夫をするのかが見えるようになるのです。
また、残業が多いスタッフや、休みが取れていないスタッフの洗い出しにも役立ちます。
事前にそれを把握することもできますので、スタッフへのヒアリングや、全社員へ注意喚起を促すことも可能です。
現場における実態を共有すると、残業や長時間労働を防止することもできますし、残業の上限時間を設定するというような対策も早期に実施することも見込めますよ。
休暇を取りやすい雰囲気づくり
ホテルのシフト制では、休暇が取りづらいこともスタッフの不満として挙げられています。
まず有給休暇は上司が率先して取得するように働きかけましょう。
あらかじめ連続休暇を設定することで、スタッフも旅行などに行きやすくなり、そこでお客様の目線にたってサービス業について考えたり学んだりするきっかけにもなるでしょう。
閑散期にはまとめて5~6日の休暇を一気に取得するよう、推奨してみることも一つの方法です。
さらに、誕生日休暇など、ホテルごとにユニークな休暇制度を設け、積極的にスタッフに休んでもらう動きがあっても良いかもしれません。
休暇が取りやすい職場は、結果的にスタッフのモチベーションも上げることになります。スタッフが快適に働けるホテルは、サービスの質も向上することでしょう。
生産性をあげるホテルのシフト例とは?
それでは、生産性をあげるシフト例を見ていきましょう。
すぐに取り入れられそうなポイントがあれば、早速実践してみてくださいね。
長短シフトを組み合わせる
スタッフの不満が一番多いのが「中抜けシフト」です。
中抜け休憩をつくらず、長時間・短時間シフトを組み合わせて調整する方法で解消しましょう。
日によって異なる作業量を予測し、それに労働時間数をできるだけ合わせてみてください。
短時間のシフトで4時間、長時間のシフトで10時間程度に抑えると、繁忙期・閑散期に無駄な残業などを減らすことができた例もあります。
また、シフトによる労働時間の長さは30分単位でバラバラに設定しておくと、より効果的でしょう。
一日の休日を取れるようにする
従来のシフト制だと、「一日の休日=午後から翌朝までの休み」となってしまい、朝から夜までしっかり休めないといったことがスタンダードになっていたことでしょう。
しかし、シフトを作成する際は「一日の休日=朝から夜までの休み」を徹底してください。
朝と夜をきっちり分業化し、メリハリの効いた働き方を考えてみましょう。
例えば、1人の担当がお客様のお出迎えからお見送りが通例だったホテル・旅館は、1人だけが担当するのではなく、担当が変わっても良いスタイルを確立しても良いかもしれません。
パート・派遣社員・アルバイトを活用する
正社員のみでシフトを組みにくい場合は、パート社員・派遣社員・アルバイトを積極的に活用しましょう。
繁忙期などは正社員の休みを削ったり、残業を増やしたりするのではなく、パートやアルバイトの時間を増やすことを検討してみてください。
普段からもパートやアルバイトには団体客対応をしてもらうなど、比較的軽い業務を頼むと正社員の業務量を減らすことができ、休日も取得しやすくなります。
それでも人員が足りない場合は、人材派遣の活用をおすすめします。
ただし、このような働き方を推し進めるには、パート・派遣社員・アルバイトの教育や研修をしっかりと行う必要があるので慎重に進めてくださいね。
マルチオペレーション化を実践する
誰がどの業務を担当しても良いように、マルチオペレーション化を実施してみてはいかがでしょう。
今までは担当部署があることで、できる仕事の範囲が決まっていました。
担当が休んでしまうと進まない仕事ができてしまうなど、業務の効率が落ちてしまうことが課題になっていましたよね。
しかも、それによって正社員が休暇を取得しにくい環境もできてしまいます。
マルチオペレーション化を進めると、誰がどのポジションでも担当できるので休暇の取得も促進されます。
休暇を取得できるようになることで、従業員の意見を考慮したシフトも組みやすくなり、労働効率も一段と上がりますよ。
生産性のあるシフトを組めば採用活動も有利になる
休暇が取りにくい職場環境は、離職率が上がってしまう原因につながっています。
それほど、休日を前提としたシフト作成は重要だといえるでしょう。
しかし、ホテル業界には未だに「快適に働きにくい」というイメージがあります。
だからこそ本記事でご紹介したシフト例を取り入れることで、採用活動をするうえで求職者に良いアピールをすることができます。
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