板前とは
板前とは、日本料理や和食の技術を身につけた料理人のことを言います。主に料亭や寿司店、割烹などで調理業務に従事する仕事です。
もともとはまな板の前で調理をする人のことを指していましたが、現在は幅広い分野の調理業務について板前という名称が使われているようです。日本料理人や和食料理人と呼ばれることもあります。
仕事内容は、和食調理に加え、接客、食材の仕入れから下ごしらえ、洗い物、掃除など多岐に渡ります。
また、板前になるには取得が必須となる資格や免許がありませんが、和食に関するすべての知識と技術を習得しなければなりません。
一般的に、一人前の板前になるには10年かかるといわれています。大きく分けて、以下の5段階の修業を積まなければなりません。
- 【追い回し・下積み】掃除・洗い物・器の準備・野菜の下処理・まかない料理作成
- 【先付け・八寸場】料理の盛り付けおよび切り分け
- 【焼き場・揚げ場】焼き物・揚げ物などの加熱調理
- 【蒸し場・煮方】すべての料理の味付けの担当
- 【板場】刺身や鮮魚、肉、野菜などの切り付け
このように板前になるまでの道のりは非常に長いです。そのため、一人前の板前になるには時間がかかることを覚悟したうえで挑戦したほうがよいでしょう。
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調理師とは
調理師とは、調理に関する専門的な知識や技術が身についている人のことです。調理師は国家資格であり、調理以外に食材の栄養や調理場の衛生環境などに関する知識も保有しています。
飲食店や食堂、ホテル・旅館、食品メーカーなど、食品に関わるさまざまな施設で調理業務を中心に従事していることが多いです。
仕事内容に関しては職場によって異なります。飲食店や食堂などでは料理を作り、食材の仕入れから仕込み、新メニューの考案などを担当することがありますが、食品メーカーでは商品開発や製品の試作を担当するようです。
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板前と調理師の違い
板前と調理師がそれぞれどのような職場で働き、どのような仕事をしているのかがおわかりいただけたでしょう。ここでは、この2つの違いを詳しく解説します。
資格の有無
板前は職務として日本料理や和食の調理を担当している人のことを指しますが、調理師は国家資格である調理師免許を取得している人のことを指します。
調理師免許は名称独占資格のひとつのため、調理師免許を持たない方が調理師だと名乗ることができません。
つまり、板前には資格や免許を持たずに働いている人がいますが、調理師は必ず調理師免許を保有して働いているということになります。
業務内容
板前として働いている場合、基本的には調理業務をメインとして行います。一方、調理師として働いている場合は、必ずしも調理の業務に携わるわけではありません。
調理師は職場によって担当する業務が異なり、飲食店や食堂といった料理を提供する場所では調理を行いますが、食品メーカーなどでは商品開発・試作を中心とした業務を担当することが多いです。
料理の分野
板前は日本料理や和食だけの調理をする人を指しますが、調理師は板前のように専門としている調理の分野に特に決まりはありません。
そのため、調理師は和食から洋食、中華、フレンチなど幅広い分野の調理を行うこともあります。
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板前は職務として日本料理や和食調理を担当している職人のことですが、調理師は国家資格である調理師免許を取得している人のことを指しています。
大きな違いとしては、板前は資格や免許を持たずに働けますが、調理師は必ず調理師免許を保有していないと働くことができないということです。
いずれにせよ板前も調理の仕事を担当することになるので、調理師免許を持っていたほうが就職・転職に有利となるでしょう。
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