ボーナスとは
ボーナスとは、毎月の給与とは別に支給される一時金のことです。民間企業の場合は、会社が生み出した利益や従業員の評価に応じた金額が支給されます。支給の時期は夏と冬の年2回が一般的。
ボーナスには法律上の定めがなく、具体的な支給日や評価などの詳細は各企業の就業規則で決められています。支給対象は正社員のみの場合が多いようですが、契約社員やパート・アルバイト従業員に支給することもあるでしょう。
そして制度はあっても「会社の業績が悪い」などの事情で支給されないことも。また、ボーナスの制度そのものを設けていない企業も存在します。
給与とは違って「必ずもらえるものではない」ということを押さえておきましょう。
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夏のボーナスの支給は何月?支給日の目安
夏のボーナス支給日は、公務員か民間企業の従業員かによって異なります。それぞれの支給日の目安を確認しましょう。
公務員の場合
国家公務員の場合、法律により毎年6月30日に支給されると定められています。
なお、地方公務員に関しては、条例の定めによるものの、基本的には国家公務員に準じて支給されていることが多いようです。
民間企業の場合
民間企業の場合は、公務員のように法律で定められているわけではありません。そのため、一般的には6月下旬から7月中旬までの間に支給されることが多いようです。
具体的な支給日に関しては、就業規則や雇用契約書などで確認するとよいでしょう。
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夏のボーナスの平均支給額
前述のとおり、ボーナスは必ずもらえるものではありません。また、支給額は企業の売上や従業員個人の成績などによって左右されますが、日本国内の民間企業における夏のボーナスは、平均でいくらぐらいなのでしょうか。
厚生労働省が調査した毎月勤労統計調査をもとに、2019年から2023年までの過去5年間の平均支給額を確認しておきましょう。
支給年 | 労働者一人あたりの平均賞与額 |
2023年 | 39万7129円 |
2022年 | 38万9331円 |
2021年 | 38万268円 |
2020年 | 38万3431円 |
2019年 | 38万1520円 |
この結果を見る限り、2019年から2023年までの過去5年間の夏のボーナスは、38万円〜39万円で推移していることが分かります。ご自身の夏のボーナスが高いか・低いかを判断する目安になるのではないでしょうか。
ただし、上記の表の平均賞与額は全産業を対象にしたものです。実際は業界によって支給額が異なるため、業界ごとの詳しい支給額を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてくださいね。
出典:毎月勤労統計調査(全国調査・地方調査):結果の概要/厚生労働省
夏のボーナスに関して知っておきたいポイント3選
夏のボーナスに関して、知っておきたいポイントがあります。知らないままでいると受け取ると「あれ?どういうことだろう?」とあわてたり、退職時に損したりするかもしれません。詳しく見ていきましょう。
ボーナスからも保険料・税金が差し引かれる
ふだんの給料よりも金額が大きいこともあるボーナス。しかし、ボーナスの全額をそのまま受け取れるわけではありません。
普段の給料と同じように、ボーナスからは所得税・健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料、40歳以上の場合は介護保険料が引かれます。ボーナスの使い道を考える際には、この点を押さえておきましょう。
ただし、2024年に関しては「定額減税」といって、2024年の所得税に関わる合計所得額が1805万円以下の納税者1名につき一律4万円(所得税3万円・住民税1万円)の減税が実施されます。
6月1日以降、最初に支給される給与など(ボーナスを含む)から引かれる所得税と住民税が0円となり、残額は11分割して7月以降の給与などから減税されるという仕組みです。
2024年の夏のボーナスについても、差し引かれる税金が減る分、手取りが多いと感じられるかもしれません。
出典:
令和6年分所得税の定額減税について(給与所得者の方へ)/国税庁
令和6年度定額減税(住民税)/東京都北区
入社1年目・最初のボーナスは「寸志」が多い
新卒・中途採用で入社して1年目の場合、最初のボーナスは支給対象にならないことが多いでしょう。
ボーナスの金額を決定する要素のひとつは「査定期間内における評価」です。査定期間は企業によってさまざまですが、夏のボーナスにおいては前年10月〜当年3月、冬のボーナスにおいては当年4月〜当年9月としていることが一般的。
新卒入社で4月に入社したのであれば、1年目の夏のボーナスは査定期間内に在籍していないため、支給対象外となる場合があるのです。ただし、入社してからの働きを労う意味で、数万円程度の「寸志」を支給する企業も少なくないようです。
いずれにしても高額のボーナスは期待できないことがほとんどなので、その点を理解してマネープランを立てましょう。
なお、ボーナスの査定期間と支給日については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
ボーナス後の退職は申し出るタイミングに注意が必要
就業規則にもよりますが、退職予定があってもボーナス支給日まで在籍していればボーナスを受け取れるケースが多いでしょう。しかし、ボーナスには「今後の活躍に対する期待値」が含まれています。
ボーナス支給日よりも前に退職の意思を見せると、期待値の部分がなくなって支給額が少なくなる場合があります。「ボーナスをもらってから会社を辞めよう」と考えている場合、退職を切り出すのはボーナスを受け取ってからが望ましいかもしれません。
ただし、ボーナスの支給日直後に申し出ると、あまりよくない印象を持たれてしまいがちです。支給日から2〜3週間ほどは待ってから伝えた方が無難でしょう。
夏のボーナスの金額アップをめざすなら転職の検討もアリ
夏のボーナスの平均支給額は、38万円〜39万円でした。この金額は全産業の平均なので、労働者ひとりひとりの受給額には差があることが考えられますが、もし自分のボーナスを「少ない」と感じるのであれば、転職を視野に入れてもよいでしょう。キャリアや経験に応じて、ボーナスアップを期待できる企業が見つかるかもしれません。
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