ペットツーリズムの市場規模はどの程度?

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ペットツーリズムとは、ペットを同伴して楽しむ旅行のことです。
2022年の時点でホームセンターにおける生体やペット用品の販売額は2800億円以上を記録しました。特に2020年は飛躍的な伸びが見られ、新型コロナウイルスの影響で人に会いにくくなったことにより、ペットを飼い始める人が増えたのではないかと言われています。
その一方で犬の登録頭数は減少が続いていますが、ペットツーリズム市場の中心はやはり犬でしょう。飼い犬そのものの数は減っているものの、愛犬と観光を楽しむための施設・サービスは、年を追うごとに充実しています。
また、ペットフード・ペット用品の購入・動物病院代を除いたペット関連サービスへの支出額は2020年からゆるやかに上昇。ペットツーリズムでの消費も増加しているのかもしれません。
ペットツーリズム市場で提供される施設・サービスとは

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ペットツーリズム市場においては、どのような設備・サービスが提供されているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
公共交通機関
ペットを連れて公共交通機関を利用する場合、ゲージに入れて手荷物扱いにすることが一般的です。飛行機では貨物室、カーフェリーではペット専用ルームに預けるなど、長時間離れ離れになることに不安を感じる飼い主は多いでしょう。
しかし最近では、移動中もペットと一緒に楽しめるプランが用意されています。飛行機では猫か小型犬であれば1匹まで客室に持ち込めたり、カーフェリーではペットと寝泊まりできる船室があったり。
飼い主もペットも安心して、快適な移動を楽しめそうですね。
飲食・休憩
飲食・休憩のための施設でも、ペットツーリズムの需要に応える工夫がされています。
高速道路のサービスエリアや道の駅といったドライバー向けの施設には、ドッグランが併設されている場合があります。犬用の公衆トイレや足を洗うためのシャワーなど、充実した設備が用意されていることも。
また、ペットと一緒におやつや食事を楽しめるカフェ・レストランも見受けられます。
宿泊
ペットツーリズムにおいて、ペットと宿泊できる施設は非常に重要なポジションにあります。
ペット用の温泉や食事の提供など「家族の一員」であることをより実感できるサービスが人気。また、ワクチン接種やトイレトレーニングが済んでいることを利用条件にするなど、ペットツーリズムならではの配慮が見られます。
こうした宿泊施設を利用することで「ペットがいるから泊まりがけで出かけられない……」という悩みは解消されます。しかしその一方で、ペット同伴の宿泊は可能でも公共スペースには連れて行けないなどのルールがあり、ペットとの思い出作りに物足りなさを感じている飼い主もいるのではないでしょうか。
のびのびと過ごせる一棟貸しの宿にするなど、より自由度の高い滞在を提供することで、多くの需要を得られるかもしれません。
ペット用品のお土産
思い出の品として、自分へのお土産を購入する人は多いでしょう。ペットツーリズムにおいても、お土産の販売は立派な商機です。
ご当地キャラクターをあしらったペット用衣類やマスコットがついた首輪、地元の食材を使ったペットフードなども、ペットツーリズムのお客様に喜ばれるでしょう。
まだまだ可能性のあるペットツーリズム市場

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ペットツーリズムは比較的新しい市場です。今のところ犬が中心ですが、猛禽類の空中散歩を目的に山へ出かけたり、ハムスターやうさぎをお見合いさせるために遠方まで連れて行ったりするケースもあります。
工夫次第ではもっと市場規模を広げられるのではないでしょうか。今回の記事を参考に、適切なサービスを考えてみてくださいね!